○藤沢市オンブズマン条例
平成6年12月20日
条例第29号
目次
第1章 総則(第1条―第3条)
第2章 責務(第4条―第6条)
第3章 オンブズマンの組織等(第7条―第9条)
第4章 苦情の申立て及び処理等(第10条―第19条)
第5章 補則(第20条―第22条)
附則
第1章 総則
(目的及び設置)
第1条 この条例は、市民の市政に関する苦情を公正かつ中立的な立場で簡易迅速に処理し、並びに行政の非違の是正等の勧告及び制度の改善を求めるための意見表明をすることにより、市民の権利利益の擁護を図り、もつて開かれた市政の一層の進展と市政に対する市民の信頼の向上に資することを目的として、本市に藤沢市オンブズマン(以下「オンブズマン」という。)を置く。
(所管事項)
第2条 オンブズマンの所管する事項は、市の機関の業務の執行に関する事項及び当該業務に関する職員の行為とする。ただし、次に掲げる事項については、オンブズマンの所管事項としない。
(1) 判決、裁決等により確定した権利関係に関する事項
(2) 裁判所等において係争中の事項
(3) 議会に関する事項
(4) 職員の自己の勤務内容に関する事項
(5) オンブズマンの行為に関する事項
(オンブズマンの職務)
第3条 オンブズマンの職務は、次のとおりとする。
(1) 市政に関する苦情の申立ての内容を調査し、及び苦情を簡易迅速に処理すること。
(2) 自己の発意に基づき、事案を取り上げて調査すること。
(3) 申立てに係る苦情又は自己の発意に基づき取り上げた事案(以下「苦情等」という。)について、市の機関に対し非違の是正又は改善の措置(以下「是正等の措置」という。)を講ずるよう勧告すること。
(4) 苦情等の原因が制度そのものに起因すると認めるときは、当該制度の改善を求めるための意見を表明すること。
(5) 勧告、意見表明等の内容を公表すること。
第2章 責務
(オンブズマンの責務)
第4条 オンブズマンは、市民の権利利益を擁護するため、公平かつ適切にその職務を遂行しなければならない。
2 オンブズマンは、その職務の遂行に当たつては、市の機関と有機的な連携を図り、相互の職務の円滑な遂行に努めなければならない。
3 オンブズマンは、その地位を政党又は政治的目的のために利用してはならない。
4 オンブズマンは、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。
(市の機関の責務)
第5条 市の機関は、オンブズマンの職務の遂行に関し、その独立性を尊重しなければならない。
2 市の機関は、オンブズマンの職務の遂行に関し、積極的な協力援助に努めなければならない。
(市民の責務)
第6条 市民は、この条例の目的を達成するため、この制度の適正かつ円滑な運営に努めなければならない。
第3章 オンブズマンの組織等
(オンブズマンの組織等)
第7条 オンブズマンの定数は、2人とし、そのうち1人を代表オンブズマンとする。
2 オンブズマンは、人格が高潔で社会的信望が厚く、かつ、地方行政に関し優れた識見を有する者のうちから、市長が議会の同意を得て委嘱する。
3 オンブズマンの任期は、3年とし、1期に限り再任することができる。
4 オンブズマンは、別に定めるところにより、相当額の報酬を受ける。
(兼職等の禁止)
第8条 オンブズマンは、衆議院議員若しくは参議院議員、地方公共団体の議会の議員若しくは長又は政党その他の政治的団体の役員と兼ねることができない。
2 オンブズマンは、本市と特別な利害関係にある企業その他の団体の役員と兼ねることができない。
(解嘱)
第9条 市長は、オンブズマンが心身の故障のため職務の遂行に堪えないと認める場合又は職務上の義務違反その他オンブズマンとしてふさわしくない行為があると認める場合は、議会の同意を得て解嘱することができる。
第4章 苦情の申立て及び処理等
(苦情の申立て)
第10条 何人も、オンブズマンに対し、市の機関の業務の執行に関する事項及び当該業務に関する職員の行為について苦情の申立てをすることができる。
(苦情の申立て手続)
第11条 前条の規定による苦情の申立ては、次に掲げる事項を記載した書面により行わなければならない。ただし、書面によることができない場合は、口頭により申立てをすることができる。
(1) 苦情を申し立てようとする者の氏名及び住所(法人その他の団体にあつては、名称、事務所又は事業所の所在地及び代表者の氏名)
(2) 苦情の申立ての趣旨及び理由並びに苦情の申立ての原因となつた事実のあつた年月日
(3) 前2号に掲げるもののほか、規則で定める事項
2 苦情の申立ては、代理人により行うことができる。
(苦情の調査等)
第12条 オンブズマンは、苦情の申立てが次の各号のいずれかに該当すると認める場合は、当該苦情を調査しない。
(1) 第2条ただし書の規定に該当するとき。
(2) 苦情を申し立てた者(以下「苦情申立人」という。)が、苦情の申立ての原因となつた事実について苦情申立人自身の利害を有しないとき。
(3) 苦情の内容が、苦情の申立ての原因となつた事実のあつた日から1年を経過しているとき。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。
(4) 虚偽その他正当な理由がないと認められるとき。
(5) 前各号に掲げるもののほか、調査することが相当でないと認められるとき。
2 オンブズマンは、前項の規定により苦情を調査しない場合は、その旨を理由を付して苦情申立人に速やかに通知しなければならない。
(調査の通知等)
第13条 オンブズマンは、苦情等を調査する場合は、関係する市の機関に対し、その旨を通知するものとする。
2 オンブズマンは、苦情等の調査を開始した後においても、その必要がないと認めるときは、調査を中止し、又は打ち切ることができる。
3 オンブズマンは、申立てに係る苦情の調査を中止し、又は打ち切つたときは、その旨を理由を付して苦情申立人及び第1項の規定により通知した市の機関に速やかに通知しなければならない。
4 オンブズマンは、自己の発意に基づき取り上げた事案の調査を中止し、又は打ち切つたときは、その旨を理由を付して第1項の規定により通知した市の機関に速やかに通知しなければならない。
(調査の方法)
第14条 オンブズマンは、苦情等の調査のため必要があると認めるときは、関係する市の機関に対し説明を求め、その保有する帳簿等関係書類その他の記録を閲覧し、若しくはその提出を要求し、又は実地調査をすることができる。
2 オンブズマンは、苦情等の調査のため必要があると認めるときは、関係人又は関係機関に対し質問し、事情を聴取し、又は実地調査することについて協力を求めることができる。
3 オンブズマンは、必要があると認めるときは、専門的又は技術的な事項について、専門的機関に対し、調査、鑑定、分析等の依頼をすることができる。
(苦情申立人への通知)
第15条 オンブズマンは、申立てに係る苦情の調査の結果について、苦情申立人に速やかに通知するものとする。ただし、第18条第3項の規定により通知する場合は、この限りでない。
(勧告及び意見表明)
第16条 オンブズマンは、苦情等の調査の結果、必要があると認めるときは、関係する市の機関に対し是正等の措置を講ずるよう勧告することができる。
2 オンブズマンは、苦情等の調査の結果、その原因が制度そのものに起因すると認めるときは、関係する市の機関に対し当該制度の改善を求めるための意見を表明することができる。
(勧告又は意見表明の尊重)
第17条 前条の規定による勧告又は意見表明を受けた市の機関は、当該勧告又は意見表明を尊重しなければならない。
(報告等)
第18条 オンブズマンは、第16条第1項の規定により勧告をしたときは、市の機関に対し是正等の措置について報告を求めるものとする。
2 前項の規定により報告を求められた市の機関は、当該報告を求められた日から60日以内に、オンブズマンに対し是正等の措置について報告するものとする。この場合において、是正等の措置を講ずることができない特別の理由があるときは、理由を付してその旨をオンブズマンに報告しなければならない。
2 オンブズマンは、前項の規定により勧告、意見表明及び報告の内容を公表するときは、個人情報等の保護について最大限の配慮をしなければならない。
第5章 補則
(事務局)
第20条 オンブズマンに関する事務を処理するため、事務局を置く。
2 オンブズマンの職務に関する事項を調査する専門調査員を置くことができる。
(運営状況の報告)
第21条 オンブズマンは、毎年、この条例の運営状況について市長及び議会に報告するとともに、これを公表するものとする。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成8年10月1日から施行する。
(平成8条例2・一部改正)
(藤沢市非常勤職員の報酬等に関する条例の一部改正)
4 藤沢市非常勤職員の報酬等に関する条例(昭和31年藤沢市条例第36号)の一部を次のように改正する。
〔次のよう略〕
附則(平成8年条例第2号)
この条例は、公布の日から施行する。