脳神経外科

診療内容

 当科では脳血管障害、脳腫瘍、下垂体腫瘍、眼窩内腫瘍、脊髄腫瘍、頭部外傷、水頭症、くも膜のう胞のほか頭蓋頚椎移行部病変、三叉神経痛、片側顔面けいれんなどに対し外科的治療を行っています。専門的リハビリが必要な患者さんには回復期リハビリテーション病棟を持つ病院に紹介し、病病連携を図っています。

〈セカンドオピニオン外来〉
当科では、他院での診断・治療に対するセカンドオピニオンを希望する方への外来を、第1・第2・第4水曜日の午後に設けています。ご希望の方は、セカンドオピニオン外来のページをご覧になりお手続きください。病名に応じて専門医が対応します。

脳血管障害

 くも膜下出血(破裂脳動脈瘤、動脈解離)、未破裂脳動脈瘤、脳動静脈奇形、脳出血、虚血性脳血管障害(脳梗塞、一過性脳虚血発作、内頸動脈狭窄症、もやもや病など)。

脳腫瘍・脊髄腫瘍

 神経膠腫(星細胞腫、希突起神経膠腫、多形性神経膠芽腫、上衣腫)、悪性リンパ腫、胚細胞腫、髄膜腫、下垂体腺腫、転移性脳腫瘍、頭蓋咽頭腫、神経鞘腫、脳室内腫瘍、類上皮腫などの頭蓋内腫瘍、脊髄腫瘍、眼窩内腫瘍(髄膜腫、リンパ腫、視神経膠腫など)。

頭部外傷

 急性硬膜外血腫、急性硬膜下血腫、慢性硬膜下血腫、頭蓋骨陥没骨折など。

水頭症その他

 正常圧水頭症、中脳水道狭窄症による水頭症、頭蓋内くも膜のう胞、片側顔面けいれん、三叉神経痛、頭蓋頚椎移行部病変(キアリ奇形や大孔部腫瘍など)、胸郭出口症候群。

特色

くも膜下出血の治療

 くも膜下出血のほとんどは破裂脳動脈瘤、動脈解離であり、ときに動静脈奇形からの出血のこともあります。くも膜下出血の患者さんに対しては発症時の重症度、合併症の有無、年齢などを考慮して治療法を検討します。
 〈1〉出血源に対する再破裂予防、〈2〉発症から2週間目までに起きる血管攣縮、〈3〉1ヶ月目くらいに起きる水頭症、が治療対象になります。

  1. 出血源に対する再破裂予防:出血源が脳動脈瘤破裂、動脈解離である場合、開頭クリッピング術や血管内治療(コイル塞栓術)を行っています。
  2. 血管攣縮:血管攣縮期(3-14日目くらい)に脳動脈が収縮して脳血流が低下し、脳梗塞を起こすことがあります。脳梗塞を合併すると半身不随、失語症などの身体障害を残し、脳梗塞が広範囲であると命にかかわることもあります。通常は血管拡張薬の点滴治療を行いますが、病状経過によってはカテーテルを用いた治療も行い脳梗塞発症の回避に努めています。
  3. 水頭症:水頭症を来たした場合は、髄液シャント手術を第一に行います。脳室腹腔シャント、腰椎腹腔シャントのいずれかを行います。

未破裂脳動脈瘤

 近年はMRAなどで簡易的に脳血管の状態を見ることが出来るようになり、脳ドッグなどで未破裂脳動脈瘤が発見されることは多くなっています。多くの患者さんは将来のくも膜下出血発症のリスクに対し、予防的に治療を受けるべきか、治療を受けるとしたらどのような治療がよいのかと心配されます。
 年齢、既往歴、家族歴等も考慮し、CT、MRAなどでの動脈瘤の場所、大きさ、形の評価をしたうえで、脳血管造影(入院での検査)を行い、お薦めすべき治療法を決めるようにしています。また他院でのセカンドオピニオンの希望に対して、診療情報および画像の提供を行います。

脳出血

 脳出血の患者さんでは血腫量と意識の状態で治療法が決まります。意識の状態が悪く生命の危機が迫っている場合、救命のために緊急手術を行います。また、血腫量が少なくても血腫除去により片麻痺などの症状が早期に改善することが見込まれる場合は早期手術を行う方針です。

 近年は低侵襲で治療効果が得られる神経内視鏡下血腫除去術を第一に選択していますが、血腫量が非常に多い場合は開頭血腫除去術を選択します。早期離床、リハビリテーション開始を目標にしています。

虚血性脳血管障害

 虚血性脳血管障害とは、脳梗塞、一過性脳虚血発作、椎骨脳底動脈循環不全などの頚部主幹動脈、脳動脈の狭窄、閉塞による脳血流障害のことです。軽い症状であっても調べてみると脳動脈の狭窄や頚動脈の狭窄、閉塞が見つかる場合があります。
 まずCT、MRI、MRA、頚動脈エコーを行い、疑わしい場合は脳血管造影検査と脳血流シンチグラムで脳血流の評価を行い、手術適応があるか検討します。治療の基本は危険因子への対策(禁煙、食事療法、運動療法を指導し、改善が無ければ内服治療)、抗血小板剤(血液をサラサラにする薬)の内服です。
 しかし、脳血流が極度に低下している場合は脳梗塞再発の危険が高いと考え、血行再建術(頚動脈内膜剥離術や経皮的血管形成(ステント)術、浅側頭-中大脳動脈バイパス術や橈骨動脈を用いたバイパス手術)を行っています。血管内手術は日本脳神経血管内治療学会認定医が行います。

脳腫瘍

 脳腫瘍に対しては良性、悪性にかかわらず手術で出来る限り摘出することを第一に考えていますが、病理組織検査の結果によっては化学療法や放射線治療を主体にすることもあります。頭蓋底腫瘍、下垂体腫瘍、脳室内腫瘍は神経内視鏡や、ナビゲーションシステムを併用して手術を行っています。
 下垂体腫瘍のうちホルモンを過剰分泌する機能性下垂体腺腫の場合、手術、薬物療法、ときに定位放射線治療を併用してホルモン値のコントロールを行います。特に先端巨大症などの成長ホルモン分泌過剰に対しては、薬による治療も行っています。
 非機能性下垂体腺腫や、その他のトルコ鞍近傍腫瘍は神経内視鏡を用いて鼻孔から手術を行っています。従来の上口唇の裏の歯肉を切開して行う方法に比べ、術中出血量が少なく、術後の唇のしびれ、咀嚼時の違和感などがないことが長所です。
 悪性リンパ腫、神経膠腫、胚細胞腫、希突起神経膠腫については当院化学療法委員会で承認された化学療法プロトコールに基づいて入院のみならず外来通院でも行っています。
 放射線療法は当院放射線科と協力して行います。定位放射線療法(ガンマナイフ、サイバーナイフ)の適応がある患者さんには他施設を紹介しています。

水頭症など

 高齢者に多い特発性正常圧水頭症や、脳卒中、髄膜炎後の続発性水頭症に対し、脳室腹腔シャントや腰椎腹腔シャント手術を行っています。外来では日本正常圧水頭症学会の定めたガイドラインに基づいて説明するとともに、わかりやすいパンフレットをお渡しします。また、中脳水道狭窄による水頭症に対しては神経内視鏡を用いた第三脳室底開窓術を行っています。

 片側顔面けいれんは脳幹から顔面神経が分岐する部分への脳動脈の接触、圧迫のほか、この部分の脳腫瘍が原因になることがあります。ボツリヌス療法(けいれんを起こしている部分に注射をする方法)で3-6ヶ月はけいれんが止まりますが、再発するので定期的に注射を繰り返していきます。外科的治療法としては顔面神経と動脈の圧迫を解除する方法(神経血管減圧術)があります。三叉神経痛は三叉神経痛への血管の接触、圧迫のほか、ウイルス感染やくも膜炎なども原因になりますので正確な診断が重要です。抗てんかん薬や抗うつ剤の服用が有効な患者さんもいます。血管の圧迫が疑われる場合は顔面けいれんと同様に神経血管減圧術が有効です。外来でご相談ください。ボツリヌス療法及び神経血管減圧術は当科で行っております。

 頭蓋頚椎移行部病変(キアリ奇形や大孔部腫瘍など)や、絞扼性末梢神経障害に対する手術も行っています。キアリ奇形は小脳下部(小脳扁桃)が下垂して頭蓋頚椎移行部に嵌入した状態で、水頭症や脊髄空洞症などを合併することがあります。症状は後頭部から後頚部にかけての痛み、肩の張り、幻暈、四肢のしびれ、浮遊感などです。似たような症状を来たす疾患として胸郭出口症候群があります。これは頚椎から上肢に分布する神経の束(腕神経叢)の障害で生じるもので、比較的見逃されている場合があります。慢性の後頚部痛や肩、手のしびれのある方はCTやMRI検査でのチェックをお薦めします。

頭部外傷

 救命救急センターを窓口にして頭部外傷に対応しています。

 当院は日本脳神経外科学会専門研修プログラム連携施設および日本脳卒中学会研修教育病院に認定されております。

臨床研究

 日本脳神経外科学会データベース研究事業(Japan Neurosurgical Database:JND) に参加しています。

スタッフ

役職 氏名 専門領域 専門医/認定医
診療科主任部長 向原茂雄 脳血管障害
脳腫瘍
しびれの診療
日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医・指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医・指導医
日本脊髄外科学会認定医
専門医長 當銀壮太 脳神経外科全般 日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医
日本脳神経血管内治療学会専門医
  磯﨑 潤 脳神経外科全般  
  佐藤来紗 脳神経外科全般  
非常勤技師 中野光子 臨床心理  

外来予定表

月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日

向原
當銀

向原
磯﨑

向原
佐藤