2011年2月25日号 広報ふじさわ…市民の広場  〔 1 / 2 page 〕

ふじさわ探訪還暦を迎える  藤沢市庁舎(本館)

 2010年度は藤沢市市制施行70周年の年です。本市は市制施行後の翌1941年の村岡村合併、42年の六会村合併、さらに戦後の47年に片瀬町を合併し市域を拡大し、それに伴い庁舎が狭くなったことから、現在の藤沢公民館から朝日町1番地(現本庁舎)に庁舎を移転しました。竣工は1951年3月10日で、今年還暦を迎えることになります。

 庁舎新築工事竣工式典(51年5月13日)における工事報告書によると、「構造は現代式鉄筋コンクリート3階一部4階建で塔は8階」「この塔は消防署の望楼となって居りますが一面市役所の目標といたし、庁舎構造の美観に意を用いた」ものであるとしています。当時の庁舎は消防署の機能も兼ねていたため、地下には消防自動車車庫を擁していました。報告書はさらに「建設資材は鉄筋及鉄骨382トン、セメントは1285トン、袋数に致しますと、25700袋」となったことを報告しています。また、当時は朝鮮戦争(1950年勃発)特需の影響で建築資材が入手困難な状況にあり、その対応についても述べられています。

 なお本庁舎のプラン設計は久米建築事務所(現・久米設計)が行っており、実施案の設計担当者は、その後1970年にその特異な外観から通称「軍艦マンション」と呼ばれている第三スカイビル(新宿区大久保)を設計した建築家・渡邊洋治(1923〜83)でした。

▲完成当時の市役所本庁舎
▲完成当時の市役所本庁舎