公募終了しました

制作・展示支援プログラム「Artists in FAS 2018」

入選アーティスト発表!!

5月25日と30日の両日、Artists in FASの入選アーティストおよび特別賞を決定する審査会を行いました。

審査員が滞在制作および作品プランが記入された応募書類とポートフォリオ(希望者のみ提出)に目を通し、各審査員が4~6名を最終候補者として選出しました。
 最終候補者の中から協議の上、入選者4名とその中から特別賞1名を決定しました。

◼︎入選(敬称略、50音順)

金沢寿美(かなざわ・すみ、39) 東京都
熊野海(くまの・うみ、35) 神奈川県
藤倉麻子(ふじくら・あさこ、26) 埼玉県
二ノ宮久里那(にのみや・くりな、33) 神奈川県 ※特別賞

*各入選作家の滞在制作および作品に関するプランは、順次公開予定です。

◼︎応募総数
52件[神奈川県内22件(うち藤沢市内6件)、県外28件、国外2件



大巻伸嗣氏[アーティスト]

Artists in FAS の入選アーティスト3名、特別賞1名を審査させていただきました。
今回選んだ作家たちは、総括的に20代の作家たちについては、コンセプト過多になっているものが多く、実際にアイデアを作品にしていく過程でイメージがイメージを越えていくことができるだろうかと疑問に思うものが多かった。中には、パフォーマンスや歌を制作する者もいて大変興味深い作家もいたが、切実な思いや欲求など説得力にかけるような気 がした。これもあくまで私の感覚的なものではあるが、今までに見てきた若手作家たちの中で、何かわからないが、その光を感じる者にはどうしてかひっかかるものがあるような気がする。
そんな、言葉や作品だけでなく、本人が持っている直感的なものが感じられる作家に興味を惹かれる。その作家の一人は、日常的に知っている物がシュールな世界に変貌させてしまう空間を作り出す藤倉麻子である。一見何気ない風景だが、作品の中に表現されるスケール感や非現実性は見るものに不思議な感覚を与える。その彼女の世界観に興味をもった。画面や空間が変化することによって新しい何かを見つけ出してくれることを願い、今回選ぶことにした。積み重ねた経験がある作家たちも今回応募してくれたことも嬉しく思えた。
普通キャリアを積んだ者があえて地方のレジデンスに応募してくることはあまり考えられないが、この藤沢市アートスペースには、そんな作家たちにとっても魅力を感じられる空間であり、機会であるということだ。この地域から出て先日個展をした毛利悠子の存在があるのは言うまでもないだろう。
そんな世界的に活躍している若手作家も発表するこの空間で、経験を持った者が何をするのかに興味を持ち審査した。中でも、膨大な行為の集積によっ てあふれる情報から星を作り出すような作品の金沢寿美にはとても興味を持った。単純な作業の繰り返しのように見えるが、偶然をも作品に取り込んで しまうような、画面に現れるコンステレーション的な情報の星座が、歴史と記憶をヒカリへと変える。鉛筆と新聞紙という単純で誰でも知るものが夜空 に浮かぶ星のようにまたたく。日常を紡ぐ行為の中に新たな発見を藤沢の市民にも体験してもらう姿を想像すると今から楽しみになる。
海外のレジデンスでは、35歳という年齢が一つの区切りとなることがある。その年齢に立った時、様々な制限や選択に迫られる時期だ。熊野海は次なる挑戦となるような大作に取り組んでもらいたいと思っている。爆発的なカラフルな色で画面を構成し、エネルギーを持った絵画を制作する彼だが、応募者の中でも画面に一番力があり、制作のプロセスにも興味を持った。ドイツ・ベルリンで滞在し、ロンドンで大きな個展をした若手作家が、日本に戻ってきた時、浦島太郎のような状況になり、制作そして発表がうまく進まなくなることも多いだろう。このレジデンスで大いに制作し作家の制作する姿勢を示してほしい。
アートスペースでの公開制作は、ひょっとするとサービスを要求させられてしまうかもしれないが、ここでのサービスは作家が思い悩みながら格闘する姿勢をさらけ出して、ガラス越しに見せることだと考える。人が近寄れないくらいピリピリした空気や、狂気じみた風景も見られるかもしれないと思うと、お絵描き教室の延長でサービスするよりはいいのではないだろうか。
最後に編むという手法から空間を作り出す二ノ宮久里那は、この空間をどのように拡張してくれるだろうか。テキスタイルの中でも色々な質感、空間への挑戦をしている作家であると思う。レジデンス滞在中も自分の展示方法の拡張や挑戦ができればいいだろう。今回の展示では、テキスタイルがもつ可塑性だけに甘えることなく、より物質と空間にフォーカスした作家としての挑戦をしてほしい。単なるテキスタイルではない、人を取り込んでいくように増殖するものは最後にどんな形となって現れるかとても楽しみにしている。
それぞれに挑戦していくことは違うと思うが、世代ごとに作家として考えなくてはならないものもあり、年齢経験の違うものをこの空間で一緒にレジデンスしてもらうことでお互い成長してもらいたい。
今回私は、目的をきちんと定めレジデンスに参加できる作家を選んだ。他にも興味深い作家はいたが、また次回レジデンスにおいての目的をより明確にもてるよう考え応募してほしいと考える。


『ECHO』シリーズ、『Liminal Air』、『Memorial Rebirth』、『Flotage』など様々な手法で、「空間」「時間」「重力」「記憶」をキーワードに、“物質と空間・存在”をテーマとして制作活動を展開する。見ることのできないものを可視化し、体感させることで、新たな身体的知覚空間を作り出すことを試みる。軽やかかつ大胆に空間を非日常的な世界に変容させ、鑑賞者の身体的な感覚を呼び覚ますダイナミックなインスタレーション作品を発表。近年の、民家を使っての『家』シリーズ(いちはらアート×ミックス、越後妻有アートトリエンナーレ2015、足立区民家2016)では、積み重なった時間と記憶を、光を使って闇の空間の中に出現させるインスタレーションを展開している。日本国内のみにとどまらず、世界中のギャラリー、美術館などで意欲的に作品を展開している。


<審査員からのコメント>

帆足亜紀氏
[横浜美術館国際グループ兼学芸グループグループ長/横浜トリエンナーレ組織委員会事務局プロジェクト・マネージャー]

制作と展示を支援するプログラム「Artists in FAS」は、レジデンスルームで活動すること、またその活動を公開することが条件となっている。自分のスタジオを出て、社会に開いた場所で制作することは緊張をもたらすことでもあるし、場合によっては面倒くさいことでさえある。しかし、あえて、そういう環境に身を置くことを決めた応募者たちは、何を期待してこのプログラムに応募したのだろうか?

実のところ、展示のイメージや方法に力を入れた提案も少なくなく、その内容は評価できるものが多かった。しかし、本プログラムは短い期間とはいえ、特定の場所と空間、そして時間が与えられるので、それらを通して、交換や交流といったことから何かしらの変化が生じることが期待される。作品という目に見える形で変化が見えればよいが、短期間ではそのように目に見えるほどの変化を遂げるのが難しいとしたら、作品に対する考え方や姿勢、あるいは次の局面につながるような試作など、本プログラムにコミットしたからこそ得られる何かを獲得できること。そういう視点で数多くの優れた提案のなかから、今回の3組(金沢寿美、熊野海、藤倉麻子)にFASで制作するチャンスを提供してみたいという結論に至った。この3組はキャリアが三者三様であり、お互いに刺激できるのではないかということ、また、与えられた条件以上のことを成果として出せる潜在的な力を持っているのではないかと考えたのである。
ところで、表現メディアは問わないという本プログラムの趣旨のとおり、応募のなかでダンス、演劇、音楽などのパフォーマンス、そして、陶芸や編み物など工芸的な作品づくりをしているひとたちの応募があった。二ノ宮久里那は編み物ということばにはおさまらない規模のものを制作しているところが興味深く特別賞となった。

いつもとは違う自分に出会えるだろうという期待をもってアーティストが本プログラムに参加すること。そして、その期待に応える強度を主催者が持つこと。両者の思いが強ければ強いほど、本プログラムは有意義なものへと育つだろう。審査という行為は優劣をつけるものだと思われがちだが、本プログラムの審査はそうではなく、アーティストとFASのマッチメイキングである。両者の出会いが双方にとって恵をもたらすことに期待している。


1994年シティ大学(ロンドン)にて博物館・美術館運営修士号取得後、フリーになり美術のプロジェクトに携わる。
国際交流基金のアジア地域の美術交流事業(1997-2010年)ニッセイ基礎研究所のパブリックアート事業(2000-02年)のほか、アーカスプロジェクトのディレクター(2003-07年)を務める。
2010年より横浜トリエンナーレ組織委員会事務局にて第4回~第6回の横浜トリエンナーレに携わる。通訳・翻訳も手がける。


藤間豊氏
[一般財団法人藤沢市開発経営公社 理事長]

今回の受賞作品が展示される「ココテラス(Cocco Terrace)湘南」は、私どもの財団が所有するビルで、「Cocco Terrace」のCoccoはイタリア語で「かわいい子、秘蔵っ子」などを意味し、また「ココテラス」=「此処を照らす」ということから、『様々な可能性を秘めた子どもたちの今を照らし、未来を切り拓く』をビルのコンセプトとしています。そして実際に、低層階には「子ども」に関連する業態の皆様に、数多くテナントとして入居していただいています。

そこで、今回の審査には、ビルを訪れる子どもたちが何らかインパクトを受け、その可能性が少しでも拡がるような作品に出会えればとの期待を持って臨みました。審査開始とともに、絵画やインスタレーションをはじめ応募いただいたハイレベルな作品の中から、特別賞の一点だけを選ぶという困難さに直面しましたが、受賞作となった二ノ宮久里那さんの応募プランや過去の作品例からは、糸や布、テープなどを編んで作品を制作するユニークさやカラフルで拡がりのある空間を創造するという、他の作品にはない個性や華やかさを感じました。

また、「ココテラス湘南」ビル内には、2階から4階にかけて子どもたちの声が響く吹き抜け空間がありますが、その場所での展示というイメージもごく自然に湧いてきました。今後、子どもたちの安全面に配慮しながら、二ノ宮さんの作品の展示方法などについて打ち合わせが進むと思いますが、作品を見た子どもたちの眼の輝きが今から想像されます。

アートスペースを有する「ココテラス湘南」に集う子どもたちが、芸術を通じ将来に向けて喜びを感じてくれる事。それが私ども財団の目指すべき目標であることを改めて確信させてくれる審査となりました。二ノ宮さんをはじめ、今回応募いただいた多くの方々に深く感謝と御礼を申し上げます。


〈Artists in FASについて〉

「Artists in FAS」(以下 AiF)は、藤沢市アートスペース(以下FAS)のレジデンスルームと展示ルームをアーティストに提供して開催する制作・展示支援プログラムです。 本プログラムは2016年にスタートし、今年で3回目を迎えます。 多様な創作活動に携わる人たちから制作したい作品と展示についてのプランを広く募集し、外部審査員による審査のもと、選出されたアーティストに作品制作と展示のための環境を提供します。FASでの滞在制作を通して、アーティストとしてこれまでに追求してきた表現や培ってきた経験を、カタチにします。

絵画、立体、インスタレーション、パフォーマンス等、表現メディアは問いません。「AiF」は、アーティストの意欲的な制作活動をサポートするとともに、発表の場を提供することにより、今を生きるアーティストとその作品の魅力を発信することを目的としています。


〈Artists in FAS2017成果発表展の様子〉

展覧会ページ【Artists in FAS 2017】

伊藤夏実《集合》2017

 

瀬川祐美子《Find me.》2017

 

生川珠央《Why is there something rather than nothing? 何もないのではなく。何かがあるのは、なぜ?》2017

 

O.Sujin《Sable・Shonan 2017》2017 ※会場:8HOTEL

 

 


<受付期間>

2018年4月1日(土)〜2018年5月13日(日)[必着]
※郵送、またはFASへ直接持参のみ。
※直接持参の場合は、FASの開館日(10〜17時の間)に来館のこと。


<審 査>

書類選考により入選者4名(組)および、入選者から特別賞 1名(組)を決定。
2018年6月5日(火)にFASのWeb Siteにて結果発表。

※特別賞はFASとは別のココテラス湘南ビル内共用部分が展示会場となります。


<滞在制作期間>

2018年7月7日(土)〜9月30日(日)

※上記期間中のFAS開館日のうち30日間(1日6時間程度)は、FASで滞在制作をすること


<成果発表展覧会>

2018年10月6日(土)〜11月25日(日)
※入選者によるグループ展です。
※休館日:月曜日(月曜日が祝日の場合は翌火曜日が休館)。
※特別賞はFASとは別のココテラス湘南ビル内共用部分が展示会場となります。


<賞および報賞金>

入選:4名(組)
入選者(組)には、滞在および制作補助として報償金25万円を支給します。※支給方法:事業終了後に本人名義の口座へ振込みとなります。

特別賞:1名(組)
入選者4名(組)のうち1名(組)が選ばれます。FASのレジデンスルームで滞在制作をしていただき、FASとは別のココテラス湘南ビル内共用部分が展示会場となります。


<応募方法>

受付期間:2018年4月1日(日)〜 2018年5月13日(日)[必着]

◉受付期間内に応募書類を提出してください。
詳細は以下要項をご確認ください
Artists in FAS 2018_募集要項_180401


〈応募書類〉

[応募方法]受付期間中に以下の応募書類を提出してください。

① 藤沢市アートスペース「Artists in FAS 2018」申込用紙
※FASで配布しています。以下からもダウンロードできます。
※郵送を希望の方は、FASまでご連絡ください。
※応募は一人1件とします。

② ポートフォリオ(任意)
※A4サイズの用紙、(10枚以内)をクリップ等でまとめ、透明のクリアファイルに入れて提出してください(紙に出力したものに限る)。
※DVDやCD等での画像データの添付不可。
※映像の場合、5分以内に編集したものをCDやDVD(movまたはmp4)で提出してください。Youtubeなどの動画サイトやインターネット上にアップロードしたものは審査の対象になりません。

【応募書類ダウンロードはこちら】
Artists in FAS2018_応募書類(Ward)
Artists in FAS2018_応募書類(PDF)
展示会場参考図面(PDF)


〈応募に関する注意事項〉

・応募書類はe-mail、FAXでの応募は受け付けません。
・応募書類(①申込用紙、②ポートフォリオ)は返却しません。
・応募の際に入手した情報は、本事業に関わること以外には使用しません。


〈提出先〉

〒251-0041 神奈川県藤沢市辻堂神台2-2-2 ココテラス湘南6F
藤沢市アートスペース「Artists in FAS 2018」係


〈企画・応募に関する問い合わせ先〉

TEL.0466-30-1816 / e-mail: fj-art@city.fujisawa.lg.jp

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