2012年7月10日号 広報ふじさわ…市民の広場  〔 1 / 1 page 〕

街の話題

鵠沼海岸商店街に秋田の風

〜藤沢市の元教諭2人が故郷・秋田をPR

物産フェアの様子1

6月22日、鵠沼海岸商店街には、秋田県・白神山地と男鹿半島の名産品などを威勢良く販売する2人の姿があった。秋田の特産品などを藤沢市内で販売する3日間の物産フェアには、「白神山地の水を使ったかき氷」、「男鹿半島のしょっつる焼きそば」など地元の名産品を買い求める多くのお客さんでにぎわいをみせた。

故郷に対して同じ思いを持った2人が再会

物産フェアの様子2



このフェアの開催を企画したのは、長きにわたり本市の小・中学校で教諭を務めた藤原弘章さんと加藤真一さん。2人の生まれ故郷である秋田の魅力を県外にもPRし、人の交流などを通じて、まちを活性化することが狙いだ。藤原さんは、湘洋・鵠沼中学校で教諭を務め、退職後、第2の人生を故郷のためにという思いから藤里町のまちおこしのため帰郷し、2010年に「ふじさと元気塾」を創設。加藤さんは、鵠沼小学校で校長を務め、同じく退職後、男鹿半島のやきそばを地元のB級グルメとして広めるため、「男鹿やきそばを広める会」の副会長として活動していた。帰郷した加藤さんは、人口とともに伝統的な文化や産業の担い手が減りつつあることを懸念し、故郷のために何かしなければという気持ちになったという。

そんな2人が故郷・秋田で偶然の再会を果たし、お互いのこれまでの活動を知るとすぐに意気投合。故郷のPRという同じ目的を持った2人がまちおこしに立ち上がった。

故郷のために奮起した2人は、「あきた白神元気塾」を創設。県外への出張費や広告費など資金繰りに奔走する中、トヨタ財団の11年度の地域社会プログラムの助成対象に選ばれたことが追い風となり、今回企画していた物産フェアの開催にこぎつけた。「以前から、第2の故郷・藤沢と何かできないかを考えていました」と、遠く離れた秋田と藤沢を結びつけるための一歩を踏み出すこととなった。

新たなパートナー〜鵠沼海岸商店街

左から藤原さん、齋藤さん、加藤さん
藤原さん、齋藤さん、加藤さんの写真

秋田の魅力をいざ藤沢で発信する場として、鵠沼海岸商店街がその2人の思いに応える。商店街の活性化など、まちが元気になるための取り組みに共感したという同商店街の齋藤光久理事長は、「お互いのまちが交流することで良い刺激になり、まちの商店が元気を取り戻すきっかけになれば」と、実際に人々が交流し合うことでの波及効果にも期待する。

こうして、秋田の藤原さん・加藤さんと鵠沼海岸商店街3者が協力し、秋田と藤沢を結びつけるための試みとして、6月22日〜24日に鵠沼海岸商店街の空き店舗を活用して、第1弾となる物産フェア「イベントハウス白神山地藤里・男鹿」を開催した。

今後の活動について2人は、「藤沢にいるときには秋田を、秋田にいるときには藤沢のPRを欠かさずに行いたいです」「秋田の方には特に藤沢の『湘南』の爽やかなイメージや明るい雰囲気を伝えたいですね」と意欲満々に話す。また今夏の祭りでは、男鹿の伝統文化である「ナマハゲ」、秋には収穫に関連したイベントや相互の旅行企画などお互いが盛り上がるための企画を数多く考えているという。

藤原さんの中学校時代の教え子たち
藤原さんと中学校時代の教え子たちの写真

今回の物産フェアには藤原さんの教諭時代の教え子も訪れ、「先生には『継続は力なり』ということを教えられました。目標に向かって頑張る先生をこれからも応援したいです」とうれしそうに話していた。