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更新日:2017年1月21日

 

 

藤沢市教育委員会『教育長の窓 No.142』

2016年(平成28年)7月 教育長の窓 No.142

『「数字は語る」 ~第11回「学習意識調査」の結果から~

 学習意識

 湘南らしい真夏の太陽が輝きを増すころとなりました、プールで授業を受ける子どもたちの歓声が聞こえてくるようです。学校は、夏休み前の学習のまとめを中心に、夏休みの過ごし方についても、話をしています。長い夏休みを、どのように過ごすか、子どもたちとともに、ぜひ、ご家族で話し合う機会をつくっていただき、一人ひとりが、健康で、有意義な夏休みを過ごせるよう、よろしくお願いいたします。

 さて、藤沢市教育委員会では、1965年(昭和40年)から、5年ごとに繰り返し、ほぼ同一の内容の質問紙を用いて、中学3年生を対象に「学習意識調査」を行っています。昨年は、その調査の11回目を行い、このたび、その結果を、『2015年(平成27年)実施 第11回「学習意識調査」報告書ー藤沢市立中学校3年生の学習意識ー』としてまとめました。調査項目は、14、継続調査の内容として、「帰宅後の勉強時間」「学校の勉強の理解度」「学校の勉強についていく自信」「勉強の意欲」「勉強の集中度」「勉強以外の自由時間に対する願望」「学校外活動の種類」があり、前回までの追加項目として、「勉強に関する悩み事の相談相手」「勉強以外の悩み事の相談相手」「学校で一番大切な事柄」「授業に関する期待度」「勉強という言葉から思い浮かべるイメージ」「自主的学習 内発的意欲等」、そして、今回新たに質問紙に加えた「学習方略(勉強のやり方)」があります。これらの質問紙を使い、市内19校の中学校3年生全員に調査を実施し、その結果を学校の教育計画立案の基礎資料として活かしていこうと考えています。また、保護者や市民のみなさまにも、子どもたちの実態を知っていただき、ご支援・ご協力をいただきたいと思っております。

 今回の調査の特徴的な結果として、次の6点がみてとれました。
   ①「勉強の意欲」において、「もっと勉強をしたい」の増加が見られたが、「勉強はもうしたくない」が微
   増し、二極化の傾向にあること
   ②「学校の中で一番大切に思うもの」において、「友だちづきあい」が減少し、「勉強」が増加したこと
   ③ 新設項目「学習方略」と「学習意欲」とに相関関係があることがわかったこと
   ④「帰宅後の勉強時間」及び「学校の勉強の理解度」が増加したが、「学校の勉強についていく自信」につ
   いては、変化が見られなかったこと
   ⑤「勉強のイメージ」で「受験の準備」や「学校の授業」が増加し、「興味・関心のあることを学ぶ」「人
   との関わり方を学ぶ」「自分の生き方を見つける」が減少したこと
   ⑥「学校以外での習い事」における「学習塾」が増加したこと

 教育委員会では、この数値を、教育文化センターの「教育課題調査研究部会」に所属する8人の研究員(小学校教諭3名、中学校教諭2名、私立幼稚園協会監事1名、保護者2名)と講師の東京都立大学メディア情報学部準教授、教育文化センター担当指導主事の10名で、分析を行いました。そして、上記6項目の要因として、①の「勉強の意欲」については、入試制度が変わり、入学試験の比重が重くなり、勉強を進める上で不安を感じているのではないか。②の「学校の中で一番大切に思うもの」については、近年、SNS等の急速な普及により、生徒は学校以外にも、友だちと関わる場を持つようになり、友だちとの関わりが学校の外へ広がっていること。③の「学習方略(勉強のやり方)」については、学習意欲の高い生徒ほど、さまざまな学習方略を使っていること。④の「帰宅後の学習時間」については、公立高校の入試制度の変更があり、学力検査の比重が重くなったこと、学習指導要領の改訂により、学習内容が増加したことなどによること。「勉強の理解度」については、各学校がわかりやすい授業をめざし授業の仕方を工夫したこと。フォロー学習や定期テスト前の学習会、放課後の学習支援といった、生徒が主体的に学ぶ場を用意したことにより、増加したこと。また「学校の勉強についていく自信」については、生徒が、さらなる自信を高めるために、生徒に学ぶ楽しさや、成功体験、授業に参加しているという実感、まわりからの共感を高めるような指導を取り入れていく必要性があること。⑤の「勉強のイメージ」については、学校の授業が受験のための成績につながると考え、より現実的なイメージを持つようになったのではないか。⑥の「学校以外の習い事」に塾が増えたことは、生徒や保護者の入学試験に向けた対策への意識が高まったのではないか、をあげました。

 藤沢市の19校の公立中学校3年生、3,566名の協力をえて行った調査の結果は、藤沢市のこれからの教育の在り方について、多くのことを考える資料となりました。調査は、現実を数字で表し、その数字を、どのように読み解くかが重要だと、私は考えています。「数字は語る」のです。調査が単なる調査ではなく、語られている数字を読み解き、新たなる学校の在り方を模索したり、「子どもたちのえがお」のための施策や授業改善につながっていくことが大切だと思います。

 今回の調査から、「学校とは何か」を考え、協議するきっかけも生まれているように思います。生徒が一日の大半を過ごす学校で、基礎的・基本的知識を身につけることは、もちろん大切なことですが、さまざまな価値観を持つ、人との関わりを通して、自分を見つめ、ほかの人を理解することを学び、社会性を身につけることも、必要なことだと思います。

 保護者のみなさま、市民のみなさま、この報告書の数字を読み解き、ともに藤沢の学校や子どもたちの今後をお考えいただければ幸いです。

 7月21日から、藤沢市立学校は、夏休みに入ります。各地区のみなさまには、子どもたちの見守り活動として防犯パトロールを行っていただいたり、子どもたちが楽しみに参加する地区の行事を行っていただいたり、たいへんお世話になります。「藤沢市の子どもは、すべて我が子」と思って、ご指導・ご支援をよろしくお願いいたします。

情報の発信元

教育委員会教育部教育総務課

〒251-8601 藤沢市朝日町1番地の1 本庁舎3階

電話番号:0466-50-3556(直通)

ファクス:0466-50-8424

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