2012年6月10日号 広報ふじさわ…市民の広場  〔 1 / 2 page 〕

同クラブ代表の土志田さん
同クラブ代表の土志田さん

周りに安心感を与える存在でありたい

〜(特非)西浜サーフライフセービングクラブ



 片瀬西浜海岸を拠点に水難救助活動などを行う(特非)西浜サーフライフセービングクラブが、長年にわたるビーチクリーン活動などの功績を認められ、緑綬褒賞を受賞した。

 同クラブは、日本初のライフガード組織として1963年に設立され、以来海水浴場の監視・人命救助活動をはじめ、ビーチクリーンなどを通じた地域活動や青少年の育成に力を注いできた。

ライフセービングの基本はビーチクリーン

定期的に行っているビーチクリーンの様子
定期的に行っているビーチクリーンの様子

 当初は月に1回程度、クラブ会員の顔合わせを兼ね、数人が集まる程度だったものが、現在では毎月第2日曜日の活動日には200人以上が参加するまでに発展した。

 「ビーチクリーンとは、単に美化活動ということだけでなく、砂浜をはだしで歩いて、ケガをしないための予防策なんです。本来のライフセーバーの目的とも重なります」と同クラブ代表の土志田さん。

 ビーチクリーン後は、砂浜で参加者同士がしばらく談笑し、普段面識のない人とも交流を図る貴重な機会にもなっているという。

 現在、土志田さんは会社の代表を務める傍ら、週末は同クラブの代表としての活動に汗を流す。学生時代から湘南の海に魅せられ、マリンスポーツを始めたことが同クラブに出会うきっかけとなった。そして当初夏だけだった活動を、年中みんなが顔を合わせられる場にしたいと始めたものが、ビーチクリーン活動だ。「地道な活動ですが継続は力なりです。道をつくってくれた先輩方の意志を受け継ぎ、それを若い世代に伝えていくことが努めだと思います」と活動の先頭に立ち続ける。

7・8月には海辺のパトロールを行う
7・8月には海辺のパトロールを行う

湘南出身のライフセーバーがやがては世界へ

ジュニアライフセービング教室
ジュニアライフセービング教室

 海水浴シーズンは、会員のライフセーバーとともに大学生が監視・救助活動の担い手となっているが、それでも例年、人手不足の問題を抱えている。その解消と地域に密着した取り組みを発展させるため、地元の小・中学生を育成するジュニアプログラムにも力を入れている。小・中学生が水辺の事故から自分の身を守るための指導が、地元ライフセーバーの育成にもつながればとの思いからだ。

 「このクラブで育った子どもたちがようやく高校生になりました。今後ライフセーバーとして、湘南はもちろん海外で活躍する日が楽しみです」と笑顔で語る。こうした新たな戦力が着々と増える一方、ライフセーバーが世間にもっと認知され、近い将来諸外国のように職業として選択できるような環境を待ち望んでいるという。

 「ライフセーバーが活躍し、脚光を浴びたりすることは望みません。あくまでいざというときのライフセーバー。謙虚であり続けたいと思います」とこれからの海水浴シーズンを迎えるにあたって、気を引き締める。

 「今後も地道な活動を続けることで、皆に安心感を与えられる存在であり続けたいですね」