「平成12年度決算審査のあらまし」 |
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平成13年度一般会計及び12特別会計決算のあわせて13認定議案(総額2,077億5,744万6,307円)は、9月24日に設置された決算特別委員会において、9月25日、26日、27日、30日及び10月1日の計5日間にわたり審査が行われました。
その結果、10月3日の本会議で全決算が認定されました。
ここでは、決算特別委員会の審査の概要をお知らせします。
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堆肥化処理施設
有機質資源の有効活用を図る
平成16年度工事着手を予定
質問 有機質資源を活用した家畜ふんの堆肥化及びその処理施設の整備計画について聞きたい。
答弁 堆肥化施設について、家畜ふんを主体に学校給食や中央卸売市場から出される野菜の残渣と樹木剪定枝のチップを混ぜた堆肥の生産を考えており、市内の農家を対象に行ったアンケート結果からも、ある程度の農家が使用する見通しとなった。
現在、施設を設置するという方向で進んでいるが、設置場所という大きな課題があるため、その候補地を近いうちに決めていきたいという状況であり、工事本体に着手するのは16年度当初となる予定である。
買い物動向等の調査分析の方法は
質問 辻堂駅周辺と湘南大庭地区で実施した消費者の買い物動向調査の方法と分析結果について聞きたい。
答弁 平成13年7月に湘南大庭と辻堂駅の南北何点かに人を配し、買い物客にアンケート調査を実施した。
辻堂駅南口周辺では305人、北口では、233人のサンプルを得た。湘南大庭地区については、湘南ライフタウンのショッピングセンターと湘南東急周辺でそれぞれ160人に対し行った。
この作業は産業センターに委託し、そこで集計したものを産業センターが専門の中小企業診断士等に依頼し、その商店街にとってどういうものが要望されているのか、また、前回の調査と比べてどの程度違っているのかということを具体的に把握し、結果として報告を受けている。13年度については、3月末に報告を受け、地元での報告会を行うことになっている。
職員の人事評価制度14年度8課で試行
質問 職員の新たな人事評価制度を作成していると聞いているが、これまでの進捗状況と今後のスケジュールについて聞きたい。
答弁 平成14年度は、試行として8課の職員の協力を得て、実績評価、能力評価シート等の作成をしている。人事評価制度は職員、管理職ともに初めての経験で戸惑い等もあるが、本年10月を一つの区切りとして、課題や問題点、意見等を聞きながら、適用への材料、職員への詳しい説明の材料としたいと考えている。
また、本市としては、15年から17年の3カ年のなかで、人事評価制度への取り組みを全庁的に行い、職員が意欲、強い使命を持って仕事ができるような体制づくりを進めていく。
片瀬浪合市民の家リフォームを検討
質問 昭和53年に建設された片瀬浪合市民の家は、建設から24年経過している。地域の方々は、1日も早いオープンスペースの増築を望んでいるが、その計画はどのようになっているのか。
答弁 この市民の家は、建ぺい率の関係で増築ができないため、増築に代わるものとして、外壁、屋根の塗装、床の改修、間取りの変更などいわゆるリフォームをなるべく早い時期に実施していきたいと考えている。
ダンスから文化へ総合芸術の検討
質問 ストリートダンス大会が若者の文化として根付いてくれば、総合芸術という形で湘南らしい藤沢の若者文化というものを新たに事業展開ができるのではないかと思うがどうか。
答弁 今年で4回目になるストリートダンス大会については、その運営を若者中心の実行委員会方式に切りかえ、ストリートダンス以外に誰でも参加できるフリー部門を設けるなど、幅広い参加を呼びかけ実施した。ストリートダンスについての市民の見方はさまざまではあるが、市としては、若者が打ち込めるものがあるということについては大事にしていきたいと考えており、また、この大会を通じてマナーやモラルについて呼びかけていくことが大切であると考えている。
今後は、成人式などにおいての出演の場づくりとあわせ、ロックバンドなどのコンテストも含めたなかで、気運の高まりを見ながら総合的な若者の芸術文化事業を検討していきたい。
ストリートダンスから湘南らしい若者文化創造へ
観光客の誘致へ総合的な検討を
−江の島再整備計画−
保育園の和式トイレ質問 富士山や江の島などのセールスポイントは、その景観にあるが、観光客誘致のため、景観のみでなく、より魅力あるものへと考える必要があることから、プロジェクトで検討すべきと考えるがどうか。
答弁 現在、灯台の建てかえに伴い、頂上部の再整備を行っているが、江の島全体をどうするのかということは、再整備の中で、企画課を初め、都市計画課、教育委員会の生涯学習課まで含め、プロジェクトとして事業を行っている。
今後は、単に観光のみでなく、文化財等の保存も含めコッキング温室遺構等も十分に生かしながら、観光協会とも連携し、島全体を魅力あるものにしていきたいと考えている。
質問 小学校、中学校のトイレは生活環境とあわせ、和式から洋式へと変化しているが、保育園のトイレは和式が多いと聞く。洋式トイレへの改修が必要と思うが、過去の実績、また改修の基準はあるのか。
答弁 保育園のトイレ改修については、13年度、高山保育園、14年度には、善行保育園で実施をした。
トイレの改修については個数の基準はあるが、その形状については特にない。
今後は、保育園施設改修時にあわせ洋式トイレへと順次改修していきたい。
交通安全教育
自転車事故防止へ運転マナー向上を徹底
質問 自転車と歩行者との事故がかなり発生していると聞き、自転車マナーの教育を徹底する必要があると思うが、本市で実施している交通安全教育はどのように行われているのか。
答弁 現在、幼稚園、小学校を中心に交通安全教育を行っており、その中でも、小学校の上級生、中学生を中心とした教室を設け、特に小学校では、お母さんやPTAを中心とした自転車の乗り方を含めた教室を開催している。中学生については、14年度から、1年生に自転車のパンフレットを配布するとともに、自転車の安全な乗り方等に対する教育を学校長にもお願いしている。
統合OAの導入効果
5万7千時間を削減
質問 市は、統合OAの導入による結果、時間短縮が5万7千時間であったとのことだが、職員数に換算した場合、何人分となるのか。また、この効果からすると、時間外勤務は削減できたものと考えるがどうか。
答弁 職員1人当たりの勤務時間に割り戻した場合、約29人分となり、統合OAを導入したことによる事務的な部分での削減効果は認めているところである。しかし、各課の勤務の特殊性や新たな需要に基づく制度化に伴う事業の発生など統合OAの導入が、即時間外勤務の削減に結びつくことは難しいと考えている。
緊急通報システム
協力員研修を徹底
質問 ひとり暮らしの高齢者や障害者にとって、安心できる暮らしを支えるための緊急通報システムには協力員が欠かせないが、この協力員への研修はどのように行われているのか。
答弁 緊急通報協力員への研修については、最初の登録の際に簡単なパンフレットを渡し、業務の内容を説明している。さらに、年1回、研修会、意見交換会を開催し、この業務の趣旨を周知している。
今後は、在宅介護センター等と市が共催で研修を行うなど指導していきたい。
地域作業所の生産品
市施設で販売検討
質問 地域作業所では、施設運営のための貴重な収入源となっている生産品の販売に苦慮していると聞くが、この品物を市の施設で販売することは可能か。
答弁 障害者施設で生産している品物の物品販売については、地域作業所連絡会と懇談会を持ち、本庁にある市職員会館で、その販売ができるかどうか働きかけを行い、その結果、管財課では、職員会館2階に展示・販売できる場所を設ける形のなかで進めているため、地域作業所連絡会にその旨を伝え、現在、会の方で、検討しているところである。
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掲載の順番は本会議での討論順。なお、日本共産党議員団は、認定第12号を除く12会計決算を認定せず、その他の会派は、全決算を認定しました。
(討論=議題となっている案件に対し、採決の前に賛成か反対かの意見を表明することを言います。)
複合施設としてオープンした辻堂砂山市民の家・児童館
住民発意、要望のない湘南市合併構想は中止を
−日本共産党藤沢市議会議員団−5人
(1)個人市民税、固定資産税、都市計画税計628億円の使い方を改め、市民要望の強い、緊急性のある事業を推進し、地域経済の活性化を図るべき。
(2)小児医療費や助成が削減された高齢者医療費の拡充を。
(3)保育園や特養ホームの待機児者の解消を
(4)未実施27校の耐震補強工事の早急な実施を。
(5)緊急性の乏しい藤沢石川線、善行長後線、区画整理事業に計16億5,559万円、IT関連事業に約25億円もの一般財源投入などの見直しを。
(6)産業センターの経理について、施設使用料収入、共益費の税金の無駄遣いを改めるべき。
(7)「湘南市研究会」は、決算の段階で重点施策として報告されたものであり、市長の当初の方針、議会の承認、住民の発意や要望もないまま進められている「湘南市合併構想」は、大問題であり、中止すべき。
(8)競輪事業の早期徹底、中央卸売市場の再建に向けた抜本的取り組みを。
競争原理を基本とし民業転換の促進を
−藤沢新政会−18人
(1)市及び出資法人の当面の財政環境の回避策として、退職者不補充の考え方など抜本的な人件費削減策の導入を。
(2)新産業都市の確立に向け、仮称藤沢厚木線事業は積極的に推進を。
(3)循環都市形成と「家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律」の施行に向け、早急な体制づくりを。
(4)工場跡地等の利用に当たっては、民業でも本市施策の重要課題と認識し、情報収集を初め、体系的政策の早期展開を。
(5)公園管理について、市民ボランティア団体の育成・支援を。
(6)人事評価制度導入には、「藤沢市人材育成計画」「望まれる職員像」との整合性を図るべき。
(7)学校イントラネットは力強く推進を。
(8)市民との協働によるまちづくりに努め、行革の推進に向け、より一層の税源確保、業務の効率化に努力を。
(9)慣行的行政サービスを抜本的に見直し、競争原理、市場性を基本とする民業転換を促進すべき。
小児医療費助成への対象年齢枠の拡大を
−藤沢市公明党−6人
(1)市民参加による市政実現に向け、市民電子会議室の参加機会を拡充し、効果、成果が期待できる対応を。
(2)総合防災センターについては、いざというときに最高の力が発揮できるよう関係機関と連携を。
(3)高齢者が明るい希望を持ち、元気の出るような施策の推進を。
(4)障害者の自立と社会参加に適切な助成を行うとともに、作業所の製品等の販路拡大に積極的な支援を。
(5)小児医療費助成について、対象年齢枠の拡大を県に強く要望するとともに、市も4歳児までの拡大を。
(6)ごみ減量の推進に、広報媒体を活用し、効果を上げるよう工夫を。
(7)バリアフリーの道づくりの促進に当たり、効果の向上のため、地元の方々にアピールを。
(8)不登校、いじめ等の問題解決に、学校として、さらなる勉強、努力を。
(9)国民健康保険事業は、財源確保を国に強く働きかけるとともに、収入未済額の解消に特段の努力を。
市民生活の安寧に保健・福祉に軸足を
−21社・民CLUB−5人
(1)現在の厳しい社会、経済情勢のなかでは、保健、医療、福祉等に軸足を置いた予算編成を行い、市民生活の安寧に寄与するよう要望する。
(2)農漁業等の一次産業や既存企業についてもきめ細かな支援を真剣に検討するよう要望する。また、雇用の創出という面からも、福祉、医療、環境、教育など、分野の拡張に重要な課題として取り組みを。
(3)行財政改革は、単に、人、経費の削減ではなく、時代のニーズに適切、効果的に対応する行財政執行のあり方を全職員で追求するよう要望する。
(4)増加する税・料等の滞納繰越について、その縮減を図る努力は当然必要であるが、制度上の問題点や法の精神を踏まえ、適切に対応を。
(5)「湘南市研究会」は、どのような行政課題があるかを調査研究する程度にとどめるべきで、湘南市構想は、一度棚上げし、合併の是非やエリアをどうするか等市民の意見を広範に求めるべき。
市長交際費の全面公開と支出内容の再検討を
−市政市民派議員会議−4人
(1)市長交際費は、国会議員の当選祝い等の廃止も含め、1日も早い全面公開の実現を。
(2)議員の政務調査費について、厳しい経済情勢のなか、当会派を含め2会派がかつての調査研究費からの増額分を返還したことは評価に値する。
(3)平和学習の現地派遣は、広島、長崎だけでなく、沖縄への参加も視野に入れての取り組みを。
(4)放置自転車対策は、手数料を徴収するよりも駐輪場の設置を。
(5)介護保険については、利用者が選択しやすいように、よりきめ細かな情報を提供すべき。
(6)食の地場産・地場消費拡大とともに、太陽光、風力発電等を活用し、地域のエネルギー自給に取り組みを。
(7)民間委託は、市の出資法人での問題点や民間経営の抱える質の面も十分考慮し、より慎重に対応すべき。
(8)慶應病院、エネルギーセンター建設計画等重点施策への対応は、市民に対し、より厳格に説明責任・結果責任を果たすべき。
2の3区画整理事業は最優先課題として対応を
−自由維新クラブ−1人
(1)市税、国保料等は、負担公平の原則から、収入未済、不納欠損額の縮減に向け、さらなる努力を。
(2)職員研修の内容の充実を。
(3)小中学校の耐震補強工事は前倒しし、早急に対処を。
(4)緑地の保全普及には一層の努力を。
(5)航空機騒音に対し、住宅防音工事の範囲拡大等引き続き国に働きかけを。
(6)ごみの減量、資源化は、ダイオキシン対策等も含め、全市民的課題として取り組みを。
(7)エネルギーセンター計画は白紙に戻し、広域行政等を視野に入れ、長期的展望に立ち、あらゆる可能性の検討を。
(8)商店街の活性化に、商工会議所と連携し、諸課題に取り組みを。
(9)JAさがみとの連携を強化し、農業の諸課題の解決に向け努力を。
(10)教師の資質向上と、子どもたちにきめ細かな指導、対応を。
(11)北部2の3地区土地区画整理事業は、地権者、住民に信頼を得るよう最優先課題として対応し、見直しを含め、完了に向け努力を。
男女平等社会の実現に必要に応じた機能強化を
−神奈川ネットワーク運動・藤沢−1人
(1)男女平等の視点からの政策の点検評価や、必要に応じた機能強化を。
(2)審議会の女性登用率40%達成に向け、公募の際は、意識を持って取り組みを。
(3)ジェンダー教育の充実に、法人立保育園にも実施の働きかけを。
(4)ドメスティックバイオレンスの相談窓口は広く市民に公開を。また、女性が経済的、精神的自立するための施設及び支援を。
(5)待機児解消のため、無認可保育施設に積極的な支援を。
(6)介護保険制度の自立認定の方も、生活支援施設が選べるよう検討を。
(7)特別養護老人ホームは、住居としての施設が地域に点在するよう検討を。
(8)資源となるものをきちんと分別するための動機づけには、ごみ処理の経費を明確に。
(9)厚木基地全面返還のため、国に働きかけを。
(10) 意欲ある農業生産者、後継者を支援、育成する制度の検討を。
(11) 湘南市構想に向けた調査研究資料を市民に公開するよう強く要望する。
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平成13年度決算特別委員会委員 委員長
広田 忠男 副委員長大塚 洋子 委員真野喜美子 〃
今村 信也 〃
鈴木とも子 〃
佐賀 和樹 〃
杉下 由輝 〃
木村 栄子 〃
古橋 宏造 〃
松下賢一郎 〃
海老根靖典 〃
水島 正夫 〃
矢島 豊海