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更新日:2023年2月13日
2023年(令和5年)2月13日号教育長の窓No.209
「コロナ禍の3年間をふりかえって」
3年前の今頃、私は市内中学校の校長として、37年間勤めた教員生活の定年退職を2ヶ月後に控えていました。1月に日本で初めての新型コロナウイルス感染症の陽性者が確認されましたが、当時は実感のわきづらい出来事くらいに感じていました。ダイヤモンドプリンセス号のニュースでも身近に迫った実感はなく、その後の感染拡大により、徐々に緊張感が高まったと記憶しています。そして、2月27日の全国一斉の休校措置から、教育現場はいっきに感染症の対応に追われるようになりました。
卒業式は行われましたが、例年のような式練習はできず、事前に登校日を設けて、簡単な打ち合わせをしただけで当日を迎えました。式の時間は短縮し、卒業証書は代表の生徒に渡しました。保護者の参列は各家庭1名に制限し、お世話になった地域の方々の来賓参列も行いませんでした。ほとんど練習のない卒業式でしたが、当日の卒業生の姿はとても立派で、例年にも増して感動的な式になったことを思い出します。その2週間後に行われた修了式も登校日として行われ、全校で集まることはなく、校内放送による式でした。
あれから3年間、学校はさまざまな感染防止対策を講じながら、工夫と努力を重ねて教育活動に取り組んできました。今年卒業する中学生は、一斉休校中で入学式を行って以来、すべての学校生活をコロナ禍でおくった生徒たちです。小学校6年生も、学校のリーダーとして活躍するはずの後半3年間をさまざまな制限の中で過ごし、この3月に卒業を迎えます。低学年の頃の学校生活を経験しているだけに、上級生になったらやってみたいことが山ほどあったことと思います。
コロナ禍の1年目は、多くの学校行事が延期や中止となりました。学校生活には制限が多く、我慢を強いられました。2年目からは、「コロナ禍でも、学びをとめない」という基本方針で、制限がある中でも工夫をして学校行事を行う努力をしてきました。3年目は、世の中が社会経済活動を活発にする方向に舵を切ったこともあり、学校行事も感染対策をしながら、ほぼ予定通り行うことができました。
この経験は、「残念な3年間」と言われることが多いのですが、本来できるはずのことが経験できなかったという思いは残りますが、コロナ禍だからこそ、経験できたこともあったと思います。感染症の恐怖の中で、生活を支えてくださった方々への感謝、苦しい環境の中で芽生えた優しさや思いやりの心、感染症対策に皆で取り組む責任感、子どもたちの心は、この困難を乗り越える過程で大きく成長できたと感じています。
今年の5月8日から、新型コロナウイルス感染症は、インフルエンザと同じ5類に分類されることになります。併せて、マスクの扱いについても検討されています。感染症が完全に終息するわけではありませんが、世の中の対応が大きく変わるターニングポイントであることは確かです。教育委員会としましては、今後も子どもたちの安全・安心を守りながら、より充実した教育活動を実現するために、各学校を支援してまいりたいと思います。保護者のみなさま、地域のみなさまには、引き続きのご理解とご協力をお願いいたします
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