広報ふじさわ2026年8月10日号

今年、八部公園に保存されている蒸気機関車「しおかぜ号」は、誘致・保存から50周年を迎えます。子どもたちの手で大切に守られてきた「しおかぜ号」とSL広場に込められた思いなどを紹介します。
八部公園に保存されている蒸気機関車C11-245号機。この蒸気機関車(SL)を市が誘致したのは1976年です。SLが各地から姿を消していく中で、本物のSLを藤沢に残したいという気運が高まり、署名運動によって誘致・保存が実現し、公園の一角がSL広場として整備されました。お披露目を迎えた76年10月1日、広場には多くの人が詰めかけ、SLの周りは子どもたちでにぎわいました。
このSLは「しおかぜ号」と名付けられ、清掃保存活動には大人だけでなく多くの子どもたちが集まりました。そこで結成されたのが「藤沢SL少年団」です。ところが子どもたちはSLが動く仕組みを知りません。そこで、実際に動く姿を見て、触れて、乗れるSLとして用意されたのがミニSLでした。
誘致・保存から4年後、「しおかぜ号」の周りに軌間127mm、1周166mのレールが敷かれ、ミニ鉄道が開通しました。ミニ鉄道は、本物と同じ仕組みで、石炭を燃やして水を沸騰させ、そこで生じる蒸気圧を使って走ります。
毎月第2日曜日の定例活動では、藤沢SL少年団の団員がミニ鉄道の運転会を運営しています。運転士や車掌はもちろん、きっぷを発券する出札係、きっぷに入鋏(にゅうきょう)する改札係など、全員がそれぞれの役割を果たすことでミニ鉄道が動き、たくさんの方を楽しませています。
藤沢SL少年団は、鉄道が好きな子どもたちが集まり、自身の意思で活動し、先輩から教わりながら仲間と共に考え、それを後輩へ伝えていく場です。どうすれば「しおかぜ号」をきれいに保てるか、ミニ鉄道を安全に走らせられるか、もっと楽しい運転会にできるかを皆で知恵を出し合い、手を動かして試行錯誤を繰り返しています。この50年の間に400人を超える団員がこの活動のバトンを繋ぎました。
誘致・保存から半世紀、「しおかぜ号」とミニ鉄道は子どもたちにさまざまな体験の機会を創出し続けています。