湘南台文化センターこども館 もうすぐ開館30年 「楽しむこと」が学びの原動力
文化や科学をテーマにした展示、さまざまな工作ができるワークショップ、宇宙・天文の情報を発信しているプラネタリウムの3つの部門で、子どもたちが体験活動を楽しめる湘南台文化センターこども館。
開館から30年を迎えようとする現在も、放課後や週末は子どもたちの元気な声でいっぱいになる。歴代のスタッフ一人一人の地道な工夫が、この30年間の歩みを支え続けてきた。
「自分で作ったよ!」達成感を持ち帰って
こども館1階にある実験室では、ワークショップの担当スタッフたちが、日々、新たなプログラム作りに取り組んでいる。
「ワークショップでは、作った作品と一緒に『自分で作ったよ!』という達成感を持って帰ってほしい。プログラム作りのポイントは『子どもが自分で作れるもの』にすることです」と同担当の青木さん。
楽しく安全に作れるようにするため、例えばカッターではなくハサミを使って作れるように改良したり、工作の手順を独自で検討したりする。ガラスに穴を開けるなど、どうしても難しい部分はスタッフが準備しておく。
子どもたちが見る「つくりかた」のプリントも重要だ。低学年の子どもでも自分で読んで考えられるよう、図解入りで分かりやすいものをスタッフが手作りしている。
「『見て、できたよ!』と言ってくれるとき、子どもは本当に良い笑顔をしてくれるんです」とスタッフたちは顔をほころばせる。
同館で開催されるワークショップは、年間で200講座以上。風鈴作りやスノードーム作りなど、好評プログラムはこども館の財産として引き継がれ、事業を支えている。
大人も子どもも星を好きになって
「今年の夏は、2003年以来の火星の大接近が観察できます。こども館でも、天体観望会をはじめ、いろいろな企画をしていますよ」と声を弾ませるのは、同館の宇宙劇場でプラネタリウムを担当している佐野さん。
同館では09年に投影機器がリニューアルし、さまざまなプラネタリウムの演出が楽しめるようになった。さらにトークショーやコンサートなどで宇宙の魅力を発信している。
天文の情報をメールマガジンで配信する「宇宙劇場友の会」も独自の取り組みのひとつ。会員限定の試写会やイベントを開催し、天文ファンに好評だ。ボランティアスタッフとしてこども館の活動をサポートしてくれる会員も多く、火星大接近の特別観望会でも活躍してくれる予定だという。
「たくさんの人に、星をもっと好きになってほしい。子どもだけでなく、大人も一緒に楽しみましょう」と佐野さん。
もうすぐ30年世代を超えて楽しむ場に
もうすぐ開館30年。かつての利用者が親となり、「子どもの頃、私もここに通っていました」と訪れることも珍しくなくなってきた。
「私たちにできるのは、楽しむきっかけを持ってもらうこと」と佐野さん。
「楽しんで学んだことは、一生の宝物になります。気軽に遊びに来て、工作や科学と仲良くなってください」
プラネタリウム体験の様子
天体観望会
湘南台文化センターこども館
ところ
湘南台1-8(湘南台駅から徒歩5分)
休館日
月曜日、祝日の翌日 ※8月は毎日開館
問い合わせ
【電話】(45)1500、【FAX】(45)1503
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