血液内科

診療内容

 血液疾患全般を扱っていますが、特に白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群など造血器悪性腫瘍を中心に診療しています。再生不良性貧血や特発性血小板減少性紫斑病などの難治性血液疾患の診療も行っています。

新規紹介患者さんの受入れ制限のお知らせ

 このたび諸事情により、当面の間血液内科外来新規紹介患者さんの受け入れを一部制限させていただくことになりました。
 再開の目途が立ちましたら、再度お知らせさせていただきますので、ご理解、ご協力をお願いいたします。

特色

  • 急性白血病の治療はJALSG(特定非営利活動法人 成人白血病治療共同研究機構)のプロトコールに沿って施行しています。無菌病室が5床ありますので多剤併用化学療法に対応可能です。骨髄移植が必要な場合は、横浜市立大学附属病院 血液・リウマチ・感染症内科神奈川県立がんセンター 血液内科などの施設をご紹介しています。
  • 慢性骨髄性白血病は分子標的治療剤(イマチニブ、ニロチニブ、ダサチニブ、ボスチニブ、ポナチニブ)を患者さんの病状に合わせて使用して治療しています。分子遺伝学的寛解が持続している場合、JALSGに登録の上、薬剤を安全に中止することも行っています。(Int J Hematol 2017;107 :185-193)
  • 悪性リンパ腫は横浜市立大学悪性リンパ腫ガイドラインVer.8.6 (2017年4月版)に沿って横浜市立大学や神奈川県立がんセンターと同じ方針で治療を行っています。
  • 多発性骨髄腫はプロテアソーム阻害剤(ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ、イクサゾミブ)、免疫調節薬(レナリトマイド、ポマリドマイド)、抗体薬(エロツズマブ、ダラツムマブ、イサツキシマブ)を患者さんの病状に合わせて使用しています。自己末梢血幹細胞移植が必要な場合は移植施設をご紹介しています。
  • 骨髄異形成症候群に対するアザシチジン療法は効果と副作用を考慮して5日/28日毎で施行しており良好な結果が得られています。(Eur J Haematol. 2016;97:228-31)
  • 通院で可能な化学療法は外来化学療法室で毎月約150件施行しています。

主な血液疾患の解説

急性白血病

白血病細胞で占められている骨髄

  1. 急性白血病とは
     白血球、赤血球、血小板を作る造血幹細胞に異常が起こることで白血球、赤血球、血小板を作る働きが低下する病気です。
  2. 診断
     急性白血病であるかどうか、また急性白血病の病型とリスクを採血と骨髄検査により診断します。
     赤血球、血小板数は低下します。白血球数は低い場合と高い場合のいずれもあります。血小板低下による鼻血や歯肉出血、正常な白血球低下による感染症状により見つかる場合が多いです。
  3. 治療

    1)急性骨髄性白血病:年齢や体の全身的な状態に問題がない場合は抗がん剤治療が勧められます。抗がん剤治療のみでは再発の危険が高いと判断される場合は同種造血幹細胞移植が勧めらます。抗がん剤治療が難しい場合で白血病細胞である芽球が30%未満の場合には注射薬のアザシチジンで治療します。赤血球や血小板が低い場合は輸血も併用されます。

    2)急性リンパ性白血病:年齢や体の全身的な状態に問題がない場合は抗がん剤治療が勧められます。抗がん剤治療のみでは再発の危険が高いと判断される場合は同種造血幹細胞移植が勧めらます。bcr-abl融合遺伝子という異常がある場合はbcr-ablの働きを抑制する内服薬による治療も行われます。赤血球や血小板が低い場合は輸血も併用されます。

慢性骨髄性白血病

慢性骨髄性白血病では9番と22番の染色体に異常がおこりbcr-abl融合遺伝子がつくられる

  1. 慢性骨髄性白血病とは
     白血球、赤血球、血小板を作る造血幹細胞にbcr-abl融合遺伝子という異常が起こることで血液細胞が無制限に増殖することで発症します。
  2. 診断
     慢性骨髄性白血病であるかどうか、また慢性期、移行期、急性転化期のいずれかの病期であるかを採血と骨髄検査により診断します。
     慢性期ではほとんど症状がありません。健康診断などで白血球数や血小板数の増加を指摘され偶然見つかる場合がほとんどです。
  3. 治療

    1)慢性期:bcr-ablの働きを抑制する内服薬により治療します。イマチニブ・ニロチニブ・ダサチニブのいずれかを選択します。効果、副作用が異なるので病状や合併症、年齢などを考慮してどの内服薬にするかを決めます。イマチニブ・ニロチニブ・ダサチニブの効果が不良な場合や副作用で継続できない場合はボスチニブやポナチニブに変更も検討します。現時点では、生涯にわたって内服の継続が必要とされています。ただし一定期間以上、分子遺伝学的完全奏効(bcr-abl融合遺伝子がほとんど検出されない状態)のような高い治療効果を維持している患者さんを対象として内服中止も検討されています。

    2)移行期:ニロチニブ・ダサチニブのいずれかで治療します。年齢や体の全身的な状態に問題がない場合は同種造血幹細胞移植も検討されます。

    3)急性転化期:ダサチニブや抗がん剤で治療します。年齢や体の全身的な状態に問題がない場合は同種造血幹細胞移植が勧められます。

悪性リンパ腫

悪性リンパ腫細胞で占められているリンパ節

  1. 悪性リンパ腫とは
     悪性リンパ腫は免疫細胞であるリンパ球ががん化した病気です。リンパ節を含め全身のいずれの場所にも病気が発生する可能性があります。
  2. 診断
     悪性リンパ腫であるかどうか、また悪性リンパ腫の病型とリスク分類を病変の生検(病気の一部を切り取り顕微鏡検査や染色体検査を行うこと)により診断します。悪性リンパ腫がどれくらい広がっているか病期診断をするためPET-CT検査も行います。
     原因不明のリンパ節の腫れをきっかけに見つかる場合が多いです。
  3. 治療
    病型により異なります。代表的な病型についての治療を記します。

    1)びまん性大細胞B細胞リンパ腫:抗がん剤の多剤併用療法とリンパ腫細胞の表面にあるCD20抗原に結合してリンパ腫細胞を攻撃するリツキシマブを併用するR-CHOP療法を3週間毎に6~8クール行います。

    2)濾胞性リンパ腫:病変が限局している場合には放射線療法、病変が全身に広がっている場合には抗がん剤のベンダムスチンとリツキシマブを併用するRB療法を4週毎に6クール行います。最近ではリツキシマブを改良したオビヌツズマブを使用したGB療法を4週毎に6クール行うことも効果が良いとされています。その後、状態に応じてリツキシマブまたはオビヌツズマブによる維持療法が2年間行われます。進行が緩やかなリンパ腫で症状がない場合には無治療で経過観察することもあります。

    3)ホジキンリンパ腫:病変が限局している場合には抗がん剤の多剤併用療法であるABVD療法を4週毎に4クール施行し、その後放射線療法を行います。病変が全身に広がっている場合にはABVD療法を4週毎に6クール施行します。

多発性骨髄腫

骨髄中の骨髄腫細胞

  1. 多発性骨髄腫とは
     骨髄中の形質細胞という細胞のがん化により体にいろいろな症状があらわれる病気です。代表的な症状として貧血、腎臓の働きの低下、骨折があります。
  2. 診断
     多発性骨髄腫であるかどうか、また多発性骨髄腫の病型とリスク分類を採血・採尿と骨髄検査により診断します。骨髄の外側にある骨に異常が起こることが多いため全身の骨のレントゲン検査やPET-CT検査も行います。
     原因不明の貧血や腎機能障害、骨折をきっかけに見つかる場合が多いです。
  3. 治療

    1)無症候性骨髄腫:貧血や腎機能障害、骨折などの症状がなければ経過観察をします。症状がない段階で治療を開始するメリットが現在のところ無いとされています。

    2)症候性骨髄腫:注射薬のボルテゾミブや内服薬のレナリドミドなどにより治療します。最近では骨髄腫細胞の表面にあるCD38抗原に結合して骨髄腫細胞を攻撃する注射薬のダラツムマブも使用されます。年齢や体の全身的な状態に問題がない場合は自己末梢血造血幹細胞移植も勧めらます。骨折の治療や予防のため放射線治療やビスホスホネート製剤(骨を溶かす細胞を抑制する注射薬)も併用されます。

骨髄異形成症候群

  1. 骨髄異形成症候群とは
     白血球、赤血球、血小板を作る造血幹細胞に異常が起こることで白血球、赤血球、血小板を作る働きが低下する病気です。
  2. 診断
     骨髄異形成症候群であるかどうか、また骨髄異形成症候群の病型とリスク分類を採血と骨髄検査により診断します。
     健康診断などで白血球数、赤血球、血小板数の低下を指摘され見つかる場合が多いです。
  3. 治療

    1)低リスク:症状がなければ経過観察をします。赤血球が低い場合は注射薬のエリスロポエチンや輸血が行われます。5番染色体長腕の欠損がある場合は内服薬のレナリドマイドで治療します。赤血球や血小板が低い場合は輸血も併用されます。

    2)高リスク:注射薬のアザシチジンで治療します。赤血球や血小板が低い場合は輸血も併用されます。年齢や体の全身的な状態に問題がない場合は同種造血幹細胞移植が勧めらます。

スタッフ

役職 氏名 専門領域 専門医/認定医
診療科主任部長 藤巻 克通 急性白血病
慢性骨髄性白血病
骨髄異形成症候群
日本内科学会総合内科専門医・指導医
日本血液学会血液専門医・血液指導医
専門医長 鈴木 泰生 血液内科 日本内科学会認定内科医
日本血液学会血液専門医
非常勤医師 佐久間敬之 血液内科  
非常勤医師 寺中 寛 血液内科  

外来予定表

  月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
血液内科 交代制
寺中

藤巻
佐久間
鈴木 藤巻
鈴木
佐久間