こども診療センター

診療科概要

こども診療センター

こどもの時に小児科を受診したことがない人はいないと思います。小児科は守備範囲が広いのが特徴です。心臓病、腎臓病、神経の病気など、小児科医が担当する病気はたくさんあります。未熟児から中学生までが小児科にお出でいただく患者さんですが、年齢によって発症する病気に違いがあり、緊急処置が必要な病気もあれば、何年も通院していただく病気もあります。
藤沢市民病院の「こども診療センター」には、入院患者さんと専門外来に定期通院する患者さんを担当する「小児科」、24時間救急を担当する「小児救急科」、新生児集中治療室(NICU)で未熟児新生児医療を担当する「小児科(新生児)」があります。それぞれの担当医が専門性を高め、相互に協力することにより、こども達に質の高い充実した医療を提供することを目標にしています。
なお「こども診療センター」の病床数は59床ですが、神奈川県下の一般病院では最大であり、藤沢市内だけでなく、横浜市、鎌倉市、茅ヶ崎市、大和市の患者さんも受診されています。「こども診療センター」では小児医療の集約化が効率的に行われており、小児科学会が推進する「地域小児科センター」のモデル的病院になっています。

小児科

こども診療センターの小児科医が担当するのは、紹介患者さんの診療、臓器別専門外来の診療、入院患者さんの診療です。藤沢市内のこども達の85%が藤沢市民病院の診察券を持っています。25%のこども達が1年に1回は市民病院を受診していますが、受診頻度が高い就学前のこども達に限れば2人にひとりが市民病院を受診している計算になります。
紹介患者さんはおよそ2,300人で(救急外来を含む)、開業の先生、夜間休日診療所の先生方からは多くの患者さんの紹介をいただいています。専門外来を受診する患者さんは約2,500人で、市内のこども達の5%に相当します。学校健診で心臓や腎臓の精密検査を指示された児童生徒の多くが市民病院の専門外来を受診しています。年間の入院患者さんは1,800人ほどですが、こども達や御家族の負担を軽減するために、入院期間の短縮を心がけており、検査や処置もできるだけ外来で行うことにしています。
このように、こども診療センター小児科は藤沢市の小児医療システムのなかで大きな役割を果たしています。小児科の今後の課題は地域の保健福祉分野と連携であり、障害児のサポートも重要と考えています。

小児救急科

小児救急科では、こどもたちに関することであれば病気であっても怪我であっても、緊急度・重症度にかかわらず全て対応しています。実際の救急診療は小児科医師と協同し、24時間・365日、小児科診療のスペシャリストによる診療を行っています。また、重症なこどもたちに対しては集中治療室(ICU)において治療を行う事も可能です。

小児科(新生児)

未熟児や病気を持って生まれてくる赤ちゃんには特別のケアが必要です。新生児集中治療室(NICU)や後方病床(GCU)では、赤ちゃんの呼吸や心臓の働きを助け、栄養状態を保ち、病原体から体を守る治療が行われています。保育器の温度や湿度は一定に保たれており、母親の胎内に近い環境が維持されています。
NICUでは赤ちゃんに対する不必要な刺激を避けるように環境面が配慮され、母子の触れ合いを深めるためにカンガルーケアの導入や母乳育児の推進が行われています。  藤沢市民病院のNICUは9床、GCUは6床です。NICUでは昼夜を問わず、赤ちゃん3人に対して看護師1名の勤務と専任当直医の勤務が義務づけられています。
神奈川県周産期救急医療システムが定める地域周産期母子センターであり、横浜地区の中核病院に指定されています。要請があれば、藤沢市、横浜市以外からの新生児(または母体)搬送を受け入れることもあります。

藤沢市の小児救急医療の歩み

昭和36年に国民全員が健康保険に加入することになり、国民は医療費の心配をせずに診療を受けられることになりました。昭和37年には全国に先がけて在宅当番制度(開業医が持ち回りで休日診療を担当する制度)がスタートしました。昭和46年に藤沢市民病院がオープンしましたが、同じ年に鵠沼地区にメディカルセンター(現在の南休日・夜間急病診療所)が開設され夜間救急診療を行うことになりました。平成6年には大庭地区に建設された保健医療センター内に北休日・夜間急病診療所が開設され、南と北の二つの診療所が救急医療を担うことになりました。藤沢市の救急医療に対する医師会の貢献は大きく、他都市と比較すると10年ほど早く整備が進んできたと言われています。
市民病院では救急患者の診療は成人診療科医が担当し、入院が必要な患者のみを小児科医が診療していました。患者家族には、できれば小児科医の診療を受けたいという希望があり、成人診療科医にとっても慣れない小児の診療を行わなければならないという負担感がありました。
さて、藤沢市の小児救急医療の問題点は北休日診療所、南休日診療所の診察が午後11時に終了することでした。そこで平成14年から市民病院では小児科医を増員し、交代制勤務を導入して24時間小児救急医療をスタートさせました。市民病院小児科の役割は24時間を通じて検査や入院が必要な患者さんの診療をすること、午後11時以降の深夜帯の小児救急診療を行うことです。平成15年には小児救急拠点病院に指定され、鎌倉市と藤沢市の救急医療を担当することになりました。平成18年の救命救急センター開設後は救急診療科(成人担当)とともに同センター内で診療を行っています。

こども診療センターの役割

藤沢市は、平成15年の次世代育成支援対策推進法の成立を受けて、市役所全体の取り組みを強化・推進するとともに、こども・青少年に関係する窓口業務の一元化を図るために、平成20年4月に「こども青少年部」を創設しました。
これに先がけて、市民病院では平成19年4月に従来の「小児科」を再編強化し「こども診療センター」をスタートさせました。「こども診療センター」には、一般外来、臓器別専門外来、救急外来の3外来と、一般小児病棟、NICU(新生児集中治療室)の2病棟があります。それぞれの部署が専門性の高い医療を提供していますが、こども達の健康を守り、健やかな成長と発達を支えることが共通の使命であり、互いに協力しながら、安全でレベルの高い診療の実現を目指しています。
こども診療センターは、こども達の診療に全力をつくします。また、地域のこども達の健康問題や重い疾病を持ったこども達についてもできる限りのお手伝いをしたいと考えています。
国や県などの行政組織と病院の円滑な連携のために、こども診療センター医師は保健所で開催される以下の委員会に出席しています。

  • 藤沢市母子保健推進協議会
    どんな病気でも早期診断、早期治療が大切です。こども達全員が健康チェックを受けることができる学校検診は、日本が世界に誇る優れた制度です。こども診療センター医師は教育委員会、医師会が開催する以下の委員会に出席しています。また御紹介いただいた児童生徒さんの精密検査や治療を行っています
  • 藤沢市医師会腎疾患対策専門委員会
    藤沢市立小・中・特別支援学校児童生徒結核対策委員会
    藤沢市心臓病検診専門委員会
    藤沢市糖尿病検診専門委員会

    豊富な知識と経験を備えた小児科専門医を教育、育成することは地域の病院に課せられた重要な役割です。藤沢市民病院はそれぞれの学会から研修指定施設に認定されています。
  • 日本小児科学会小児科専門医研修施設
    日本周産期・新生児医学会新生児研修施設
    日本アレルギー学会認定教育施設
    日本小児循環器学会認定循環器専門医研修施設
  • 診療科主任部長 (小児科)/こども診療センター長

    佐近 琢磨さこん たくま

    専門領域 循環器、新生児、小児一般
    認定/
    資格
    日本小児科学会専門医 日本循環器学会専門医 日本小児循環器学会専門医 NCPRインストラクター 臨床研修指導医(厚生労働省)
  • 専門医長

    藤田 秀次郎ふじた しゅうじろう

    専門領域 新生児
    認定/
    資格
    日本小児科学会専門医 NCPRインストラクター
  • 太田 慧子おおた けいこ

    専門領域 小児一般
    認定/
    資格
    PALSプロバイダー NCPRプロバイダ
  • 岸尾 望きしお のぞむ

    専門領域 小児一般
  • 株木 優かぶき ゆたか

    専門領域 小児一般
  • 菅 あさ美かん あさみ

    専門領域 小児一般
  • 金滝 聡一郎かなたき そういちろう

    専門領域 小児一般
  • 非常勤医師

    金子 かおりかねこ かおり

    専門領域 神経
    認定/
    資格
    日本小児科学会専門医
  • 非常勤医師

    黒河内 明子くろこうち あきこ

    専門領域 アレルギー
    認定/
    資格
    日本小児科学会専門医 日本アレルギー学会専門医
  • 非常勤医師

    壷井 洋子つぼい ようこ

    専門領域 小児内分泌代謝、小児一般
    認定/
    資格
    日本小児科学会専門医 PALSプロバイダー NCPRプロバイダー
  • 非常勤医師

    灘 大志なだ たいし

    専門領域 アレルギー
  • 非常勤医師

    伊波 勇輝いなみ ゆうき

    専門領域 アレルギー
  • 非常勤技師

    石田 奈津子いしだ なつこ

    専門領域 児童心理
    認定/
    資格
    公認心理士 臨床心理士
  • 診療科部長 (小児救急科)/救命救急センター副センター長

    福島 亮介ふくしま りょうすけ

    専門領域 小児救急、集中治療、病院前救護
    認定/
    資格
    日本救急医学会救急科専門医 日本小児科学会小児科専門医・指導医 日本スポーツ協会公認スポーツドクター 米国集中治療学会認定 PFCCSコースインストラクター 神奈川県DMAT-L隊員 神奈川県災害時小児周産期リエゾン 臨床研修指導医(厚生労働省) 湘南メディカルコントロール協議会検証作業部会員、病院実習作業部会長、検討部員
  • 専門医長

    志村 紀彰しむら きしょう

    専門領域 小児救急、小児集中治療
    認定/
    資格
    日本小児科学会小児科専門医
  • 宮澤 拓哉みやざわ たくや

    専門領域 小児一般、小児救急
    認定/
    資格
    日本小児科学会小児科専門医 PALSプロバイダー NCPRプロバイダー
  • 川田 愛子かわだ あいこ

    専門領域 小児一般
    認定/
    資格
    日本小児科学会専門医
  • 青木 優一あおき ゆういち

    専門領域 小児一般
    認定/
    資格
    日本小児科学会専門医
  • 坂田 雄祐さかた ゆうすけ

    専門領域 小児一般、小児神経
    認定/
    資格
    日本小児科学会専門医
  • 松澤 崇まつざわ たかし

    専門領域 小児一般
    認定/
    資格
    日本小児科学会専門医
  • 星 颯太ほし そうた

    専門領域 小児一般
  • 武藤 カナンむとう かなん

    専門領域 小児一般

小児科専門外来

月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
午前

乳児健診(佐近・交代)

心理・発達テスト(石田)

心臓(佐近) 心理(石田)
アレルギー(黒河内)
内分泌(壷井)
神経(坂田)
アレルギー(黒河内)
心理(石田1,2,3)
シナジス(流行期)
午後

予防接種(交代)

心臓(佐近) アレルギー(黒河内)
発達(藤田)
心理(石田)
神経(金子)
神経(伊波2,4,5)
内分泌(壷井1,2,3,5)
腎臓(灘2,4)
アレルギー(黒河内)
発達(藤田)

( )内の数字は週数

小児科一般外来

月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
交代制 交代制 交代制 交代制 交代制

こども診療センター外来患者数

2015年 2016年 2017年 2018年 2019年
一般外来 4,888 5,744 5,438 4,850 4,477
専門外来 11,265 11,076 11,129 10,769 9,705
救急外来 14,265 14,607 13,434 13,066 12,059
合計 30,418 31,427 30,001 28,685 26,241
(紹介患者) 2,472 2,486 2,602 2,715 2,506
(救急車搬送) 1,703 1,673 1,686 1,736 1,716

こども診療センター入院患者数

2015年 2016年 2017年 2018年 2019年
小児病棟 1,664 1,623 1,733 1,594 1,544
NICU/GCU 164 221 227 262 261
合計 1,828 1,844 1,960 1,856 1,805

紹介患者さんは24時間いつでもお受けしています。

  • 平日午前8:30~11:00までに来院可能な患者さんは一般外来にご紹介ください。
    予約は不要です。(0466-25-3111)
  • 上記以外の時間帯で救急担当医に直接ご連絡いただく場合は救急外来直通電話をご利用ください。
  • 専門外来は、FAXでの予約申し込みを行っています。
    FAX予約申込書を外来予約センターへ送信してください。予約回答します。
    (外来予約センターFAX 0466-55-1350)

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