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まちの話題

鵠洋小学校開校70周年記念音楽会・藤沢にゆかりのある音楽家たち
大先輩たちが贈る、心温かなコンサート

子どもたちのために本物のクラシック音楽を

堤 剛(写真右)

 日本を代表するチェロ奏者として、世界中で活躍。サントリーホールの館長も務める。鵠洋小学校卒業生。

磯部 周平(写真左)

 東京交響楽団やNHK交響楽団の首席クラリネット奏者などを長く務めた。鵠洋小学校卒業生。

惠藤 幸子(写真中央)

 日本演奏家コンクール1位、モスクワ国際フェスティバルコンクール1位など国内外で活躍中。片瀬小学校卒業生。

 「皆さん、こんにちは。この小学校で演奏をしたのは60年ぐらい前、学芸会のとき以来ですよ」。

 ユーモアのある言葉で子どもたちに優しく語りかけるのは、世界的なチェロ奏者の堤剛さん。

 開校70周年を迎える鵠洋小学校では、藤沢にゆかりのある音楽家3人を迎え、11月11日に記念コンサートが開催された。

 3人の中でも、堤さんの母親は同校の元音楽教員、クラリネット奏者の磯部周平さんの父親は同校の校歌の作曲者と、特につながりが深い。

 楽器や楽曲の話なども交えながら、子どもたちに生の演奏を贈るコンサート。本物のクラシック音楽が、演奏者たちの人柄とともに心に刻まれる時間となったようだ。

自然体で音楽に親しむ湘南の子どもたち

 惠藤幸子さんが愛らしいピアノ曲を奏でると、子どもたちは体を揺らしてリズムを取りはじめた。楽しいメロディの「クラリネット・ポルカ」では自然と手拍子が湧き起こり、次のベートーベンのピアノ三重奏曲でも、子どもたちは楽しそうに手をたたき続けた。

 磯部さんは「音楽に気持ちを合わせて、素直に反応してくれているんですね。参加してくれて、すごくうれしかった」とにこやかに笑う。

 「オープンで積極的。これこそが湘南の気風だと思います」と堤さんも目を細める。

聴いて、楽しんで心を動かすきっかけに

 「『音楽はすごいんだよ』と押しつけることはしたくないんです。演奏を聴いて楽しんで、『音楽が好きかも』と思ってもらえれば、すごくうれしいです」と惠藤さんは、子どもたちへの想いを語る。「私は音楽以外にも、運動をするのも、絵を描くのも好きです。今回のコンサートが、子どもたちにとって何か心を動かすきっかけになればいいな、と思います」と語る。

 磯部さんも、「私たちが演奏している姿から、何かを感じてもらえれば」とうなずく。

 「子どもたちには何事も一生懸命学びながら、本当に好きなことを見つけてほしい。自分はクラリネットを見つけて、クラリネットをずっと続けています。そういう大人もいるということを、見てもらえればいいなと考えています」。

 元気いっぱいの校歌「大きな気持ちで育って」

 音楽会の最後は、鵠洋小学校の校歌。大きな声で元気いっぱいに歌う子どもたちに合わせて、堤さん、磯部さん、惠藤さんもそれぞれの楽器を奏でた。

 「きれいな音色で、心が温かくなりました。今日は、ありがとうございました」と児童からお礼の挨拶と花束を受け取ると、堤さんが子どもたちへのエールで演奏会を締めくくった。

 「どうか皆さん、元気で、すこやかに。大きな気持ちで、育っていってくださいね」。