主な質問と答弁
City Fujisawa 議会のしおり 議会報目次

 2月定例会中の代表質問は、3月10日、11日、12日の3日間にわたって行われました。
今回の質問者は5人で、市長の政治姿勢、環境、福祉、都市整備、教育などについて、市の考えをただしました。


総合計画

15年度までの計画事業推進率は約95% 基本計画の見直しを検討

質問 総合計画は、策定当時に想定できなかった産業の空洞化問題、社会保障分野の拡大、犯罪の増加、少子化を含む青少年の問題等多くの課題が山積しており、これらに的確に対応していくため、抜本的見直しが必要と考えるが、市の見解を聞きたい。
答弁 平成13年度から15年度までの実施計画事業は、約95%の進捗状況となっている。
また、5カ年の総事業費に対しては、計画どおりならば56.8%であるはずが、約54%と下がっているのが現状である。
 その要因として、実施計画策定時は、市税の伸びを毎年1.5%としていたが、14年度は前年比△1.4%、15年度も△3.9%とマイナス傾向にあり、その傾向は16年度も引き続き、市税収入見込みでは、約77億円も減少しており、財政計画を見直さざるを得ないと考えている。
 現在の総合計画について、10カ年の基本計画を見直し、平成18年からの後期実施計画の策定に当たっては、時代の要請にこたえた施策の方向性と目標を定める必要があると考えている。
 見直しは、(1)産業の空洞化や犯罪の多発、技術の進展やグローバル化など社会情勢の変化を的確にとらえる(2)支援費制度のさらなる変革や少子化対策、構造改革特区の創設や雇用対策における自治体のかかわりの変化など、法制度の変革には迅速かつ適切な対応を図る(3)三位一体改革が進むことによる国と地方の財政構造の変化への対応を図る(4)共生的自治のさらなる推進や施策効果を上げ、市民生活の向上を一層目指すために自治体としての地域経営の展開を図る―これらを視野に進めたいと考える。

 

企業撤退・収入減等本市財政の現状は

質問 国の三位一体改革による大幅な制度改革の予定や、市内企業の撤退、市税収入の減少など本市財政への圧迫要因に大きな危機感を抱くが、市は、財政の現状をどうとらえているのか。
 また、経常経費の縮減策や市内経済の活性化など抜本的財政対策を講ずる必要があると考えるがどうか。
答弁 厳しい財政環境であるが、本市は、市民の高い担税力とともに、行政改革の着実な推進及び経常的経費の節減等により、適正な財政規模で推移しており、健全財政を維持しているものと考えている。
今後も経常的経費のさらなる節減と事務事業の簡素化、合理化を図るとともに、雇用対策、市内経済の活性化対策、中小企業対策、新たな産業の創出など堅固な財政基盤の構築ための施策を進め、健全な市政、財政運営を心がけていきたい。

 

自治基本条例に対し考え方と方向性は

質問 自治基本条例は、地方分権が進み、地方自治体に決定権や責任が求められることに伴い、住民自治に関する基本原則的な事項を規定し、他の条例に対し最高の規範性を持っていることから、自治体の憲法とも呼ばれるが、このような条例に対する評価と本市における考え方、方向性について聞きたい。
答弁 自治基本条例は、市民主体のまちづくりを進めるため、市民参画、情報公開、住民投票など自分たちのまちにふさわしい自治のあり方や仕組みを定めることから、自治体の憲法と呼ばれており、同時に市民の権利や責務など市民の意識変革も求められ、分権型社会に対応して、自治体が地方自治を充実し、主体的に推進していくためには評価できるものとして考えている。
 一方、都市計画などのハード面においては、きめ細かなまちづくりを進めるために、住民参画を制度上どのように組み込んでいくかが重要な課題となっている。
こうした動向も踏まえ、本市の自治を推進し、市民主体のまちづくりを一層進めるために、これまで培ってきた市民との協働を基本とする藤沢らしい自治基本条例について、まちづくり全体の視点から、研究を進めていきたいと考えている。

 

HPのバリアフリー推進の手順・手法は

質問 ITの発展とともに、インターネットは社会のインフラとして定着してきており、市においては、すべての人が情報を扱えるようにするホームページのバリアフリー化が急務の課題となっているが、今後、どう推進していくのか、その手順、手法について聞きたい。
答弁 現在、庁内の横断的な組織を設置し、他市の状況やバリアフリーソフトの調査等の検討を重ね、再構築に向けて取り組んでいるところである。また、個人情報の保護に関するプライバシーポリシーや具体的な作成指針となるコンテンツ作成ガイドラインについても六月ころには整備する予定で準備を進めている。

 

拡大する騒音被害解消に要請活動実施

質問 昨年来本市上空での航空機による爆音は、市民の生活と人権を著しく侵害している。
厚木基地でのあらゆる訓練の中止を米軍、関係機関に強く働きかけるべきと考えるがどうか。
答弁 昨年5月、米空母キティホークが横須賀港に入港以来、その艦載機による騒音被害が拡大しており、市民の方々からの苦情は、本年2月末現在で1006件と昨年1年間の520件を大きく上回る状況にある。このことから、藤沢市単独並びに県及び基地周辺各市とともに、米軍や政府関係機関に対し、米軍基地の整理、縮小、早期返還を初め、航空機騒音の抜本的解消などについて、要請をしているところである。その結果、昨年10月の厚木基地におけるNLPが全面的に中止されるなど、一定の成果が得られたものと考えている。今後も県、基地周辺各市と連絡を密にし、粘り強く要請活動を行っていく。

 

防犯対策

小学校児童に防犯ブザーを配布既存制度の充実、強化を図る

質問 最近、児童に対する犯罪が多く発生しており、登下校や校内での安全確保を強化すべきと考えるが、具体的なその防犯対策について聞きたい。
 一方、地元商店街や自治会、NPOの協力によるパトロール等の防犯対策について、市はどのようなサポートを考えているのか。
答弁 市内小学校児童へ防犯ブザーの配布を行うとともに、小学校、幼稚園、保育園等への不審者の侵入から子どもたちを守るため、防御用具の「さすまた」を設置し、また、PTAや地元自治会等が行う防犯パトロールへの器材等の支援及び児童の登下校時における見守り活動や一声かけ運動等、既存のこども110番の家制度の充実、強化を学校等と連携し、図っていきたいと考えている。
 さらに、新年度から特に防犯モデル地区を設定し、各地区防犯協会の協力を得て、新たに募集する防犯ボランティアを含めた防犯パトロール隊を結成し、活動の支援を行うとともに、地区での取り組み強化に向けての組織づくりや地元商店街、自治会の協力を得て、防犯カメラの設置補助を行っていきたいと考えている。


さまざまな取り組みで子どもたちを犯罪から守る

 

カントク跡地

都市再生ビジョン実現に向け努力 企業・研究機関に対し調査を実施

質問 市は、カントク跡地のまちづくりについて、3つの都市再生ビジョンを示したが、この将来像を具現化していくために、都市再生、産業再生の先導役となる企業や研究開発機関の誘致を、具体的にどのように図っていくのか聞きたい。
答弁 昨年11月にカントク・住友グループや都市基盤整備公団、市などによる産業誘致プロジェクトを発足し、企業誘致の情報収集とニーズを把握するために、県内、県外の売り上げ100億円以上の企業5000社に対する誘致アンケート調査の実施や国及び独立法人が所管する研究機関などや市内で20億円以上を売り上げている企業に対するヒアリング調査の実施、湘南コンソーシアムを通じた市内大学と産学官の連携に関するヒアリング調査などを実施した。
 今後は、企業の投資動向を見定めながら、戦略的な導入機能の方向性を踏まえ、企業ごとの新規進出ニーズの絞込みなどの選定作業を行い、本市を初めカントク・住友グループ、都市基盤整備公団と連携を図りながら、トップセールスも含めた誘致活動を推進していく考えである。



都市再生の先導役となる企業誘致が望まれるカントク跡地

 

教科書採択単独化 議論の内容等を公開

質問 教科書採択が単独化となったが、採択の方針と基準はどのようなものになるのか、また、採択に至るまでの過程、途中の経過や議論の内容等は公開すべきと考えるがどうか。
答弁 教科用図書の採択は、(1)学習指導要領に示された各教科の目標を達成する上で、適切に編集されているか(2)本市児童生徒の学習に適切なものであるか―以上2点を基準として採択することを考えている。
 また、議論内容等の公開については、教科書採択の過程で、さまざまな観点から教科書について審議し、その結果を教育委員会に報告するために開催する審議会や、教科書採択に関わる教育委員会定例会も議論内容を含め公開することを予定している。

 

西部合同調理場の単独自校方式化は

質問 学校給食の役割は、学校にも食育を広げる教育の基本に位置づけるという厚生労働省の食育に関する指針にもあるように、ますます重要になってくると考える。学校給食の民営化への移行は撤廃し、西部合同調理場は、単独自校化に切りかえるべきと思うがどうか。
答弁 学校給食業務については、藤沢市学校給食検討委員会で、今後の学校給食業務のあり方について検討を行ってきたが、全市的に退職者不補充という方針が打ち出されたこと、さらに職員の再任用制度も導入されていることに伴い、当面の間は短時雇用職員化を進めることにした。
 西部合同調理場の対象校4校の直営自校方式化については、耐震補強工事や学校イントラネット整備事業など、学校施設整備上、優先すべき課題が多いため、総合的な学校施設整備の中で検討していきたいと考えている。

 

不登校児童・生徒 校内体制の状況は

質問 心の悩みを持った児童生徒は、増加傾向が続いているが、特に不登校児童生徒について対策を講じるべきと思うがどうか。
答弁 学校では、日ごろから1人1人の言動を見守り、きめ細やかな指導を心がけるよう校内体制を整えている。また、相談指導教室では、さまざまな相談に応じ、それぞれの個別のケースに対応できるようにしている。現在、中学校8校には専門的な知識を有するスクールカウンセラーが週1回8時間勤務しており、16年度には14校に配置を予定している。残る5校については、スクールライフアドバイザーが、
1校につき週1回6時間勤務するとともに、心の教室相談員を週1回5時間配置する予定である。

 

綾瀬インター実現に今後の検討予定は

質問 綾瀬インターチェンジは、本市の産業経済活動の活性化や北部地域の交通渋滞の緩和に大きく寄与するとともに、今後、継続的な発展を支える新産業の誘致にも不可欠であると考える。綾瀬市では、調査委員会を設置したと聞くが、どのようなことを検討するのか。
 また、実現までのスケジュールについて聞きたい。
答弁 調査委員会では、交通渋滞の緩和効果や時間短縮効果、建設費用と地域経済効果、インター周辺の地域活性化構想やインター具現化に向けた県、市町、経済団体等の役割分担について検討していく予定である。
 今後は、平成17年3月までに5回の委員会を開催し、実現に向けた検討結果をまとめ、県においてその検討結果をもとに、地域インターチェンジ設置申出書を国土交通省に提出し、その審査を経て、環境影響評価、都市計画決定などの手続きを行い、インターチェンジ設置に向けた事業着手へと続くものと考えている。

 

学校PTA活動 教育を側面から支援

質問 PTA活動は、保護者と教師が協力し、学校教育、家庭教育に理解を深め、子どもたちの健全な成長を図ることと認識しているが、現在の組織率やその活動について聞きたい。
答弁 PTAの組織率は、平成16年1月現在、小学校が85.7%、中学校では94.7%、全体では89.1%となっており、ここ数年来、微増傾向にある。
 PTAは、校外生活の指導や地域社会における教育環境の改善・充実を図るため、会員相互の学習や活動を行う団体であり、その活動は学校教育を側面から支援している重要なものと考えている。教育委員会としては、PTA連絡協議会の研修会への支援、各種情報提供などを通じ、時代に応じたPTA活動の実現に向け支援したいと考えている。

 

学校評価システム

外部評価も含め検討 16年度全校で実施

質問 学校は教育活動などの学校運営の状況について評価を行い、その評価結果を含めた情報を保護者等に提供し、家庭、地域の3者が相互に緊密な連携のもと、みずからの役割を果たし、子どもの健全育成に当たることが重要であると考える。学校教育ふじさわビジョンに、学校評価の取り組みを支援すると掲げられているが、この学校評価システムをどのようにしていくのか聞きたい。
答弁 学校は、開かれた学校を目指し、教育目標や教育課程、教育活動、成果等について広く地域に発信し、情報を共有していくことが必要である。また、学校評価を行い、その結果を公表し、学校改善、教職員の力量の向上、さらにはアカウンタビリティーへの対応に生かしていくことが大切であると考えている。今年度立ち上げた学校評価検討委員会では、このような考えのもと、学校の評価を自己評価のみならず、外部による評価も含めたものとして考えている。現在、学校教育評価のモデル案を含めた検討委員会の報告書をまとめているところで、5月ころには掲示する予定となっており、各学校では、この報告書を受けて、学校の実態を踏まえた学校評価票を作成し、16年度内には小中全校で学校評価を実施する予定である。

 

保健所の移管

一元的・総合的なサービスを提供 他部門等との連携を深める

質問 従来の保健所行政は、県と市が互いに連携して推進してきたが、それぞれの役割分担の中で一貫性が確保できない施策もあったと考える。今後、本市が保健所を開設することにより、一元的な保健サービスの提供が可能となるとのことだが、市民に対するサービスがどのように変化し、また、質の高いサービスを確保していくのか聞きたい。
答弁 保健所を県から市に移管することにより、従来市が実施していた対人保健サービスに加え、難病や精神疾患、感染症などの保健サービスを市が実施することになる。その結果、(1)サービスの受け手の立場を重視した一元的、総合的なサービスの提供(2)さらに福祉部門との連携を深めることによる生涯を通じたサービスの提供(3)住環境や食中毒等の対物保健との連携を深めることによる生活者個人の立場に立った迅速かつ的確なサービスの提供(4)さらに多くの専門職種の職員を確保することによる、より適切、具体的な指導等・・これらが可能になると考えている。なお、保健センターを保健所の機構に組み入れることにより、今まで以上に一体的な連携が図られると考えている。

 

特別養護老人ホームさらなる施設整備は

質問 創設以来、4年目となる介護保険制度は、市民にとって安心して利用できる制度でなければならない。現在、待機者が900人を越える特別養護老人ホームについては、さらなる施設整備が必要であると考えるがどうか。
答弁 施設の整備については、16年度当初に明治地区に特別養護老人ホーム「かりん」の90床が新設されるとともに、16年度中には既存施設に34床の増床が予定されており、合計11施設で748床と計画的に整備が進んでいる。
 また、市高齢者保健福祉計画2007では、特別養護老人ホームの整備目標として17年度以降200床の増床を見込んでおり、19年度末までには合計950床の整備を盛り込んでいる。


新設や増床により特別養護老人ホームの整備が図られる=特養ホーム「かりん」(城南1丁目)

 

自然環境の保護に早急な拠点整備を ビオトープネットワーク

質問 本市においても生物多様性保全の自然環境保護の観点から、早急なビオトープの拠点整備並びにビオトープネットワーク化の推進を図り、まちづくり、地域づくりに生かしていくことが重要であると考えるが、市の考えを聞きたい。
答弁 生態系の保全とともに自然の再生、修復が非常に重要視され、その代表的な手法がビオトープ事業である。
 本市においては、その重要性を認識し、総合計画に先駆けて、試行的に西俣野と西富で着手した。
 16年度は、環境基本計画に示されているように、多様な野生動植物の生息、生育場所の保全と創造及びネットワーク化を図るなかで、ビオトープネットワーク基本計画の策定を進めていく。
 策定に当たっては、対象地を公園・学校・緑地を主体に、ネットワーク化を図り、本市の環境像の1つである「自然と人とまちが共生する都市」を目指していきたいと考えている。

 

片瀬江の島観光・商業振興

観光キャラバンを実施 誘客活動の充実を図る

質問 観光地である片瀬江の島の魅力を高めるため、観光及び商業振興について、今後どのように推進していくのか、市の考えを聞きたい。
答弁 これからの観光施策については、地元観光業者、鉄道事業者等と協働して推進することとし、観光施設の紹介はもとより、観光資源を活用し、季節に応じて展開しているイベントの周知のため、海のない北関東エリア、甲信エリアに向け、数十年ぶりに観光キャラバンを実施し、誘客活動の充実を図っていく。
 また、江の島入り口に設置されている観光案内所を、海洋生物学者モースを紹介する機能を兼ね備えた案内所として改築する建築費を助成する。
 さらに、江の島花火大会の打ち上げ場所を島の東西に設置するなど、既存事業の見直しによるソフト面の強化を図り、1年を通じて観光客が絶えることのない観光地を目指し、その振興に努めて行きたいと考えている。
 商業の振興については、これまですばな通りのショッピングモール化事業、ドラゴンボートレースや湘南龍の口灯籠流しなど、歴史のある片瀬江の島地域の特色を生かした事業に対して支援を行ってきた。
 今後は、商店街の一角に青年農業者の力をお借りして、こだわりのある地元特産野菜の販売を行うなど、地域商店街の方々と協働して、この地域の商店街の活性に努めていきたいと考えている。


観光資源の活用などによりさらなる活性化が望まれる片瀬江の島地区

 


会派別の代表質問項目

藤沢市公明党

1 市長の政治姿勢について
2 経済・産業政策について
3 福祉・保健・医療対策について
4 環境問題への対策について
5 安心して暮らせる街づくりについて
6 教育課題への対応について

日本共産党藤沢市議会議員団

1 憲法を守り、平和なまちをつくることについて
2 市民のくらしを守る施策の充実について
3 子ども達の発達を保障する教育環境の整備について
4 残された自然を守り、環境優先のまちづくりについて
5 農漁業・商工業など市内産業の振興とまちづくりについて
6 市町村合併論にくみせず、住民自治の推進をはかることについて
7 福祉・医療・教育などくらし優先の税金の使い方に切り替えることについて

藤沢新政会

1 市長の政治姿勢について
2 財政問題について
3 総合計画について
4 行政改革について
5 都市再生について
6 医療、保健、福祉施策について
7 産業振興と雇用の対策について
8 環境行政について
9 教育行政について

21社・民CLUB

1 市長の政治スタンスについて
2 環境行政について
3 教育行政について


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