数多の小さな点や細い線を結び合わせて光、山、星などの自然や宇宙を表現する、湘南ゆかりのアーティスト3名を紹介します。
石川美奈子は、絵具の色合いを少しずつ変えて何本も線を引くことにより大気を表現します。緻密な作業の積み重ねの末にできあがる青色のグラデーションは果てしなく広がる空や海のように見え、また虹色のスペクトルは移ろう光を連想させます。
今村洋平は、シルクスクリーン版画を通して立体的な山や幾何学模様をつくりだします。途方もない時間と労力をかけて数千回と刷り重ねるうち、インクが地層のように堆積し、起伏に富んだ山肌が現れます。本展では会場に刷り台を設置し、今村の制作の様子も公開する予定です。
渡辺望は、身の回りの景物を星空に見立て、写真、映像、インスタレーションにより、宇宙と人間のかかわりを考察します。掌中の宇宙ともいえる作品は、視点をずらすことによって開かれる豊かな世界へと私たちを誘ってくれることでしょう。
極小の点と線が織りなす壮大な宇宙をどうぞお楽しみください。