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ホーム > 市政情報 > 広報 > 報道発表・プレスリリース > 「玉屋本店店舗兼主屋」が国の登録有形文化財になります
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更新日:2019年11月15日
文化庁の文化審議会は、令和元年11月15日(金曜日)開催の同審議会文化財分科会の審議・議決を経て、本市に所在する「玉屋本店店舗兼主屋(たまやほんてんてんぽけんおもや)」を登録有形文化財(建造物)に登録するよう文部科学大臣に答申しました。これにより、藤沢市における登録有形文化財の建造物は、16箇所34件となります。
写真1:玉屋本店店舗兼主屋 正面
玉屋本店は、江ノ島参詣道沿いの洲鼻通りに面しています。洲鼻通りは江ノ島参詣道の終着点にあたり茶店等が建ち、江ノ島電鉄や小田急電鉄江ノ島線の開業などにより、江の島への参詣客や海水浴客の増加に伴い、旅館や土産物店が建ち並びました。
玉屋本店は、明治45年(1912)に開業しました。初代は滋賀県出身で青年期には高砂部屋所属の力士「伊吹山」として活躍、引退後成田(千葉県)の羊羹店「米屋」で修業し、江ノ島電鉄の全通による観光客の増加を見込んで片瀬に開業したと伝えられています。
玉屋本店は、洲鼻通りに面して木造2階建・入母屋造(いりもやづくり)の棟を置き、その西側に木造平屋・切妻造(きりづまづくり)のコウバを接続しています。
店舗・主屋部分は、木造2階建・入母屋造で、奥行き半間の下屋庇(げやびさし)が付されています。現在は庇のみが桟瓦葺(さんかわらぶき)ですが、当初は主屋根も桟瓦葺でした。軒はいづれも出桁造(だしげたづくり)で正面側は、間口4間半の間に柱が無く、硝子戸10枚で全面を開放しています。欄間には「玉屋本店」の名入りステンドグラスが入っており、モダンな感じを醸し出しています。
1階の正面側を、ミセとして、その西側にシゴトバとザシキ・ブツマを配している。ミセは現在全面が土間であるが、当初はザシキに連続して6畳間がありました。ミセの北・南側の陳列棚は創建当初のもので、欅(けやき)造りの重厚な意匠です。ミセとの境に硝子入りの大阪障子を立てているところは、関東の商家の典型的な造りです。
2階は、8畳の主室・次室との6畳間・4畳半の4室からなり、南西側にL字型に廊下を廻らしています。通りに面した部屋や奥の部屋にも大型の窓を設ける点が先進的で、明るく開放的です。主室は、床と違棚を備え、床柱等に黒檀(こくたん)、紫檀(したん)、欅、棚柱に瘤材を用い、欄間にはしゃれ木を入れるなど銘木を多用する点が関東の近代町家の特徴を示しています。
玉屋本店店舗兼主屋は、出桁造の軒や1階前面を硝子戸で開放する点に関東町家の特徴が見られ、ステンドグラスの欄間や軒廻りの銅板細工など商店建築らしい意匠を備えています。工場も共に残っている点が重要で、近代産業遺産としての価値も有しています。現在も羊羹店として営業を続けており、江ノ島の参詣道である洲鼻通りに残る数少ない歴史的建造物として貴重な存在です。
写真2:1階ミセ、奥がシゴトバ
写真3:1階シゴトバ、右がザシキとブツマ
写真4:1階奥コウバ
写真5:2階 主室
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