主な質問と答弁
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 2月定例会中の代表質問は、3月3日、4日、5日の3日間にわたって行われました。今回の質問者は7人で、財政、環境、福祉、都市整備、教育などについて、市の考えをただしました。


将来都市像は「自立するネットワーク都市」

都市マスタープランを策定

質問 「藤沢市都市マスタープラン」が本年2月に策定されたが、このプランと平成11年度から基本計画等の策定作業に入る「ふじさわ総合計画2020」との関係を聞きたい。
答弁 総合計画は、本市の行政全般にわたる総合的な運営指針である。一方、都市マスタープランは、行政の一分野である都市計画の基本的な方針である。
 都市マスタープランで示した個々の方針については、総合計画の基本計画あるいは実施計画の中に位置づけ、具体化を図っていきたいと考えている。
質問 「藤沢市都市マスタープラン」の主な特徴は何か。
答弁 将来都市像を「自立するネットワーク都市」とし、市民のだれもが生き生きと自立して暮らすことができる、住みやすく働きやすい都市を目指している。
 このため、本市の都市構造を支える3つの主要プロジェクトとして、@本市の活力を生み出す新たな産業ゾーンとしての西北部地域の総合整備A開かれた都市を支えるための広域交通体系の整備B都市と自然の共生を目指した緑のネットワークづくり−−を展開していきたい。

相鉄線等の乗り入れにより、本市北部の交通拠点としてさらなる発展が期待される湘南台

バス路線の新設等で公共交通を活性化

質問 平成11年度に「公共交通活性化事業」としてコミュニティバス路線の新設等の事業を予定しているが、この内容について聞きたい。
答弁 辻堂駅南海岸線の全線整備が本年1月に完了したことに伴い、辻堂駅南口と辻堂海浜公園間に、低公害車を導入したバス路線を新設する。そのため、バス事業者に低公害バスの購入費の一部を補助する。
 また、くらし・まちづくり会議の提言を受け、善行地区へのコミュニティバスの導入を促進するとともに、辻堂駅・藤沢駅間にバス路線の新設を図る。
 さらに、湘南ライフタウンバスセンターに隣接してパークアンドバスライドのためのバス乗り継ぎ駐車場を設置し、辻堂駅・湘南台駅方面への車からのバス乗り換えを促進する。
 これらの事業により、バス交通の活性化を図り、環境と共生する都市づくりの重要な施策として、公共交通への転換を推進するものである。

藤沢駅・辻堂駅線を利用したバス路線の新設が望まれている
=辻堂新町四丁目

市民生活を優先し都市基盤を整備

質問 平成11年度において、街づくり関係事業の予算を編成するに当たり、どのような視点で予算編成を行ったのか、市の考え方を聞きたい。
答弁 現在の厳しい財政状況を念頭に置きながら、特定財源の確保を前提として市民生活優先の視点で予算の重点配分を行い、都市基盤整備に努めていく。
 平成11年度における具体的な事業としては、@高齢者・障害者などに優しいバリアフリーの街づくりA公営住宅の確保B低公害バスの導入に対する助成など環境に優しい街づくりへの取り組みC災害防止のための河川改修−−などに取り組んでいきたい。

学校・家庭・地域の連携を協力者会議を設置

質問 今日、子どもを取り巻く環境は急激に変化しており、子どもの健全育成を図るため、学校と家庭、地域の連携が求められている。
 このようななか、市では、平成11年度から学校・家庭・地域の連携推進事業を予定しているが、この内容を聞きたい。
答弁 この事業は、学校、PTA、青少年、自治会、民間企業等の関係者や教育に関心の深い市民などからなる協力者会議を設置し、地域の課題を地域ごとに解決することを目的に、学習会、研究会、啓発事業などを実施するものである。
 平成11年度は、中学校区を基本に、2地区でモデル事業を予定している。

学校のインターネット効果的な利用を検討

質問 情報化に対応した教育を進めるため、文部省では、現在、全国すべての小・中・高校をインターネットで結ぶインターネット接続計画を進めているが、本市では、どのような対応をしているか聞きたい。
答弁 インターネットの活用は、学校教育の中でも大きな意義を持つものと考えており、現在、教員のネットワーク体験研修を行い、教育への効果的な利用について検討を行っている。
 また、コンピューターの機種については、中学校の機種をインターネットに接続可能なものに更新しており、小学校においても、平成10年度の教員研修用の機器はインターネットに接続可能な機種に更新した。
 今後は、インターネットの各学校への接続に向けて、利用についてのガイドラインの策定や発信する情報の内容等について検討を進めていきたい。

30人学級の実施市独自では困難

質問 学校におけるいじめ、不登校や学級崩壊などが大きな社会問題になっており、子どもと学校をめぐる状況は深刻である。
 このような事態を打開するための一つの手だてとして、市独自でも30人学級への具体化を急ぐべきと考えるがどうか。
答弁 現在、教職員に係る費用については、義務教育費国庫負担制度により国と県が2分の1ずつ負担している。
 30人学級を市独自の制度で実施した場合、このために必要とする教員を雇用することが将来にわたる財政負担になるなど、財政面や施設面でも大きな課題がある。
 したがって、市独自に30人学級を実施することは困難であると考える。

救命救急センター市民病院への設置を目指す

総合計画の中で位置づけを検討

質問 重篤救急患者に対応するための高度な診療機能を有する救命救急センターの設置は、市民の間からも強い要望があるが、市民病院での対応はできないか。
答弁 県の保健医療計画では、平成18年までに救命救急センターを1カ所ふやすとしているが、設置医療圏は未定である。
 一方、本市における今後の医療供給体制のあり方について検討していた「高齢社会医療供給体制調査研究会」からは、「将来的に市民病院において救命救急センターの機能を有することが救急医療体制の二次医療圏内での完結の立場からも望ましい」との報告を受けている。
 このため、今後策定される新しい総合計画の基本計画の中で市民病院への設置を位置づけ、早期実現を目指していきたいと考えているが、採算面での課題もあることから、今後県との協議や広域的な相互協力を得るための活動を展開していきたい。

高度医療を担当する地域の基幹病院としての役割を担っている藤沢市民病院

介護保険保険料来年2月に最終決定

質問 介護保険制度施行を1年後に控え、市民の最も関心の高い保険料は、いつごろ決定されるのか。
答弁 この制度で65歳以上の方が対象となる第1号被保険者の保険料は、政令で定める基準に従い、保険者となる市町村ごとのサービス給付水準により独自の基準額を設定することとなっており、5段階の所得階層別の定額保険料となる。
 本市における第1号被保険者の保険料は、昨年実施した高齢者や要支援・要介護者の実態調査やサービス提供事業者に対する供給量調査に基づき、サービスの需要量と供給量を把握するとともに、介護保険の法定メニューに要する事業費や法定外メニューを入れた場合の事業費等を推計し、第1号被保険者の所得分布状況も踏まえて、今後3年間の財政の均衡が保たれるよう設定することとしている。
 今後、国から事業費を推計するための前提となる介護報酬の暫定単価が示されるため、本年5月頃には保険料の基準額を試算し、最終的には平成12年2月定例会で審議いただき、決定していきたいと考えている。

高齢者医療費助成改正は苦渋の選択

質問 現在、市単独で実施している高齢者医療費助成制度について、本年6月から対象年齢を1歳引き上げ、68歳からとするとしているが、あまりにも唐突な提案であり、また福祉の後退であると考える。
 この施策についての市の考えや今後の方向性について聞きたい。
答弁 この制度の対象年齢を67歳からとした昭和50年当時と比べ、高齢者を取り巻く社会経済情勢は大きく変化しており、所得や資産保有の状況から見た世代間の負担の公平性、県内各市の状況、また障害者や寝たきりの高齢者に対する本市独自での医療費助成の拡充の状況等を総合的に検討し、極めて厳しい財政状況を考慮した結果、苦渋の選択をしたものである。
 なお、この事業の今後の進め方については、現在国において高齢者医療制度の抜本的見直しが審議されており、その動向を見守るなかで十分に研究していきたいと考えている。

地域特性生かした新産業創出を検討

質問 新産業の創出に向けた本市の取り組みについて聞きたい。
答弁 情報化の進展等により、情報ネットワークを使った新しい就業形態が出現しており、新産業の創出に向けた積極的な支援が必要であると考えている。
 平成10年度からは、県と協調して進める湘南マルチメディアタウン構想事業として、新規起業家に対し藤沢産業センターのスペースを低廉な価格で貸しオフィスとして提供する事業を実施し、現在6社が活動中である。
 また、情報機器を活用し在宅等での仕事を希望するSOHO(ソーホー)事業者の業務内容をインターネット上で公開する等の支援システムを稼働させており、143人のSOHO事業者と30社の企業等が登録している。
 また、今後は、市内の大学や企業との連携を進め、本市の地域特性を生かした「新産業創出促進事業」の実施を検討している。

藤沢産業センターの一角が起業家の活動の拠点として提供されている

高齢者等の財産管理を支援

財産保全事業本年10月をめどに開始

質問 平成11年度から高齢者等の財産管理を支援する事業を実施するとしているが、この事業の内容について聞きたい。
答弁 高齢者や障害者の権利擁護のための県内における相談機関として、昨年10月に「かながわ権利擁護相談センター」が開設されたことに伴い、市町村レベルで高齢者や障害者の財産保全サービス等を行う「財産保全センター」の設置が義務づけられた。
 本市としては、権利擁護相談センターと連携しながら、財産管理が困難な在宅の高齢者や障害者を対象に、財産保全や日常生活の資産管理、権利擁護にかかわる一次的な相談業務を、本年10月をめどに開始したいと考えている。

保育園の整備等で待機児の解消図る

質問 保育園の待機児解消策の今後の取り組みについて聞きたい。
答弁 待機児解消の抜本的対策として、平成10年度に策定した「待機児解消対策緊急5カ年計画」に基づき、待機児の多い地域の保育園の増改築等による定員増を中心に進める計画である。
 平成11年度は、藤沢保育園の増改築により90名の定員増を図るとともに、北部や湘南ライフタウン方面の保育園の施設整備を進め、平成12年度には、60〜80名程度の定員増を図るよう計画している。
 さらに、現在、湘南台地域における民間による保育園の新設について、県等関係機関との協議を進めている。

行政改革

市民要望に対処する改革の推進を
職員の意識改革・能力開発図る

質問 平成8年度から12年度までの5年間を実施期間として行政改革に取り組んできているが、現在までの主な取り組みと、今後の改革推進に当たっては、どのようなことに重点を置くのか聞きたい。
答弁 市民サービスを向上させる方策として、市民窓口センター、市民センター、鵠沼公民館での土曜日・日曜日・祝日における住民票や印鑑証明発行窓口の開設、市民センターでの税証明の発行などを実施した。
 また、事務事業の見直しとして、業務の委託化、非常勤職員の活用、執行体制の見直し等を行ってきた。
 今後、地方分権化の流れや、ますます多様化、高度化する行政需要に的確に対処していくため、職員一人一人の意識改革、能力開発等、一層の資質向上を図りながら改革を進め、市民の信託にこたえていかなければならないと考えている。

同一工事の分割発注案件ごとに検討

質問 不況時における公共工事の発注に当たっては、契約規則などの運用を図り、景気回復の兆候が見えるまで、時限的に市内業者を優先した発注方式に変更ができないものか。
 また、同一工事を分割して、小規模業者でも受注しやすくなるような対策は講じられないか。
答弁 入札参加資格者登録制度の中で、市内業者のみを優先する方法は困難である。
 しかし、市内業者が倒産に追い込まれるといった現状を考慮し、公共事業の発注に際しては、これからも可能な限り市内業者に発注していきたいと考えている。
 また、工事の分割発注については、公共工事のコスト縮減との兼ね合いもあるため、案件ごとに慎重に検討していきたい。

行政と市民の協力で共生的自治の実現へ

質問 市民とのパートナーシップを確立し、共生的自治を実現するための具体的な方策について聞きたい。
答弁 これからの市政の運営に当たっては、行政と市民が協力して課題の解決に取り組むことが一層重要になってくると認識している。
 このような考えのもと、共生的自治を実現していく方策として、平成9年度から市民提案システムとして「くらし・まちづくり会議」や「市民電子会議室」を開始し、市民参画による市政運営を目指している。
 今後も市民が参画できる機会をふやし、市民との協働による活動をさまざまな分野で行っていきたいと考えている。

不況時の予算編成経費の削減に努力

質問 深刻な財政危機に直面したなかで、どのような総合判断のもと、予算を編成したのか。
 また、公共事業の実施に当たっては、土木偏重から地域経済に貢献する生活密着型へ、抜本的に転換すべきであると考えるがどうか。
答弁 歳入の根幹をなす市税収入は、政府の景気対策として実施される個人及び法人市民税の恒久減税化、さらには、企業業績の悪化と個人所得の低迷等により、大幅な減収が見込まれている。
 一方、歳出面では、ますます増大する市民からの行政需要にこたえるため、ゼロベースの視点に立ってすべての事務事業を見直すことにより、経費の節減に努め、事業の継続性、緊急性、必要性及び効果などを考慮して予算編成したものである。
 また、立ち遅れている都市基盤整備を含め、市民生活に不可欠な社会資本整備を進め、福祉、環境、教育を中心とした市民の暮らしに直結する生活密着型の予算となるよう事業の選択を行った。

3年後の開設目指し建設準備進める
−防災センター−

質問 「防災センター」の建設が予定されているが、どのような機能を備えた施設となるのか聞きたい。
答弁 防災情報・消防情報が一体となった、より総合的、高度な情報システムの構築を図るため、平成14年度当初の開設を目指して準備を進めている。
 建設場所は、旧ハローワークの跡地で、構造は、鉄筋鉄骨造の免震構造で5階建て程度を予定している。
 施設には、指令課を含む消防本部、地震防災課を配置し、災害対策本部、防災備蓄倉庫等のスペースを設ける予定である。

総合的高度情報システムの構築を目指して「防災センター」の建設が予定されている。

広域行政の推進図る

効率的事務を近隣市と協議

質問 行政の効率化、簡素化が求められているなかで、市町村行政の施策展開に当たっては、より広域的な取り組みが必要と思われるが、市の考え方を聞きたい。
答弁 広域的に取り扱うことが効率的かつ効果的であると考えられる事務については、近隣の市・町と積極的に協議を進め、広域行政事務を実施していきたいと考えている。
質問 地方分権が進み権限が地方に移譲されることになれば、市町村単位が現在のままでは、その行政機能を十分に発揮することは不可能であると考える。
 今後、広域行政の推進を図るためにも、自治体の合併が21世紀の課題になると思うがどうか。
答弁 自治体の合併については、地域住民の意向が最も大切であると考えるが、次世代の大きな課題と認識しているため、今後、広域行政を推進しつつ検討を重ねていきたいと考えている。

近隣市との間で広域的な利用がされている図書館
=藤沢市総合市民図書館

新しい女性行動計画策定に向け活用を
−男女平等意識調査−

質問 昨年実施した「藤沢市男女平等に関する市民意識調査」の結果について、市はどのように受けとめているのか聞きたい。
答弁 この調査は、市内に居住する男女、18歳から69歳の市民を対象に実施したものである。
 「社会一般は男女平等になっているか」という質問に対しては、「不平等と感じている」という回答が、男女ともに七割を超えており、平等になっていないところとして挙げられているのは「社会通念・慣習」、「職場」である。
 しかし、昭和61年に実施した意識調査と比較すると、「男は仕事、女は家庭」という考え方が大幅に減少するなど、着実に男女平等への考え方は変化しているものと感じられる。
 今後、固定的な性別役割分業意識の是正や男性の意識改革などに向け、継続した啓発活動等の推進が必要であると考えている。
 また、現在、藤沢市女性行動計画推進協議会に対して新行動計画策定に向けての考え方を諮問しているところであり、この調査結果を基礎資料として、協議会の提言に反映してもらいたいと考えている。



各会派の代表質問項目

湘南政心クラブ議員団
 1 市長の政治姿勢
 2 財政問題
 3 介護保険制度のスタートを控えて
 4 街づくりについて
 5 教育問題
 6 広域行政等について
 7 市民病院のあり方について
藤沢創政会
 1 21世紀に向けた本市の都市像について
 2 共生的自治システムの構築について
 3 民生行政の諸課題について
 4 商工行政について
 5 建設行政について
 6 教育行政について
公明党議員団
 1 日本の政治経済の状況について
 2 本市の財政状況と予算編成について
 3 介護保険について
 4 環境行政について
 5 保健・医療行政について
 6 商工行政について
 7 藤沢市の街づくりについて
 8 農業政策について
 9 教育行政について
10 防災対策について
社会民主党議員団
 1 21世紀にむけて、市長の政治姿勢について
 2 福祉行政について
 3 環境行政について
 4 産業行政について
 5 教育行政について
 6 総合計画について
日本共産党議員団
 1 不況下での市民のくらしと営業を守る予算に
 2 むだな大型開発や広域幹線道路建設を縮小・中止し、生活密着型の公共事業に
 3 介護保険の受入れ体制の早急な整備など福祉・医療施設の拡充を
 4 リサイクル型都市をめざし、なぎさ・谷戸・みどりなど、環境優先の市政を
 5 子どもの発達を保障する藤沢の教育環境の充実を
 6 憲法と平和都市条例を生かし、爆音のない安全にくらせる藤沢を
 7 清潔・公正な「行政改革」を
市政市民会議
 1 施政方針を問う
 2 市民とのパートナーシップの確立について
 3 環境との共生について
 4 安心して暮らせる医療・福祉のまちづくりについて
 5 活力ある産業の展開について
 6 都市基盤と防災対策について
 7 子どもの発達を保障する教育について
 8 「核兵器廃絶」条例を生かし、爆音のない平和な暮らしを


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