○藤沢市中高層建築物等の建築に係る紛争の調整に関する条例
平成12年3月30日
条例第55号
(目的)
第1条 この条例は、中高層建築物等の建築に係る紛争の解決のためのあつせん及び調停に関し必要な事項を定めることにより、その紛争の調整を図り、もつて良好な近隣関係の保持に資することを目的とする。
(用語)
第2条 この条例において使用する用語は、建築基準法(昭和25年法律第201号)及び建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)において使用する用語の例による。
(1) 中高層建築物等 藤沢市特定開発事業等に係る手続及び基準に関する条例(平成20年藤沢市条例第19号。以下「手続条例」という。)第2条第1項第3号に規定する中高層建築物及び同項第5号ア及びイに規定する特定建築物をいう。
(2) 紛争 中高層建築物等の建築に伴つて生ずる日照、通風及び採光の阻害並びに電波の受信障害並びに工事中の騒音、振動その他の周辺の居住環境に及ぼす影響に関する近隣住民等と事業施行者との間の紛争をいう。
(3) 事業施行者 中高層建築物等の建築を行う者をいう。
(4) 近隣住民等 手続条例第2条第1項第10号に規定する近隣住民及び同項第11号に規定する周辺住民をいう。
(平成20条例21・一部改正)
(市長の責務)
第3条 市長は、紛争が生じたときは、迅速かつ適正に調整するよう努めなければならない。
(事業施行者及び近隣住民等の責務)
第4条 事業施行者及び近隣住民等(以下これらを「当事者」という。)は、紛争が生じたときは、相互の立場を尊重し、互譲の精神をもつて、自主的に解決するよう努めなければならない。
(平成20条例21・一部改正)
(工事施工者等の協力義務)
第5条 中高層建築物等に係る工事施工者、設計者及び工事監理者は、前条の事業施行者の責務を認識し、紛争の解決のために協力するよう努めなければならない。
(あつせん)
第6条 市長は、当事者の間で紛争が生じた場合において、当該当事者の双方から当該紛争に係る調整の申出があつたときは、あつせんを行うものとする。
2 市長は、前項の規定にかかわらず、当事者の一方から紛争に係る調整の申出があつた場合において、当該紛争に係る調整を行う必要があると認めるときは、あつせんを行うことができる。
3 前2項の申出は、当該紛争に係る中高層建築物等の建築工事に着手する前に行わなければならない。ただし、工事の施工に伴う紛争及びテレビジョン放送の電波の受信障害に係る紛争については、当該工事の完了の日までに行うことができる。
4 市長は、あつせんを行う場合においては、当事者双方の主張の要点を確かめ、紛争が公正に解決されるよう努めなければならない。
(相談員)
第7条 市長は、紛争に係るあつせんを行うため藤沢市建築紛争相談員を置くことができる。
2 藤沢市建築紛争相談員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また、同様とする。
(あつせんの打切り)
第8条 市長は、あつせんに係る紛争について、あつせんによつては紛争の解決の見込みがないと認めるときは、あつせんを打ち切ることができる。
(調停)
第9条 市長は、前条の規定によりあつせんを打ち切つた場合において、必要があると認めるときは、当事者に対し、期間を定めて、調停に移行するよう勧告することができる。
2 市長は、前項の規定による勧告をした場合において、当事者の双方がその勧告を受諾したときは、調停を行う。
3 市長は、調停を行うに当たつて必要があると認めるときは、調停案を作成し、当事者に対し、期間を定めて、その受諾を勧告することができる。
4 市長は、調停を行うに当たつては、次条第1項に規定する藤沢市建築紛争調停委員会の意見を聴かなければならない。
(調停委員会)
第10条 市長の附属機関として、藤沢市建築紛争調停委員会(以下「調停委員会」という。)を置く。
2 調停委員会は、前条第4項の規定による市長の意見の求めに応じ、必要な調査審議を行い意見を述べるとともに、市長の諮問に応じて、紛争の調整に関する事項について調査審議する。
3 調停委員会は、法律、建築その他の分野に関し優れた知識及び経験を有する者のうちから市長が委嘱する委員5人以内をもつて組織する。
4 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
5 委員は、再任されることができる。
6 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また、同様とする。
7 前各項に定めるもののほか、調停委員会の組織及び運営について必要な事項は、規則で定める。
(調停の打切り)
第11条 市長は、調停に係る紛争について、当事者間に合意が成立する見込みがないと認めるときは、調停を打ち切ることができる。
2 第9条第3項の規定による勧告が行われた場合において、その定められた期間内に当事者の双方から受諾する旨の申出がないときは、当該調停は、打ち切られたものとみなす。
(代表者の選定)
第12条 市長は、あつせん又は調停の手続のため必要があると認めるときは、当該あつせん又は調停に係る近隣住民等に対し、紛争について共同の利益を有する者の中から1人又は数人の代表者を選定するよう求めることができる。
(平成20条例21・一部改正)
(出頭の要求及び資料の提出)
第13条 市長は、あつせん又は調停のため必要があると認めるときは、事業施行者、近隣住民等又は中高層建築物等に係る工事施工者、設計者若しくは工事監理者に対し、意見を聴くため出頭を求め、及び必要な資料の提出を求めることができる。
(平成20条例21・一部改正)
(工事の着手の延期等の要請)
第14条 市長は、あつせん又は調停のため必要があると認めるときは、その理由を付して、事業施行者に対し、期間を定めて、工事の着手の延期又は工事の停止を要請することができる。
(委任)
第16条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
1 この条例は、平成12年7月1日から施行する。
附則(平成20年条例第21号)
1 この条例は、平成21年7月1日から施行する。
2 この条例の施行の日前において、建築基準法第6条第1項若しくは第6条の2第1項に規定する確認の申請又は同法第18条第2項に規定する計画の通知を行つた建築物の建築に係る紛争の調整については、改正後の藤沢市中高層建築物等の建築に係る紛争の調整に関する条例の規定にかかわらず、なお従前の例による。