2009年11月25日 広報ふじさわ…市長対談・市民の広場  〔 4 / 4 page 〕

漫画家ビッグ 錠さん市長海老根 靖典

第12回

100センチ対談

漫画家 ビッグ 錠さん

//

市長 海老根 靖典

学生さんと街の将来像を
 描いていただきたい(市長)

びっぐ・じょう
びっぐ・じょう 大阪府生まれ。
漫画家。代表作に「釘師サブやん」、
「包丁人味平」(1971年)、
「極道ソクラテス」(2005年)ほか多数。
現在、湘南台地域経営会議副議長として活躍。
湘南台在住。

市長 ビッグ錠さんといえば「包丁人味平」。私も大好きでよく読んでいました。当時、料理漫画というのは画期的でしたよね。

ビッグ錠 少年マガジンや少年サンデーが全盛の時代で、少年雑誌の漫画はスポ根ものか学園ものしか通用しないと言われていた。何か僕だけのものでやらないと、と思ったんですよ。

市長 味平がちょっと食べて「アッ」という顔になるの、「おいしそうだな」と思っていました。
 藤沢には昭和42年ごろから住んでいらっしゃるということですが、どういうところが魅力ですか?

ビッグ錠 僕は大阪人なので、のんびりしているところがいい。それと日活の裕次郎映画で見た湘南のイメージ。僕らの青春ですから。

市長 以前、広報ふじさわ小学生版「まつぼっくり」に4コマ漫画と挿し絵も描いていただいていたそうですね。

ビッグ錠 昭和47年頃ですから、それを読んでいた子どもたちも、もう40歳ぐらいになっているわけですね。懐かしいです。

市長 6月に発足した湘南台の地域経営会議の委員として手を挙げていただきましたが、どういうきっかけだったんですか?

ビッグ錠 古い付き合いの本屋さんに「ちょっと錠さん、やってみたら」と言われて市民センターに連れていかれたのがきっかけなんですよ(笑)。

市長 それで気が付けば副議長に(笑)。

ビッグ錠 心の中に湘南台のために何かやりたい、という気持ちはあったんです。住んだ当時は本当に田舎だったんですが、地下鉄ができ、大学もできて、どんどん変わってきたのを見ています。若い人も増えていることだし良い方に変わってほしいけど、僕一人でどうにかできるものではない。そこへお話をいただきました。

市長 地域主権型、地域完結型の街づくりを目指して地域経営会議を進めていますが、具体的にどういう話をされていますか?

ビッグ錠 いろんな方々が集まっているので、話を統一するのがなかなか難しい。皆さんの意見を聴いて、それから考えようと思っています。地域経営会議をやっていると湘南台のいろんなことが分かりますよ。

市長 話すことが大事ですよね。どういったことを期待されていますか?

ビッグ錠 若い人を巻き込んで何かやりたいですね。最近、多摩大学の学生と気が合って「学園祭のポスターを描いてくれ」とか言われるんですよ。

市長 学生さんもけっこう勇気がありますね(笑)。

ビッグ錠 この前は慶応と日大の学生の合同飲み会に呼ばれました。「君たち、どうせ3、4年で出て行っちゃうんなら、いい思い出を作れるような街づくりをやろうや」って言ってるんです。

市長 いいですね。湘南台は交通の便もいいし、学生さんが集うにはすごくいい街なんですよ。

ビッグ錠 立派な地下道ができたんですけど、ハードだけでは…。殺風景な場所だと人間も殺風景になってくるんじゃないかな。

市長 そこに魂がないと。

ビッグ錠 そう。魂というか、アートがない。「もうちょっとロマンチックにならないかなあ、この街」と思ってね。

市長 ぜひ学生さんと一緒に絵を描いてください。

ビッグ錠 町おこしっていうとお金集めてビル建ててっていうのが有利みたいに思うじゃないですか。そうじゃなくて、土地独特の良さを生かす。それは、その土地に住んでいる人がやらないと駄目なんじゃないかな。

市長 地域経営会議はまさにそういうもののための会議なんです。新しい街の将来像を描いていただきたい。

ビッグ錠 仲間をつくって、地域で盛り上がっていきたいです。

市長 よろしくお願いいたします。

もっとロマンチックな街に ならないかなあ(ビッグ錠)

もっとロマンチックな街にならないかなあ(ビッグ錠)