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吉野 彰 氏
「吉野さんと藤沢~未来に向かって」
1月30日、市民会館で名誉市民顕彰式と、吉野氏によるふじさわロボットフォーラム特別講演が行われた。 会場では、本市在住の旭化成(株)名誉フェローの吉野彰氏(72)による講演をおよそ1000人が聞き入った。
将来を見通して行動することリチウムイオン電池の研究を始めたきっかけは「5~10年先に必要になりそうなものだと思ったから」。世界がIT革命に向けて動き出す将来を見通して研究と向き合ってきた。 研究の成果がノーベル賞受賞となったことについて、「スマート社会(環境問題の抜本的な解決をする社会)の実現に大きな期待が持てること」だと語る。 会場を和ませる穏やかな語り口の一方で、講演会では時折真剣な表情をのぞかせた。 考えたい未来社会のことこれからやってくる未来社会において、吉野氏は「環境性・経済性・利便性のバランスが大事」だと語る。 今後のAIなどの技術の向上とリチウムイオン電池は、未来のエネルギーを変え、地球環境への負荷を減らすことにつながるだろう。特に車は、燃料を必要としないロボットとして、都市部だけでなく過疎化地域でも活躍することが期待できる。 「実現のため、今後もハードルをクリアしなければならない」 未来の展望を語る吉野氏の熱意を受け、客席の参加者は未来社会のイメージをより具体的に膨らませた。 憧れのまち 湘南40年以上本市に在住している吉野氏は大阪・吹田市の出身。湘南に住むことが憧れだったという。 住んでみた感想は、「海風が入り夏は涼しく、健康的に過ごしやすい」とのこと。テニスが趣味で、テニス後のビールが良い気分転換になると話し、会場の笑いを誘った。 「藤沢市在住でのノーベル賞受賞は初めてということでね、市民に元気を与えられたんじゃないかなと」 妻・久美子さんは「地元の藤沢市の名誉市民ということで誇りに思う」と話したという。 当日は72歳の誕生日であり、講演会後、サプライズでプレゼントされた藤沢産藤稔(ふじみのり)のワインに顔をほころばせた。 会場では最後に「これからも永遠に藤沢市民です」と語り、大きな拍手が湧いた。 これからやるべきこと今後の活動について、子どもたちにも話をする機会を設けていきたいと話した吉野氏。 「お子さんは感受性が強いから、何かの刺激を受けて好奇心に駆られて、自分の未来・将来を決めていけばいいと思う。私の一言二言が刺激になればと思っている」 また、世界に向けて環境問題の旗振り役にもならなければならないと、使命のようなものを感じているという。 「ノーベル賞は半分喜ばしいが、半分は大きな責務のようだ」 環境問題の解決につながる功績を残し、さらなる未来へ向かって歩み始めている吉野氏の姿は、多くの市民の励みとなったことだろう。 ※講演内容の概要は、市のホームページの産業労働課のページをご覧ください 旭化成(株)のコンセプトカー「AKXY(アクシー)」と吉野氏 吉野さんへ質問! Q. 藤沢市で気に入っている場所はありますか? A. 晩秋の辻堂海岸です。夏の喧騒が去り、静かな海岸の雰囲気が好きです。30年以上も前の情景ですが、偶然にも馬がのんびり歩いていたのを覚えています。 Q. 藤沢市はこれからどんなまちになれば良いと思いますか? A. 日本の中での藤沢市は、湘南の地として憧れのまちだと思います。文化や観光名所などをグローバルにアピールできるようになれば良いなと思います。 |
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