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2020年3月10日号 広報ふじさわ…市政情報    〔 20 / 21 page 〕

まちの話題
吉野 彰 氏
「吉野さんと藤沢~未来に向かって」

祝 ノーベル化学賞受賞・藤沢市名誉市民

 

 

 1月30日、市民会館で名誉市民顕彰式と、吉野氏によるふじさわロボットフォーラム特別講演が行われた。

 会場では、本市在住の旭化成(株)名誉フェローの吉野彰氏(72)による講演をおよそ1000人が聞き入った。


製品化された初期の
リチウムイオン電池

将来を見通して行動すること

 リチウムイオン電池の研究を始めたきっかけは「5~10年先に必要になりそうなものだと思ったから」。世界がIT革命に向けて動き出す将来を見通して研究と向き合ってきた。

 研究の成果がノーベル賞受賞となったことについて、「スマート社会(環境問題の抜本的な解決をする社会)の実現に大きな期待が持てること」だと語る。

 会場を和ませる穏やかな語り口の一方で、講演会では時折真剣な表情をのぞかせた。

考えたい未来社会のこと

 これからやってくる未来社会において、吉野氏は「環境性・経済性・利便性のバランスが大事」だと語る。

 今後のAIなどの技術の向上とリチウムイオン電池は、未来のエネルギーを変え、地球環境への負荷を減らすことにつながるだろう。特に車は、燃料を必要としないロボットとして、都市部だけでなく過疎化地域でも活躍することが期待できる。

 「実現のため、今後もハードルをクリアしなければならない」

 未来の展望を語る吉野氏の熱意を受け、客席の参加者は未来社会のイメージをより具体的に膨らませた。

憧れのまち 湘南

 40年以上本市に在住している吉野氏は大阪・吹田市の出身。湘南に住むことが憧れだったという。

 住んでみた感想は、「海風が入り夏は涼しく、健康的に過ごしやすい」とのこと。テニスが趣味で、テニス後のビールが良い気分転換になると話し、会場の笑いを誘った。

 「藤沢市在住でのノーベル賞受賞は初めてということでね、市民に元気を与えられたんじゃないかなと」

 妻・久美子さんは「地元の藤沢市の名誉市民ということで誇りに思う」と話したという。

 当日は72歳の誕生日であり、講演会後、サプライズでプレゼントされた藤沢産藤稔(ふじみのり)のワインに顔をほころばせた。

 会場では最後に「これからも永遠に藤沢市民です」と語り、大きな拍手が湧いた。

これからやるべきこと

 今後の活動について、子どもたちにも話をする機会を設けていきたいと話した吉野氏。

 「お子さんは感受性が強いから、何かの刺激を受けて好奇心に駆られて、自分の未来・将来を決めていけばいいと思う。私の一言二言が刺激になればと思っている」

 また、世界に向けて環境問題の旗振り役にもならなければならないと、使命のようなものを感じているという。

 「ノーベル賞は半分喜ばしいが、半分は大きな責務のようだ」

 環境問題の解決につながる功績を残し、さらなる未来へ向かって歩み始めている吉野氏の姿は、多くの市民の励みとなったことだろう。

※講演内容の概要は、市のホームページの産業労働課のページをご覧ください


旭化成(株)のコンセプトカー「AKXY(アクシー)」と吉野氏

吉野さんへ質問!

Q.

藤沢市で気に入っている場所はありますか?

A.

晩秋の辻堂海岸です。夏の喧騒が去り、静かな海岸の雰囲気が好きです。30年以上も前の情景ですが、偶然にも馬がのんびり歩いていたのを覚えています。

Q.

藤沢市はこれからどんなまちになれば良いと思いますか?

A.

日本の中での藤沢市は、湘南の地として憧れのまちだと思います。文化や観光名所などをグローバルにアピールできるようになれば良いなと思います。

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