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広報ふじさわ2024年11月10日号

2023(令和5)年度 決算のあらまし

 2023(令和5)年度の一般会計および特別会計の決算が、10月8日に市議会で認定されましたので、お知らせします。

  • 数値はその積み上げと合計が一致しない場合があります
  • 今年度も本市の財政状況を分かりやすく解説した「わかりやすい藤沢市の財政」を作成する予定です

2023(令和5)年度一般会計決算状況

一般会計・特別会計とは?

 「一般会計」とは、市の予算のうち、福祉・教育・土木など行政運営に必要なお金の会計のことです。これに対し、国民健康保険事業や下水道事業など特定の事業のお金は「特別会計」として、別に会計しています。


 一般会計決算の歳入総額は1,740億5,139万円、歳出総額は1,681億7,687万円で、歳入歳出差引額は58億7,452万円となり、翌年度へ繰り越すべき財源2億7,528万円を差し引いた実質収支は55億9,924万円となりました。

歳入は前年度より約53億円減少しました

 歳入の根幹をなす市税収入は、個人市民税などが増加し、総額で861億2,325万円、前年度に比べ2.1%の増収となった一方、国庫支出金などが減少となったことなどから、歳入全体では前年度に対し2.9%、52億7,898万円の減少となりました。

  • 消費税引き上げによる増収分(地方消費税交付金)は、年金・医療・介護・子育て、その他社会保障施策に使われています

歳出は前年度より約56億円減少しました

 新型コロナウイルス感染症の法的位置付けが5類感染症に移行後も、引き続き感染拡大防止対策に取り組むとともに、物価高騰対策や持続可能な都市機能を充実させるための都市基盤整備事業、デジタル推進事業にも注力しました。前年度に対しては3.2%、56億3,814万円の減少となりました。

  • 森林整備・促進に活用するために国から配分された森林環境譲与税は、樹林地復元に使われました

市の借金は全体で約1,305億円です

 道路・学校などの公共施設を整備するために、国などから借り入れる資金を市債といいます。2023年度に借り入れた市債は、一般会計で53億4,470万円、全会計では87億2,340万円です。また借り入れた市債の年度末残高(元金)は、一般会計で740億102万円、全会計では1,305億4,265万円となり、前年度と比較して一般会計で36億564万円減少、全会計では50億6,348万円減少しています。

 全会計の市債残高を市民1人当たりにすると29万3,241円となります。

市の決算を「市民1人当たり」で考えると?
税金の負担額は約19.3万円、市民サービス額は約37.8万円です

 市税収入総額を人口(2024年1月1日現在44万5,172人)で割り算すると、市民1人当たりの市税負担額は19万3,461円と算出できます。

 また一般会計歳出総額を人口で割り算すると市民1人当たりが受けた市民サービス額は37万7,780円と算出できます。

  • 基金などその他決算の詳細は市のホームページの財政課のページをご覧ください

 ふるさと納税制度の寄附金税額控除により、2024年度の市民のために使われる市税収入は約24億4,000万円減少となりました。


このような事業に重点的に取り組みました

 2023年度に実施した主な事業(継続事業を含む)は次の通りです

総務費 事業費
    市民等からの問い合わせに一元的かつワンストップで対応するコンタクトセンターを開設
2億1,525万円
    津波避難施設整備に向け、片瀬海岸3丁目の土地を購入、基本・実施設計を実施
2億3,151万円
環境保全費 事業費
  • 太陽光発電システムなど地球温暖化対策設備に対する補助事業の実施
2,119万円
民生費 事業費
  • 物価高騰による家計への負担増を踏まえ、特に影響が大きい低所得世帯に対する給付金を支給
47億9,630万円
  • 重度障がい児者の地域生活を充実させるため、短期入所利用促進事業など、障がい者地域生活サポート事業の実施
5,008万円
  • 障がい児者一時預かり事業では、新たに北部の事業所に看護師を配置し、訪問入浴事業では対象を12歳未満の障がい児に拡大
7,991万円
  • 中学生の医療費助成に係る所得制限を撤廃し、中学生までの保険診療に係る医療費を助成
21億5,901万円
  • 77カ所の児童クラブの運営を支援し夏休み期間にはサマースクールを実施
10億845万円
衛生費 事業費
  • 妊産婦健康診査、産後ケア事業、出産・子育て応援事業を実施したほか、新たに新生児聴覚検査および多胎妊婦への妊婦健康審査費用5回分の助成を実施
6億1,375万円
  • アピアランスケアとして、新たに、ウィッグや胸部補整具の購入費等の一部助成を実施
427万円
  • 石名坂環境事業所大規模整備のため、生活環境影響調査を実施
1,309万円
労働費 事業費
  • 若者しごと応援塾「ユースワークふじさわ」の運営、就労支援・資格取得講座、湘南合同就職面接会を実施
2,901万円
農林水産業費 事業費
  • 市内農業の新たな担い手や農業後継者、福祉施設と連携する農業者等を対象に支援を実施
2,252万円
  • 各種農畜産物生産資材等の価格高騰を踏まえ、市内農業者に対し経費補助を実施
1億7,748万円
商工費 事業費
  • 市内の店舗・事業所等でキャッシュレスポイント還元事業を実施
5億8,065万円
  • 外国人観光客の誘致やエノシマトレジャーなどの観光プロモーション事業を実施
7,538万円
土木費 事業費
  • 安全対策が必要な交差点に車止めの設置、保育所等の周辺にキッズ・ゾーンの路面標示、新林小学校前に歩行者横断点滅機を設置
1億3,397万円
  • 旧桔梗屋の長期的な活用に向け、公民連携手法の導入に係る検討等に取り組むとともに、地域と協働した短期的な活用イベント
を実施
1,290万円
  • 藤沢駅南北自由通路拡幅整備事業の小田急側の第1期整備工事に着手
5億418万円
  • 村岡新駅周辺における新たな都市拠点の創出に向け、工事等の着手に向けた取り組みを実施
5億601万円
  • 善行長後線(六会工区)未整備区間開通に向けた街路築造および交差点改良工事の実施
5,200万円
消防費 事業費
  • 効果的・効率的な現場活動のため、119番通報時の映像通報システム、救急活動におけるタブレット端末の導入など消防業務のデジタル化を実施
2,977万円
教育費 事業費
  • 学習指導員を派遣し、補習指導や不登校児童生徒に対する別室指導等の学習支援事業を実施
796万円
  • 大越小学校・羽鳥小学校特別支援学級開設の準備
861万円
  • コミュニティ・スクール(学校運営協議会)を15校から26校へ拡大して設置
77万円
  • 老朽化とバリアフリー環境の改善のため、村岡公民館改築工事に着手
9,862万円
  • 図書館情報システムとデータベース検索などの環境整備、電子図書サービスのコンテンツを拡充
4,147万円

2023(令和5)年度特別会計の決算状況

主な特別会計の決算概要

 2023年度の特別会計は7会計ありますが、市民の皆さんに関わりの深い4会計の決算概要をお知らせします。

国民健康保険事業

 被保険者の疾病・負傷・出産などに対する保険給付費は前年度より0.3%、約8,000万円の増加となりました。歳入に占める保険料収入の割合は約23%で、保険給付費総額を年間平均被保険者1人当たりで見ると約32万4,000円でした。

保険給付費 249億5,613万円
国民健康保険事業費納付金 124億1,800万円
総務費ほか 7億7,011万円
歳出合計 381億4,424万円

国民健康保険料 86億5,399万円
国庫・県支出金 252億5,953万円
繰入金ほか 43億7,150万円
歳入合計 382億8,502万円

介護保険事業

 介護認定を受けた方が利用した介護サービスに対する保険給付費は前年度より4.1%、約12億円の増加となりました。2024年3月31日現在で要支援・要介護認定を受けている方は2万2,497人となっています。歳入に占める保険料収入の割合は21.6%でした。

保険給付費 303億3,835万円
地域支援事業費 14億7,870万円
総務費ほか 12億9,073万円
歳出合計 331億 778万円

介護保険料 72億1,113万円
国庫・県支出金 116億960万円
交付金・繰入金ほか 145億3,486万円
歳入合計 333億5,559万円

下水道事業(公営企業会計)

 生活環境の改善、雨水の排除による浸水の防除および公共用水域の水質の保全を図るため、下水道の整備・維持管理を行いました。年度末の下水道処理人口普及率は96.1%となりました。

建設費 38億8,367万円
企業債償還金・利息 42億2,779万円
維持管理費ほか 114億7,015万円
支出合計 195億8,161万円

下水道使用料 68億1,836万円
国庫補助金 9億2,780万円
繰入金・企業債ほか 85億5,461万円
収入合計 163億77万円

市民病院事業(公営企業会計)

 地域の基幹病院として、市民が安心して受けられる医療の提供に努め、入院患者数は延べ15万9,350人、外来患者数は延べ30万546人となりました。施設整備面では、MRI(磁気共鳴画像診断)装置やX線CT組合せ型SPECT装置等の医療器械・備品の更新を行うなど、より質の高い検査・治療を行う環境を整えました。

医業費用 216億4,545万円
資本的支出 17億9,929万円
医業外費用ほか 6億8,536万円
支出合計 241億3,010万円

入院収益 131億7,558万円
外来収益 58億3,592万円
繰入金・その他医業収入ほか 35億1,485万円
収入合計 225億2,635万円

2023(令和5)年度決算の指標など

財政健全化法による健全化判断比率などの算定結果

 地方公共団体の財政の健全化に関する法律に基づく健全化判断比率および公営企業の資金不足比率の算定結果は右表のとおりです。

 2023年度決算に基づく本市の健全化判断比率は、いずれも基準を下回り、公営企業についてもいずれも資金不足を生じていないため、国の財政指標では「健全」であることを示す結果となりました。

決算審査結果(概要)藤沢市監査委員

 審査に付された一般会計・特別会計決算書および政令で定める書類の様式と記載事項は、通常実施すべき監査手続きおよびその他必要と認めた監査手続きを適用し審査した限り、重要な点において関係法令に準拠して適法に処理され、かつ正確に表示されているものと認めた。また、歳入・歳出は、おおむね予算どおりに執行されているものと認めた。

 本年度の一般会計・特別会計を合算した実質収支は、黒字となっており、現状において特筆すべき財政上の問題は存在しない。

 本市が今後も住民サービスの質・量を維持しつつ持続可能な行財政運営を行うために、着実な歳入確保対策の実施に加え、エビデンスに基づく政策形成による投資の最適化や財政余力の創出という視点に立ち、丁寧な効果分析や施策へのフィードバック等を踏まえた各種行政計画を推進するとともに、内部統制制度の実効性を高めながら業務に潜むリスクの発生抑制に向け組織一丸となって取り組み、引き続き市民に信頼される市政運営を推進されたい。

 また、公営企業会計の決算諸表および附属書類の様式と記載事項についても同様の手続きを適用し審査した限り、重要な点において関係法令に準拠して適法に処理され、かつ正確に表示されており、本年度の経営成績、年度末の財政状態およびキャッシュ・フローの状況を適正に表示しているものと認めた。また、収益的収入・支出、資本的収入・支出についてもおおむね予算どおりに執行されているものと認めた。

健全化判断比率等の審査結果(概要)藤沢市監査委員

 審査に付された健全化判断比率およびその算定の基礎となる事項を記載した書類ならびに決算に基づく公営企業に係る資金不足比率およびその算定の基礎となる事項を記載した書類は、いずれも適正に作成されているものと認めた。また、是正改善を要する事項は特にない。

問い合わせ

 監査事務局【電話】内線5412、【FAX】(22)7574

統一的な基準による藤沢市貸借対照表

【資産や負債の状況が分かります】

 貸借対照表とは、市がこれまで整備した学校・道路など公共施設の保有状況や、市が持っている現金・債権などがどのくらいあるか、またこれらを整備するために借り入れた負債がどのくらいあるかなどを示したものです。

 昨年度と比較すると、資産、負債、純資産がそれぞれ減少しました。