2011年7月25日号 広報ふじさわ…市民の広場  〔 2 / 3 page 〕
 

ふじさわ探訪

豊かな生態系が息づく藤沢の三大谷戸

川名清水谷戸
川名清水谷戸

 谷戸とは、丘陵地の谷あいの低地のことです。河川の源流域になっている場合も多く、沼などの湿地やそこを開発した水田に豊かな生態系が保たれています。

 本市周辺の地名では、谷と書いて「やと」と呼ばせる場合もあります。市内には代表的な谷戸として、川名清水谷戸、石川丸山谷戸、遠藤笹窪谷(谷戸)があり、「藤沢の三大谷戸」とされています。

 川名清水谷戸は、市南東部に残された川名緑地の中にあり、この地区がかつては台地と谷戸が重なり合う起伏の多い地形であったことを彷彿(ほうふつ)とさせます。市の鳥カワセミに出会えることも多いようです。

 石川丸山谷戸は、市の中部、引地川東側斜面の住宅地に隣接した地区で、援農ボランティアや地域住民などによる保全や再生のための取り組みが行われています。2009 年には県の進める里地里山保全地域に選定されました。

 遠藤笹窪谷(谷戸)は、市の北部、慶応大学看護医療学部の北西部にあります。関東大震災前までは田の耕作が行われていました。現在は湿地を含む約33ヘクタールの広大な谷戸が広がっています。

 これからの季節、谷戸は緑に包まれ、鳥やカエルの鳴き声でにぎやかです。自然観察会などありましたら、出かけてみてはいかがでしょうか。

 なお日本大学生物資源科学部博物館では、9月2日(金)まで企画展「藤沢の谷戸〜人の暮らしと生き物」を開催しており、谷戸のさまざまな姿を知ることができます。