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更新日:2017年1月21日
2018年(平成30年)6月 教育長の窓 No.164
『「招き猫亭コレクション 猫まみれ」展を観てきました』
・椿貞雄「たま寝る図」 ・高橋弘明「ジャパニーズ・ボブテイル」
関東地方も梅雨入りを迎えましたが、今年の市内35校の小学6年生全員が参加する体育大会や19校の中学校と白浜養護学校の体育祭は、さわやかな5月の風の中、晴天に恵まれて行うことができました。私も、児童生徒が、日ごろの練習の成果を存分に発揮し、演技や競技、応援に全力で取り組む姿に出会い、たくさんの元気をもらってきました。
もう一つ、私が元気をもらったものに、5月19日から「藤沢市アートスペース」で行われている「招き猫亭コレクション 猫まみれ」展があります。
この作品展は、「猫」の美術作品に魅せられ、長年にわたり蒐集してきた「招き猫亭」氏のおよそ450点の作品が、藤沢市に寄贈されたことで、開催されているもので、そのうちの130点余りが展示されています。
歌川広重や歌川国芳の浮世絵作品、レオナール・フジタ、岸田劉生、池田満寿夫、竹久夢二など、だれもが知っている作家の作品をはじめ、多くの作品が展示されていますが、どの作品にも必ず描かれている「猫」を探すという楽しみもあります。私が、アートスペースに伺った折にも、来館者のみなさまが「猫は、どこにいるのかしら」と作品の中の猫探しを楽しんでおられる姿に遭遇いたしました。「ここにいますよ」と早く見つけたほうが声をかけて、お互いに「猫」を確認しあう、そんな交流も楽しみました。
また、歌川芳藤の「猫の善悪」という作品は、猫を擬人化し、「善」「悪」の「猫」が描いてありました。「善」の猫なのか「悪」の猫なのか、自らに問いかけながら、作品を見てきました。このような擬人化した描き方を「おもちゃ絵」というそうですが、「猫の善悪」の作品と並べて、歌川国梅の「新ぱん猫世帯ままこしらへ」、永島春暁の「猫の温泉遊び」のおもちゃ絵が飾られていましたが、描かれている猫の表情やその姿がまるで人間のように思えて、思わず笑みがこぼれてしまいました。
我が家にも猫がいまして、その気ままな生活ぶりを、うらやましく、愛おしく思っているところですが、この作品展の中にいる猫の姿に、その面影が重なるように感じた絵があります。それは、出口付近に飾られていた小泉淳作の猫の絵で、ふてぶてしさの中に可愛らしさがあり、私の一番のお気に入りです。
絵画だけではなく、作品展入り口には「ヴェネチアングラス」で作られた「招き猫」がありましたが、とても、気高い感じがしました。また、「猫も歩けば」と題した作品は、半開きのドアのところに、4匹の猫の立体作品が飾られ、あたかも猫がほんとうに歩いて登場しているようでびっくりしました。
展示の方法にも、さまざまな工夫がされており、とても楽しい作品展になっています。
「百聞は一見に如かず」です。美術作品が好きな方はもちろんですが、美術に興味がなくても猫が好きな方、また、そうではない方も、ぜひ、アートスペースに足を運んでいただき、ご自身の楽しみ方で、この作品展を見ていただきたいと思います。
「招き猫亭コレクション 猫まみれ」作品展は、辻堂駅北口から徒歩5分の「ココテラス湘南」6階にあります「藤沢市アートスペース」で、6月17日日曜日まで開催されています。
また、「ココテラス湘南」の7階には「藤澤浮世絵館」もあり、現在6月10日日曜日までの予定で「浮世絵で 春の江の島詣」と題した展示が行われています。浮世絵も見れば見るほど味があります。色使い、細やかな彫りやすりの技術に思いをはせ、ご覧いただければと思います。
まもなく梅雨の時期に入ります。雨の日でも楽しめる室内で、心豊かな時間をぜひお過ごしください。
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