救命救急センターについて

1)救命救急センター設立経過

救命救急センターの写真 本院では「救急疾患は救急医がまず診るべき」と平成10年より救急疾患に興味を持つ数人の医師の救急チームによる診療がスタートしました。 行政も救急治療の重要性を認識し救急医療体制を市の重要事業の一つにかかげ、平成14年より船曳哲典小児科部長の下に小児救急24時間体制がスタートしました。その結果救急患者は平成10年度の年間1万5千人が平成15年には2万8千人となり年々増加しました。平成17年度には約3万2千人(成人1万6千4百人、小児1万5千6百人)にまでなりました。そのうち、救急車による搬送は6千3百人(総数の20%)で、4千人の患者さんは入院して治療を行いました。しかし満床などの理由で救急搬送された約5百人を他の病院にお願いしている状態でした。それらを解消しさらに広範囲地域でさらに重篤な患者の治療を行うために救命救急センター建設を平成14年7月より開始しました。

2)救命救急センターの診療体制

 平成18年12月1日より救命救急センターの稼働を始めました。センターでは湘南東部二次医療圏(藤沢市、茅ヶ崎市、寒川町)を対象に主に2次から3次救急患者に対して24時間体制で高度な医療を行っています。救命救急センター内の病室はICU6床、HCU6床、一般病室18床、感染症6床(主に2類感染症を収容)からなる、36床の病床となっています。センターでは心筋梗塞を含む心臓疾患の専門医は24時間対応で病院内に待機しており、CTは最新鋭の64列検出器型CTを設置して非侵襲的に冠動脈像を描出して冠動脈病変の画像診断が可能になり、その他の疾患でも短時間に鮮明な画像を得ることが可能となりました。脳疾患に対してはオンコール体制で対応しています。また急性腹症や多発外傷などでの緊急手術が必要な患者さんに対しては手術室を2室増設し(手術室は総計10室となりました。)、常に一室を専用に空けた状態で即時に対応できるようにしました。本院のICUには当直麻酔科医師がおり、いつでも緊急手術が出来るような体制になっています。24時間体制で行っている小児救急医療も、同様にセンター内で診療と治療を行っています。 成人患者の救急は阿南英明、八鍬秀之両副センター長を中心に7名からなる救急医(専任)が24時間初療(ER型救急)を行い、本院の専門医がその後引継ぎ治療を行うようにしています。今まで、地域外の大学病院などに依頼していた一部の重症の救急患者も当救急救命センターで引き受け、地域完結型の治療が可能となりました。 また、災害医療拠点病院として災害時には多数の患者さんを治療できるように救急外来待合室の周囲の壁に酸素供給可能なソケットや電源を配置し待合の長椅子も非常時にはベッドになるように工夫しました。

3)救命救急センターの平成19年度の患者統計

 平成19年度に救命救急センターで診療した救急患者総数は28,867例(成人15,157、小児13,710)で、そのうち救急車搬送が6,902例、心肺停止患者は265例でした。入院患者数は4,384例で、そのうちICUにて治療を行ったのは422例です。 ICUで治療した症例の内訳は重症脳血管障害91例、循環器疾患(解離を含む)175例、多発外傷は32例、重症呼吸不全26例、急性腹症6例、急性中毒10例などです。センターからの緊急手術は110例で、頭部、骨折、腹部の手術が多くを占めていました。 また急性心筋梗塞に対して冠動脈カテーテル治療(PCI)を行ったのは121例でした。

副院長 兼 救命救急センター長
仲野 明