2010年8月10日号 広報ふじさわ…市長対談・市民の広場  〔 1 / 2 page 〕

第17回

100センチ対談

日本ビーチバレー連盟理事長 瀬戸山 正二さん

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市長 海老根 靖典


せとやま しょうじ

1965年生まれ、宮崎県出身。96年アトランタ五輪代表など、日本におけるビーチバレーのパイオニアとして活躍し、2000年シドニー五輪、08年北京五輪で日本代表監督を務める。現在は日本ビーチバレー連盟理事長、日本ビーチ文化振興協会理事長としてビーチの活性化のために尽力している。

ビーチの魅力・・・ 1年を通じて楽しめるように(瀬戸山)

目指せオリンピック!ビーチバレーの魅力

目指せオリンピック!ビーチバレーの魅力

市長 瀬戸山さんは、インドアのバレーボールの選手からビーチバレーに魅せられて転向されたんですよね。きっかけは何だったんですか?

瀬戸山 1990年に、現在ビーチバレー連盟の会長をしている川合俊一さんに「ビーチバレーをやってみたいと思うんだけど、アメリカへ行って体験しないか」と誘われたのがきっかけです。僕は当時高校の教員をしていたのですが、大学の先輩だった川合さんと一緒にロサンゼルスへ行きました。

市長 初めてのビーチバレーはいかがでしたか?

瀬戸山 西海岸のコートでは地元の方がプレーされていて「仲間に入れてくれ」と言うと、誰でも参加させてくれるんです。

 初めて対戦したのは、ジャンプもできない年配の方と20代の若い方のペアでした。僕は川合さんと組んだのですが、全く歯が立たなかったんですよ。

市長 瀬戸山さんと川合さんのペアがですか!?

瀬戸山 年配の方はスパイクが打てなかったのですが、テクニックでコートの空いてる所にポトンと落としたりする。これは面白いスポーツだな、と思いました。

市長 面白いですよね。私も鵠沼海岸でビーチバレージャパンを観戦しましたが、6人制のバレーボールと違って2人の息が合っていないと勝てない。風向きも関係してくるし、背の高い選手ばかりが有利ではないんですね。

瀬戸山 2人きりでやる分、メンタル的な要素やテクニックの占める割合が深くなります。僕はバレーボールでは身長の低い選手なのですが、ビーチバレーなら世界に挑戦できるかな、と思いました。

市長 その後、選手生活のためにロサンゼルスにお住まいになったそうですね。毎日、練習で大変だったのではないですか。

瀬戸山 暑い時季は朝の6時半からビーチで練習するんですけど、その朝凪(なぎ)の時間と、練習が終わった後の夕凪の時間がすごくいい。海辺のすばらしさをビーチバレーで知りました。

市長 ご自身でオリンピックに出場されたほか、日本代表監督も2回務めていらっしゃいますね。

瀬戸山 はい。

市長 今年は市制施行70周年ということで、第1回の全国中学生ビーチバレー大会を鵠沼海岸で開催します。僕はスポーツを通じた青少年育成が大事だと思うんですが。

瀬戸山 中学生で大きな大会を体験できることは、将来のビーチバレーの選手育成という意味で非常に大きな意味を持つと思っています。オリンピックにもつながる第一歩だと思います。

市長 今回参加する中学生からも、世界を目指す選手が出るといいですね。

夏だけではないビーチの豊かな価値

夏だけではないビーチの豊かな価値

市長 私はいつも「ビーチってみんなのものだな」と思うんです。最近はいろいろな機会に皆さんにゴミを拾っていただけるようになりました。そういった意味のビーチ文化も大切ですよね。

瀬戸山 そうですね。僕は、ビーチは活用すればするほどきれいになるんじゃないかと思います。

市長 どういうことでしょう。

瀬戸山 自分がビーチでスポーツをしたり遊んだりする時には、「ゴミを捨てない」なんてことは当たり前の話になります。海面上昇や砂浜の浸食という環境の変化も、活用を通じて身近に考えることができます。

市長 なるほど。最近は、藤沢でもビーチバレー、ビーチサッカーなど、砂浜を活用するスポーツが盛んです。ペットボトルの手作りボートレースといった新しい遊び方も人気なんですよ。

瀬戸山 ビーチの魅力を、1年を通じて楽しめるようにしたいですね。僕たちがやっているNPO法人では、海岸の新しい文化を提案しようということで、砂浜でアート展をやったり、図書館の設立を計画したりしています。

 ここ5〜10年ぐらいで世界的にもビーチのすばらしさが見直されていて、海岸に公園をつくる国が増えています。

市長 瀬戸山さんとお話していると、ビーチの魅力がどんどん広がっていきます。市制施行70周年を機に、一緒に新しいビーチ文化を育てていけたらと思います。本日は、ありがとうございました。

新たなビーチ文化を 育てていけたら(市長)