「平成10年度決算審査のあらまし」
決算審査のあらまし
主な質問・答弁
決算に対する各会派の要望・意見
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決算審査のあらまし

 平成10年度一般会計及び10特別会計決算のあわせて11認定議案(総額1689億8800万2771円)は、11月29日に設置された決算特別委員会において、11月30日、12月1日、2日及び3日の計4日間にわたり審査が行われました。
 その結果、12月17日の本会議で全決算が認定されました。
 また、12月2日の決算特別委員会では、藤沢市の企業会計的財務諸表(バランスシート)について、市から説明がありました。
 ここでは、決算特別委員会の審査の概要をお知らせします


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主な質問と答弁

バランスシート

国の統一基準作成に期待

現時点では資産・負債把握の一指標

質問 今回初めて、決算に基づくバランスシート(貸借対照表)が公表されたが、現時点での問題点と活用方法を聞きたい。
答弁 今回試作した貸借対照表は、国に毎年提出する地方財政状況調査(決算統計)をもとに本市の資産額を積み上げたものである。
 しかし、決算統計が現在の形式であらわされるようになったのは、昭和45年からであるため、それ以前に取得した資産はこの表には計上されておらず、本市の資産すべてがここにあらわされているわけではない。
 また、貸借対照表作成に当たっての全国的に適用できるガイドライン(統一基準)もないため、この表は、資産と負債の状況を把握する一つの指標として作成したものである。
 現在、自治省などでガイドラインを作成中であり、これが完成すれば、客観的な基準による他の自治体との比較や、本市の財政状況の的確な認識が可能になるものと期待している。

災害時の飲料水80日分を確保

質問 災害が発生した際に,飲料水の確保は最大の課題と考える。
 本市では、14カ所に100トンの耐震性飲料用貯水槽を設置する予定となっており、10年度末現在で5カ所が設置済みであるが、この状況で、市民にどのぐらいの飲料水を提供できるのか。
答弁 貯水槽については、現在整備途中であるが、市内4カ所の県企業庁配水池、学校のプール、設置予定の貯水槽を合わせると、一日一人3リットルとして、約80日分が確保されることになる。

災害時の医薬品備蓄の方法は

質問 災害時のために、緊急用医薬品の備蓄を行っているが、その医薬品の内容や備蓄方法について聞きたい。
答弁 現在、5000人分を3日間分という計画で、薬事センター倉庫に保管し、管理については、藤沢市薬剤師会に委託している。
 備蓄医薬品は、注射薬29品目、内服薬13品目、外用薬10品目で、使用期限の切れた医薬品については、毎年交換を行っている。

キャンペーン実施で
バス利用へ転換図る

質問 バス活性化システム整備事業の具体的な内容について聞きたい。
答弁 この事業は、地域環境の改善対策の一環として、買い物や行楽に自家用車からバスへの利用転換を啓発するために実施したもので、(社)神奈川県バス協会に対し、国・県とともに補助を行った。
 この補助金により、同協会は、バスカードの台紙やポスターを制作するとともに、バスに絵柄を施すなどの事業を行い、市民に対しても土曜・休日に定期券所有者と同乗している家族に対して、運賃の割引を行う環境定期券制度の説明など、キャンペーンを実施した。

(写真)
環境保護の観点から、バス利用の促進にキャラクターを活用。

事業所のISO取得
支援策を今後検討

質問 ISO9000や14000シリーズの認証取得は、中小企業の経営戦略にとって大変重要な課題であるが、現在、市内の事業所でどの程度取得しているのか。
 また、取得に対する助成や支援などについての市の考えを聞きたい。
答弁 ISO9000シリーズの認証を取得した事業所は25カ所、14000シリーズの取得は5カ所ある。
 また、認証取得に対する市の支援としては、講習会を行うとともに、9000シリーズに限り、認証取得の進め方等について、工場への巡回相談を行っている。
 なお、14000シリーズを今現在取得しているのは大手企業だけであり、中小企業では、費用などの問題で、まだ難しい状況であるため、市としても、現在まで、助成などの支援策は行っていない。
 しかし、これらの取得は、非常に重要な課題であると考えており、新年度に向けて、事業展開をどのように行っていくのか、検討していきたいと考えている。

航空機騒音対策
国への要望状況は

質問 厚木基地の航空機騒音対策としての住宅の防音工事について、国への要望の状況を聞きたい。
答弁 神奈川県基地関係県市連絡協議会と厚木基地騒音対策協議会が、12回にわたり夜間離着陸訓練の中止や防音工事などについて、国に対して要請している。
 なお、防音工事については、市長から横浜防衛施設局長に、@対象区域の拡大A対象住宅の基準の見直しB工事の迅速化―などについて要望書を提出しており、これらに対して、騒音調査を平成12年3月までに市内13カ所で実施する、また、申請のあった工事の着工までの期間短縮を行いたいとの回答を得ている。

障害者の雇用を促進
事業所訪問が効果

質問 本市では、障害者の雇用促進に向け、どのような取り組みを行っているのか。
答弁 平成10年度は、7月に藤沢公共職業安定所や障害者関係団体とともに、市内91事業所を訪問し、障害者の雇用促進の要請を行った。
 また、9月には、藤沢公共職業安定所とともに、33事業所と就労を希望する障害者160人の参加による「障害者集団職業相談会」を実施した。
 この結果、採用内定者を含め12人の採用が決定した。この相談会が実施できたのは、7月の事業所訪問の効果が大きく、県内では藤沢公共職業安定所のみと聞いている。

市政をより身近に
 
−施設めぐり事業−

質問 施設めぐり事業について、過去の実施状況、参加人数等について聞きたい。
答弁 この事業は、市内公共施設を見学することにより、市政への理解をより深めていただくもので、広報に掲載し、公募等により実施している。
 平成9年度は47回実施し、参加者は1260人であった。また、平成10年度は45回実施し、参加者は1080人であった。
質問 この事業は、大変好評であるため、参加者の定員枠を広げることはできないか。
答弁 参加希望者が定員を超えた場合には、抽選で参加者を決定しているが、できるだけ多くの方が参加できるよう順次追加するなどして実施している。
 今後については、受け入れ施設側の事情などもあるが、さらに一層充実するよう努力していきたい。

来庁者の駐輪場所
 確保のための対策は

質問 市役所新館東側は、最近、通勤・通学利用者等で、駐輪台数が増加しており、来庁者が駐輪できなくなっているのではないかと思われる。
 交通安全上の面からも、対策をとらなければならないと思うがどうか。
答弁 来庁者の駐輪場所を確保するため、現在、新館東側の駐輪場において、午後10時から翌朝の午前8時20分まで閉鎖するための工事を行っている。


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決算に対する各会派の要望・意見

大型公共事業よりも福祉・医療の充実こそ

−日本共産党議員団 5人−

@介護保険制度実施を控え、安心して介護が受けられるよう早急にサービス基盤の整備を。
A保育園及び学童保育の待機児が全員入れるよう早急な対策を。
B膨大な財源を必要とするエネルギーセンター建設よりも、ダイオキシン対策や財源の効率的な活用の面からも、北部環境事業所の早急な全面改築を。
C財政を圧迫する大型公共事業や開発は縮小・中止し、保育園や市営住宅の増設、福祉施設の拡充、学校等公共施設の耐震補強工事など生活密着型の公共事業に切り替えを。
D膨大な財源を使う総合防災センター建設よりも、公共施設の耐震診断、改築・改修こそ急ぐべき。
E消費税の3%への引き下げを国に求めるとともに、市民への負担転嫁はやめるべき。また、消費を冷え込ませる公共料金の値上げはやめること。
F赤字となっている競輪事業費特別会計について、一般会計で補てんすることは市民の理解を得られるものではない。この事業からは撤退を。
G肺がん、大腸がん検診など市民の健康にかかわる施策に対する補助金については、削減しないよう国、県に強く働きかけを。
H平和基金の運用益が少なくなったことを理由に、年々予算が削減されている平和事業は、一般財源を投入して積極的に推進を。

行政評価システムを導入し事業の検証を

−藤沢新政会 19人−

@増大する財政需要に対応するため、より一層の行政改革と行政評価システム導入による事業の検証を。
A国、県補助金等歳入の確保に、より一層の努力を。
B環境基本計画は、従来の「行政主体の市民参加型」ではなく、「市民主体の行政参加型」により推進を図ること。
C今後の環境施策の実施に当たっては、地元権利者、自然環境団体、産業関係者が一体的に活動できるような体制づくりを行うこと。
D大気、河川の汚染問題は、国・県や近隣市との連携など広域的視点で解決を。
E地区福祉窓口の未設置地区への順次開設を。
F財政の硬直化が進行するなか、区画整理事業など公共事業全般の執行に当たっては、投資効果の分析を積極的に行うこと。
G下水道の区域外整備や雨水対策は、受益者の応益負担と財政の効率的な運用により、その促進を図ること。
H商店等が減少傾向にあるため、商店街振興事業の効果分析、費用対効果の調査実施を。
I「教育の閉鎖性」を打開するため、教育委員会内部のほか、地域や他部門とのネットワークづくりを行い、本市における教育環境の根本的な改革を進めること。
J余裕教室を地域の子ども会活動等に開放するなど、地域に開かれた学校づくりに向けた施策の推進を。

介護保険導入に向け基盤整備の充実を

−藤沢市公明党 6人−

@行革大綱に基づき、重複する事業や効果の乏しい事業は、より市民サービスが図れる事業へ再編成を。
A男女共同参画社会に向け、政策決定の場への女性の登用や意見反映は、さらに推進を。
BFM放送は、災害時に備えた広報番組を充実させるとともに、電波出力の改善を図り受信率の向上を。
C生ごみの堆肥化や廃食用油などの資源化に、今後「ビッグプロジェクト」として全市的に取り組み、ごみ焼却量の削減を。
D大気及び土壌の有害物質調査は、特に取り組みの強化を。
E茅ヶ崎市や寒川町など湘南東部医療圏の関係機関との協議を早急に行い、救命救急センターの設置を進めるべき。
F介護保険制度における円滑な介護サービスの実施に向け、基盤整備の充実を早急な課題として取り組みを。
G給食サービスは、365日実施を目指し、充実・拡大を。
H借上公共賃貸住宅は、新築にとらわれず既存住宅も借り上げるなど柔軟な検討を。
I地域経済の活性化や新産業の創出を図るため、大学や民間企業との連携による地域情報ネットワークの構築を。
J交通混雑の解消と公共交通不便地域へのコミュニティバス導入に積極的な取り組みを。
K不登校やいじめ問題に対する相談機能の充実と相談環境の整備を。

長期的観点に立ち慎重な財政運営を

−市政市民派議員会議 5人−

@前年度に比べ、市債借入額が増加し、経常収支比率も前年度を上回っており、年々財政の弾力性が弱まっている結果が読み取れる。長期的観点に立った場合には、相当慎重な財政運営が必要である。
A今後の市政運営に当たっては、大型の公共事業や不要不急の施策はできる限り慎重に対処し、より緊急性の高い事業、市民の生命や健康にかかわる事業、市民生活に密着した事業を重点的にとらえて、財政の健全化を図っていく必要があると考える。特に、地震対策では、耐震診断が実施されていない学校が19校も残っている。また、防災テントや仮設トイレも備蓄目標に達しておらず、達したとしても不十分であると考える。
Bダイオキシン調査やごみ減量対策は、待ったなしの課題である。
C高齢化の進行に伴い、バリアフリーのまちづくりは重点課題であり、長後駅にエレベーターが設置されたことは評価する。
D平和事業は、不断の努力で実施していかなければならない。
E厳しい財政状況下においては、従来の慣習や前例にとらわれず、国や県、近隣自治体への右へ倣え的発想を転換し、市民参画、情報公開を前提に特色ある自治体を目指して、次世代にわたって市民が安心して暮らせるような事業展開を期待する。

財源の充実確保で地方分権の推進を

−21社・民CLUB 5人−

@地方分権一括法の施行に当たり、地方財源の充実を図るため、国税と地方税の配分の抜本的見直しを国に求めること。
A市税及び国民健康保険料等の収入未済額・不納欠損額の縮減を図るため、さらなる取り組みの強化を。
B平和行政の充実を。
C介護保険制度の実施準備に万全を期すとともに、介護供給体制の確立を。
D地区福祉窓口の計画的な設置を進めるとともに、その業務内容の充実を。
E保育園の待機児解消と藤沢版エンゼルプランの作成・実行を。
F行政と市民、事業者が一体となって、ごみの減量化、資源化、再利用の推進を。
G安全性を前提とした焼却灰の有効利用の研究を進め、最終処分場の延命を図ること。
Hみどりの保全、太陽熱や雨水の利用を推進するとともに、大気・水・土壌などの調査と汚染防止対策の強化を。
Iエネルギーセンター建設構想は、その必要性について市民への十分な説明と対話を行うなかで検討を。
J普通会計における資産と負債の状況をより明らかにする第一歩として、バランスシートを作成・公表したことについて、市当局の努力を評価する。
K休日夜間における諸証明発行業務の費用対効果の精査と再検討を。
L小・中学校における少人数学級編制への取り組み強化を。

(写真)
平成11年3月に湘南台駅への乗り入れが開始された相鉄いずみ野線


 掲載の順番は、本会議での討論順。
 日本共産党議員団は、全決算を認定しませんでした。
 そのほかの会派は、全決算を認定しました。
(討論=議題となっている案件に対し、採決の前に賛成か反対かの意見を表明することを言います。)


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決算特別委員会委員一覧

平成10年度決算特別委員会委員

委員長  井上 広男
副委員長 高橋 八一
委 員  原田  建
 〃   今村 信也
 〃   野副 妙子
 〃   瀬川  進
 〃   広田 忠男
 〃   渡辺 光雄
 〃   松下賢一郎
 〃   大塚 洋子
 〃   海老根靖典
 〃   水越 靖典
 〃   矢島 豊海


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