院長挨拶

院長挨拶

新春を迎えて

皆様におかれましては、元旦は、清々しい気持ちでお迎えのこととお喜び申し上げます。

1月1日16時10分ごろに発災しました令和6年能登半島地震で亡くなられた方々にご冥福をお祈り申し上げます。また、被災されました方々には、心よりお見舞い申し上げます。発災直後から、救命、救助、医療などに対応されています、すべての皆さまに敬意と謝意と感謝を表します。

1月2日17時47分ごろに、羽田空港で、能登半島地震被災地への支援物資を積んだ海上保安庁の航空機と日本航空旅客機が滑走路上で衝突、炎上する事故が発生しました。亡くなられました海上保安庁職員の使命感に敬意と感謝を表すとともにご冥福をお祈り申し上げます。救命、救助、医療などに対応されています、すべての皆さまに敬意と感謝を重ねて表します。

当院ホームページをご覧いただきありがとうございます。昨年(2023 年)4 月に院長に就任しました西川 正憲(にしかわ まさのり)は、院長として初めての新春を迎えました。

当院は 1971 年の開院以来、地域の医療機関との連携を大切にしながら、皆さまから信頼される地域の基幹病院、高度かつ高質な急性期病院として、常に「より良い医療」を提供するべく運営しています。2023 年 4 月から母児同室の運用を開始しました。6 月には心房細動に対するクライオアブレーション(冷凍凝固心筋焼灼術)を開始し、9 月には重症喘息に対する気管支サーモプラスティを実施するようになりました。2021 年から実施しています高気圧酸素療法も順調に実施数が増えてきています。

本年(2024 年)は十干(じっかん)が「甲(きのえ)」、十二支(じゅうにし)では辰(たつ)年、干支(えと)では「甲辰(きのえたつ)」です。「甲」の意味は第 1 位であり、優勢であることを表すとともに、まっすぐに堂々とした大木を表すとされています。「辰」は十二支の中で唯一の架空の生き物で、龍(竜)を意味しています。水や海の神として祀られてきた龍は、竜巻などの自然現象を起こす大自然の躍動を象徴し、「龍が現れるとめでたいことが起こる」と伝えられています。この 2 つの組み合わせである「甲辰」は、「成功の芽が成長していき、姿を整えていく」といった縁起の良さを表すそうです。

こうした「甲辰」である 2024 年も、当院は、地域の基幹病院、高度かつ高質な急性期病院として、救急医療、がん診療、地域医療連携、周産期医療、小児医療などのさまざまな機能をこれまで以上に発揮してゆきます。

私が医師になった 1985 年に比して、飛躍的に、医学、医療技術などは進歩してきています。しかし、科学技術が進歩している現代であるからこそ、医療の不確実性について、常に皆さまとともに共有したいと思います。病状については現時点で予想されることになります。変わることがあるかもしれないことは、予めご承知いただきたいと思います。私たち医療者が最善と考える選択(医療・治療)が、必ずしも患者さんやご家族の皆さまが期待される最高の結果につながるわけではないこともご了解いただきたくお願いいたします。

2024 年 4 月から始まる「医師の働き方」だけではなく、より良い医療を提供するためにも「医療者の新しい働き方」を模索する必要があります。高度かつ高質な急性期病院の医療職は、医療の不確実性が高いこと、長時間勤務になりがちであること、ライフ・ワーク・バランスが保ちにくいことなどが指摘されています。現場の医療職の過重労働や長時間勤務は、医療者自身の身体的な不調や精神的な不調を招き、提供する医療の質の低下や過誤につながることも判ってきています。一方で、これまでも、医療レベルを維持・向上することについては、医療者の献身的な努力に依存してきた現実があります。残念ながら、これらに対する有効的な施策は乏しい現状にあります。

将来にわたりこの地域での高度かつ高質な急性期病院としての医療を保つためには、患者さんと皆さまのご協力をいただきたいと思います。定期的な受診による持病の管理、病態に応じた医療機関の選択、治療から介護への移行など、地域全体での適切な備えをお願いいたします。 まずは身近に気軽に相談できる「かかりつけ医」を作りましょう。そして高度かつ高質医療が必要な場合は「かかりつけ医」の紹介で当院受診をお願いいたします。その後、病状が安定しましたら、「かかりつけ医」などでの医療継続をお願いいたします。

当院では、引き続き適切な感染管理体制を継続し、「新型コロナウイルス感染症をはじめとする感染症と適切に対応できる地域の基幹病院、高度かつ高質な急性期病院」として、これまでを継承・発展しつつ、「より良い医療人になる」「より良い医療を提供できる」「より多くの患者さんに選んでもらえる」ように、職員一同、「甲辰」である 2024 年も、成功の芽が成長し、姿を整えられるべく努力を続けてゆきます。

本年も当院をよろしくお願いいたします。

令和6年1月4日

西川 正憲