産婦人科

診療内容

2015年4月より、より多くの治療を必要とする市民の皆様の期待に応えるべく、従来のハイリスク周産期医療に加え、婦人科悪性腫瘍の手術・治療と低侵襲な鏡視下(子宮鏡・腹腔鏡)手術に重点を置いた新体制となり、6年目を迎えました。現在、婦人科腫瘍専門医産科婦人科内視鏡技術認定医周産期専門医がすべて揃った診療体制で、救急も含めた産科・婦人科領域全般にわたって対応しています。救命救急センターと連携し、産科・婦人科共に緊急手術は24時間可能で、高難度手術にも積極的に取り組んでいます。インフォームドコンセントを重視し、スタッフ全員が高い専門性を共有しつつ、患者さんにとって最善の医療を共に考えご提供できるよう、日々診療を行ってまいります。

  • 産科医療全般(自然分娩を基本とした周産期管理、母体合併症を含めたハイリスク妊娠管理と分娩、周産期救急を含む)
  • 婦人科悪性腫瘍(子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんなど)の診断、治療
  • 婦人科救急疾患(異所性妊娠、卵巣腫瘍茎捻転、卵巣出血など)の手術治療
  • 婦人科良性疾患(子宮筋腫、卵巣腫瘍、子宮内膜症、月経困難症、骨盤臓器脱など)の診断、治療
  • 月経不順、女性ヘルスケア

初診でおかかりの場合は、緊急時を除き、予約されてから受診いただくようお願いいたします。
婦人科初診は、診療所などから紹介いただいた方を原則とさせていただいていますが、妊娠のために受診される方は、紹介状がなくても電話予約にて受診いただけます。(既に診療所や病院におかかりの方は診療情報提供書をお持ちください)。

症例数・診療実績

2019年の分娩数は647件、うち帝王切開分娩194件、双胎分娩16件、鉗子・吸引分娩26件、周産期救急応需数20件でした。

2019年の手術件数は、756件でした。うち128件は臨時・緊急手術で、救命救急センター経由での緊急手術は26件でした。

2019年における婦人科悪性腫瘍の新規治療数は175例で、初期がん(CIN3、上皮内腺癌、異型内膜増殖症など)を除いた浸潤性子宮がんは73例(頸がん27例、体がん46例)、卵巣・卵管・腹膜がん48例、その他の悪性腫瘍4例などでした。

2019年に当科で施行した婦人科浸潤がんの手術数は114件でした。腹式広汎子宮全摘術14件、腹式準広汎子宮全摘術14件、子宮頸がん・体がんに対する腹腔鏡下子宮悪性腫瘍手術(リンパ節郭清を含む)29件、傍大動脈リンパ節郭清術17例を含め系統的リンパ節郭清を施行した体がん・肉腫根治術や卵巣・卵管悪性腫瘍の拡大手術、転移性卵巣癌手術や腫瘍減量術、再発腫瘍摘出術などでした

2019年に施行した腹腔鏡下手術は321件(広汎子宮全摘術3件、準広汎子宮全摘術26件、単純子宮全摘術114件(初期がんや体がん根治術を含む)、筋腫核出術16件、付属器(卵巣・卵管)手術147件、仙骨腟固定術5件、異所性妊娠10件など)でした。また子宮鏡手術は26件(内膜ポリープ14件、筋腫摘出12件)施行しました。

当科は産婦人科診療の主要3分野(婦人科がん診療、低侵襲内視鏡下診療、周産期診療)を含むサブスペシャリティ5部門において、迅速で的確かつ高度な専門性をもった診療及び教育研修体制が認められ、下記認定を受けています。

  • 日本婦人科腫瘍学会専門医制度指定修練施設
  • 日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医研修施設
  • 日本周産期新生児医学会専門医(母体・胎児)制度研修指定施設
  • 日本女性医学学会専門医制度認定研修施設
  • 日本臨床細胞学会専門医教育研修施設

今後も湘南地域の産婦人科診療におけるオピニオンリーダーとして、更なる医療水準の向上を目指して取り組んでまいります。

特色(産科)

  • 分娩予約は、随時受け付けています。リスクの高低や分娩経験の有無に関わらず、どなたでも安心してお産を迎えていただけるよう、設備、体制を整えています。
  • 原則として自然分娩で行います。外来から分娩まで産科医師と助産師が合同で対応しています。リスクのある分娩は24時間体制で当直している小児科医の立ち会いのもとで行っており、安全で快適な分娩ができるよう、最大限心がけております。
  • 新生児特定集中治療室(NICU)を9床併設し、妊娠28週以降、推定児体重900g以上の早産児が受け入れ可能です。地域周産期母子医療センター、神奈川県周産期救急医療システム中核病院として認定され、県内外から産科救急の搬送を受け入れています。2名の周産期(母体・胎児)専門医を中心に、産科救急をはじめ、緊急手術、母体の合併症や早産児の管理に小児科、麻酔科と共に24時間対応をしています。
  • 医学的理由がある場合は、帝王切開や分娩誘発などを行いますが、希望による計画分娩や無痛分娩は行っておりません。
  • 骨盤位(逆子)、帝王切開既往のある妊娠、双胎(ふたご)妊娠の場合は、帝王切開での分娩となります。
  • 夫立会い分娩を行っています。ご希望の方は外来受診時にご相談ください。
  • 里帰り分娩を行っています。随時受け付けていますが、分娩予約を兼ねて里帰り前に一度受診することをお勧めします。その後はお近くの診療所や病院で妊婦健診を受けていただき、妊婦健診先からの紹介状をお持ちになって、遅くとも妊娠32週には当院にいらしてください(経過やリスクにより医師がより早い週数を指示する場合もあります)。また、当院での分娩を希望されない方には他院での妊婦健診をお願いいたします。
    なお、お問い合わせは平日地域医療連携室にて13時〜16時で受け付けています。
  • ローリスク妊娠の方に限り、当科と連携登録している診療所で妊婦健診をお受けいただくことができます(妊娠20週及び30週前後の妊娠中後期のスクリーニング時と妊娠34週以降は当科での妊婦健診になります)。ご希望の方は妊娠初期検査を行う妊娠10週前後までに受診いただき、当科の分娩予約をおとりください。詳しくは受診時に担当医までお問い合わせください。

産科病棟(西館5階エリア)は、新たな環境でつつがなくお過ごしいただけるよう、2016年2月よりリニューアルされました。

2020年2月より新たに2室のLDR室がオープンしました。現在ある3床の陣痛室と2台の分娩室も引き続き利用してまいりますので、妊婦さん及びご家族の方々にはご希望に応じて選んでいただけるようになりました。これまでの分娩室でも、LDR 室外と無線セントラルモニターで連動管理できるようになっていますので、LDR 室を含めた4 箇所に最新式の分娩設備機器を導入した上で、最大限妊婦さんに安心安全なお産をご提供できるようスタッフ一同尽力してまいります。

新生児室
新生児室

ナースステーション
ナースステーション

LDR室
LDR室

病室
病室

特色(婦人科)

  • 湘南東部における唯一の地域がん診療連携拠点病院として、婦人科悪性腫瘍(子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんなど)の診断・治療に力を入れています。婦人科腫瘍指導医と4名のがん治療認定医がおりますので、湘南地区における婦人科がん患者さんが身近で、安心感をもって治療を受けられるよう体制を整えています。
  • 手術療法・化学療法(抗がん剤治療)・放射線療法を軸とした集学的治療を、がん専門病院で修練を積み、指導経験のある婦人科腫瘍専門医・指導医が中心となって行っています。婦人科腫瘍学会から提示された治療ガイドラインに沿った標準治療を基本としており、病理専門医、放射線治療専門医と情報を共有し、がん専門の認定看護師のサポートなどを通して、高い専門性の中にわかりやすさをもった診療を心がけています。化学療法は外来化学療法室における日帰り治療を原則とし、手術後のケアや緩和ケアなどにも積極的に取り組み、在宅医療支援も他医療機関と連携して行いながら、常に患者さんに寄り添ったチーム医療を行っています。
  • 当院は保険診療下における腹腔鏡下子宮悪性腫瘍手術(K879-2)の実施基準を満たし、同手術の実施施設として認可を受けています。安全かつ根治性を第一に考える立場から、厳格な適応基準をクリアした患者さんに限定していますが、婦人科腫瘍専門医と産科婦人科内視鏡技術認定医による手術チームによって、2017年1月より早期子宮体がんに対する根治術(リンパ節郭清術を含む)を、2018年8月より腫瘍径2cm以下の早期子宮頸がんに対する広汎子宮全摘術を施行しています。
  • 日本産科婦人科学会における「子宮頸癌に対する腹腔鏡下広汎子宮全摘術」登録施設です。
  • 2020年3月より手術支援ロボットda Vinci Xを用いた内視鏡下手術を開始しました。術者の手指の動きに合わせて自由自在に連動した鉗子操作が可能になりますので、特に骨盤の狭く深い場所に病巣があり、繊細な操作を要する婦人科腫瘍の手術治療に対して世界中で導入実施が進んでいます。現在、婦人科領域では、子宮悪性腫瘍手術だけでなく、子宮筋腫や子宮腺筋症など良性疾患に対する子宮全摘術も保険適応となっており、実機操作のライセンスを取得した婦人科腫瘍専門医と産科婦人科内視鏡技術認定医の手術チームにより運用しています。

  • 初発進行卵巣がんに対する薬剤選択に伴うBRCA遺伝子検査と、臨床遺伝専門医によるBRCA遺伝子検査前後の遺伝カウンセリングを保険診療下で実施しています。

当科における婦人科悪性腫瘍の治療方針について

  • 当科の悪性腫瘍根治手術は日本婦人科腫瘍学会治療ガイドラインに沿って行っており、初期がんから浸潤・進行がんまで幅広く対応しています。特に根治性が求められる浸潤がん手術治療数は年々増加しており、がん専門病院や大学病院を含めた中でも県内有数の治療実績を誇る婦人科がん診療施設となっています。
  • 完成度に妥協なく、安全で確実な手術が遂行できるよう、また患者さんが安心感をもって治療に専念いただけるよう、全例婦人科腫瘍指導医・がん治療認定医がイニシアチブをとり、術前診察から御説明、手術実施・指導を一元的に行う態勢で臨んでいます。手術までの待ち時間の短縮に努め、概ね入院予約から3週間以内を目処に手術を実施しています。
  • 悪性腫瘍手術については可能な限り自己血を準備して臨んでおり、系統的リンパ節郭清時のリンパ管温存や漏出防止の工夫、膀胱神経温存など、合併症や後遺症予防に努めた術式で統一し、根治性の追求とQOL(生活の質)の向上を目指しています。
  • 化学療法は外来にて日帰り治療で行っています。2018年度は580件施行しました。
  2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019
子宮頸がん
(CIN3、上皮内腺がんを除く
1
5
3
11
17
20
26
27
子宮体がん
(異型内膜増殖症を除く
13
23
11
29
32
39
38
46
卵巣・卵管がん・腹膜がん
19
13
16
23
31
31
30
48
その他悪性腫瘍
7
4
5
7
6
4
2
4
悪性腫瘍根治術
39
40
38
77
83
86
96
114
子宮頚部円錐切除術
33
54
47
67
65
65
66
67

   

当科における鏡視下手術(腹腔鏡・ロボット支援下内視鏡・子宮鏡)について

  • 2名の産科婦人科内視鏡技術認定医を中心とした診療体制で、良性疾患(子宮筋腫・卵巣腫瘍・子宮内膜ポリープ・骨盤臓器脱など)については症状の有無や妊孕性、年齢などを考慮して治療方針を決めています。手術療法については侵襲の少ない腹腔鏡下手術・子宮鏡下手術を積極的に行っており、良性疾患はほぼ全例鏡視下手術で治療を行っています。
  • 根治性と低侵襲性を併せもった腹腔鏡下子宮悪性腫瘍手術の実施適応と判断された方には、当院の開腹・腹腔鏡下手術成績やがん治療に対する最新の知見及び我々の考え方について、専門医からご説明し、インフォームドコンセントを得た上で、実施しています。現在、手術支援ロボットda Vinciを用いた内視鏡下手術も行っておりますので、開腹、腹腔鏡下、ロボット支援下のいずれでも患者さんに安心して手術治療選択いただけるよう体制を整えていますので、お気軽にお問い合わせください。
  • 子宮鏡下手術や筋腫核出術を中心とした妊孕性温存目的の腹腔鏡下手術については、治療による症状改善のみならず、挙児希望の方に対しては、近隣の不妊専門クリニックと連携した手術対応も行っています。
  • 早期子宮体がん根治手術を含め、全例術後平均在院日数3日としたクリティカルパスを運用し、早期の社会復帰を実現しています。
  • 骨盤臓器脱については、従来の経腟的アプローチによる根治術の他に、一定の適応条件をクリアした方については、腹腔鏡下仙骨腟固定術を行っています。
  • 救命救急センターとの連携を強化し、卵巣腫瘍茎捻転や卵巣腫瘍破裂、卵巣出血、破裂を含む異所性妊娠などの婦人科救急を24時間体制で積極的に受け入れています。通常検査や診察に加え、時間外や休日問わず血中hCGのリアルタイム測定が可能です。主に緊急腹腔鏡下手術で迅速に対応しています。
  • 妊孕性を温存する手術や治療にも積極的に取り組んでいます。
  • 不妊症の診療は行っていません。希望のある方は近隣や御希望の生殖補助医療技術のある専門施設にご紹介させていただきます
  • 産婦人科外来での子宮鏡検査が可能になりました(午後、予約制)。

産婦人科外来が2016年4月より移転リニューアル(西館2階Mフロア)しました。産科・婦人科エリアに分かれており、より多くの治療を必要とする患者さんの診療を、効率良く行えるよう診察室増枠や処置室を新設しています。

 
産婦人科外来

病診連携

2016年10月より、湘南、鎌倉、横浜地区を主とした診療所の先生方と共に“藤沢市民病院産婦人科連携カンファレンス”を年2回行っています。地域の患者さんが常に最新の診断、治療を地元で受けられるような態勢を当科が構築し、“顔の見える”地域完結型の産婦人科診療ネットワークを目指しています。

 
産婦人科連携カンファレンス

スタッフ

役職 氏名 専門領域 専門医/認定医
診療科部長 佐治晴哉 婦人科悪性腫瘍
内視鏡下手術
周産期
母体救命医学
遺伝医学
細胞診断学
日本産科婦人科学会専門医・指導医
日本婦人科腫瘍学会婦人科腫瘍専門医・指導医 
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医 (腹腔鏡)
日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医
日本遺伝性腫瘍学会遺伝性腫瘍専門医
日本周産期・新生児医学会周産期(母体・胎児)専門医
日本臨床細胞学会細胞診専門医・教育研修指導医
日本女性医学学会女性ヘルスケア専門医・暫定指導医
臨床研修指導医(厚生労働省)
母体保護法指定医
J-CIMELS認定インストラクター
ロボット支援手術施行資格(certificate)
専門医長 片山佳代 内視鏡下手術
婦人科腫瘍
産婦人科一般
日本産科婦人科学会専門医・指導医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医 (腹腔鏡)
日本内視鏡外科学会技術認定医
専門医長 持丸 綾 周産期
内視鏡下手術
婦人科腫瘍
産婦人科一般
日本産科婦人科学会専門医・指導医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
日本周産期・新生児医学会(母体・胎児)専門医・指導医
母体保護法指定医
専門医長 長嶋 亜巳 周産期
産婦人科一般
日本産科婦人科学会専門医
専門医長 内田絵梨 女性ヘルスケア
産婦人科一般
日本産科婦人科学会専門医
  小澤雅代 婦人科腫瘍
産婦人科一般
日本産科婦人科学会専門医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
  三品亜純 産婦人科一般  
  鈴木琴音 産婦人科一般  
  吉岡俊輝 産婦人科一般  
  松永梨沙 産婦人科一般  
非常勤医師 大井由佳 内視鏡下手術
婦人科腫瘍
日本産科婦人科学会専門医・指導医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
日本婦人科腫瘍学会婦人科腫瘍専門医
日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医 (腹腔鏡)
非常勤医師 古野敦子 内視鏡下手術
婦人科腫瘍
日本産科婦人科学会専門医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医(腹腔鏡)
非常勤医師 今井雄一 婦人科腫瘍 日本産科婦人科学会専門医・指導医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
日本婦人科腫瘍学会婦人科腫瘍専門医
非常勤医師 伊集院昌郁 婦人科腫瘍
周産期
日本産科婦人科学会専門医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
非常勤医師 中西沙由理 周産期
産婦人科一般
日本産科婦人科学会専門医
非常勤医師 長たまき 婦人科腫瘍
産婦人科一般
日本産科婦人科学会専門医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
非常勤遺伝カウンセラー 栗城紘子 遺伝カウンセリング 日本遺伝カウンセリング学会・日本人類遺伝学会認定遺伝カウンセラー®
非常勤遺伝カウンセラー 稲田千秋 遺伝カウンセリング 日本遺伝カウンセリング学会・日本人類遺伝学会認定遺伝カウンセラー®

外来予定表

  月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
婦人科 再診 片山
吉岡
内田
鈴木
佐治
三品
鈴木
交代制
持丸
三品
新患 持丸 佐治 片山 長嶋 内田
産科・周産期
交代制 三品
交代制
鈴木
交代制
持丸
交代制
長嶋
交代制

フォローアップ外来、精査超音波外来を専門外来として、午後に予約制で行っています。
産後健診は、月・水の午前に行っています。