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更新日:2020年11月27日
今回調査する作品は、長谷川路可(1897年ー1967年)が描いた藤沢市所蔵の《イタリアの想い出》です。彼はイタリアでフレスコ画を学び、日本に本格的に紹介したパイオニアとして評価されています。
フレスコ画とは、砂と消石灰を混ぜた漆喰を壁に塗り、それが乾ききらないうちに、水で溶いた顔料で描画する方法です。その歴史は紀元前6世紀に遡り、ルネサンス時代に隆盛。フラ・アンジェリコやミケランジェロらによって多くの教会建築の壁面が彩られました。
路可は、壁面と一体であるフレスコ画を壁から剥がし、カンバスに移し替えることで、今の私たちが家庭の中でも楽しむことができるよう「ストラッポ」という技法も習得します。そして、イタリアから帰国した翌年、まずフレスコで描き、その後ストラッポを施したのが《イタリアの想い出》であり、日本における早い時期のストラッポの例として貴重な作品です。
ただ、本作は絵具が剥がれてしまっている箇所が多数あり、将来的に修復が必要になると考えられます。今後の修復計画を立てるにあたって指針となるのが、今回の電波(テラヘルツ波)による科学調査です。すでに国内外で同様の調査の実績のある国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)の協力を得て、実施の運びとなりました。
科学調査担当:福永 香氏
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)電磁波研究所勤務。株式会社フジクラ勤務を経て1994年に郵政省通信総合研究所(現NICT)入所。電波を用いた非破壊検査の研究に従事。博士(工学)、学士(造形)。藤沢市鵠沼出身。
電磁波(テラヘルツ波)を用いた科学調査のメリット
❶ 従来の科学調査では難しかった作品の内部(支持体や下地層)が観察できる
❷ 作品にダメージを与えず、安全に調査ができる
❸ 将来、作品の修復をする際、修復方法を検討する材料となる
これまで、電磁波(テラヘルツ波)を用いた美術作品の科学調査は、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が世界に先駆けて文化財に応用し、レオナルド・ダ・ヴィンチ作《最後の晩餐》や、キトラ古墳、高松塚古墳、狩野永徳作《檜図屏風》など、貴重な絵画の修復前調査に役立てられてきました。ストラッポ したフレスコ画を電磁波(テラヘルツ波)で調査するのは、今回が世界初の試みとなります。
長谷川路可《イタリアの想い出》フレスコ、127×107.5cm、1958年(藤沢市蔵)
※12:00-14:00は休止
名称 |
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※定員を超える際はお待ちいただく場合があります
無料
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