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更新日:2019年10月11日
2017年(平成29年)11月 教育長の窓 No.157
『子どもたちの夢をかなえる給付型奨学金制度』
朝晩冷えこむようになり、道行く人たちの服装は、秋を通り越して冬を思わせるようになりました。インフルエンザによる学級閉鎖が心配な時期でもあります。
小学校の運動会が9月末から10月にかけて行われ、鼓笛の演奏に合わせての入場行進や元気いっぱいの応援合戦、ぼんぼんを小道具として使ったかわいいダンス、迫力ある騎馬戦、徒競走、リレーなどを観てきました。一生懸命に演技をしたり走ったりする姿に拍手をおくりました。また、閉会式では、子どもたちがどきどきしながら得点結果を持つ様子にも触れました。どの種目も、子どもたちが元気に楽しく活躍する姿に、私も元気をもらってきました。
こうした子どもたちの姿を見るにつけ、今後も、子どもたちには、学校生活を楽しみ、自分の目標や夢に向かって進んでほしいと願っています。昨今、「子どもの貧困」が、社会問題として取り上げられるようになりました。貧困には、相対的貧困と絶対的貧困とがあり、相対的貧困は、見えにくい貧困といわれています。絶対的貧困は、生きるために最低限必要な衣食住が満ち足りていない状態で、途上国等で飢餓に苦しんでいる子どもたちであり、相対的貧困は、世帯の所得がその国の全世帯の中間値の半分に満たない状態のことをいいます。日本においては、相対的貧困の家庭にある子どもの率が、子どもの貧困率であり、国の2016年国民基礎調査によれば、7人に1人が貧困といわれています。
「経済的困窮」が子どもたちに及ぼす影響は様々あります。学習や教育機会の制約、ライフチャンスの制約など、進学や就職の選択肢が狭められ、貧困の世代間連鎖により、次世代の子どもも貧困に陥る可能性が高くなるという実態があります。子どもが生まれ育った環境によって、その将来を左右されることがないようにするため、「子どもの貧困対策」が重要課題となっています。
教育委員会では、市内公立小中学校に通う児童生徒がいる一定所得以下の世帯に対して就学援助を行う「要保護・準要保護児童生徒援助事業」にこれまで取り組んできました。さらに、今年度、新たな取組として、子どもたちが、生まれ育った環境に左右されることなく就学の機会を得られるようになり、希望を持って学んでいくことができるようにとの願いのもと、「給付型奨学金制度」を創設しました。
給付対象者としては、申請基準日時点で、藤沢市に1年以上住民登録があることのほか、世帯の状況、学力や資質を条件としています。
なお、給付人数は、1年度あたり3名程度で、給付額については、入学金相当の入学準備金奨学資金として1回30万円以内、授業料相当の学費奨学資金として月額6万円以内とし、1人年額102万円以内となります。さらに、奨学金を受給している間、年4回程度、奨学金給付対象者と担当者が面談を行い、学業の状況や日々の生活の状況などについて丁寧に対応することとしています。
教育委員会では、より多くの子どもたちに、この機会を提供できたらとの願いのもと、「藤沢市教育応援基金」を設立しました。みなさまから、寄付をしていただくことで、対象の人数を増やすことができたらいいと思っています。そのため、今までに、各企業や諸団体のみなさまや個人のみなさまにも、「藤沢市教育応援基金」の周知を図り、協力を求めているところです。また、教育総務課に募金箱を設置し、募金を募るとともに、11月3日に行われました教育文化貢献者感謝会においても、会場においでいただいたみなさまに募金を募らせていただきました。ご協力、ありがとうございました。
また、「ふるさと納税」としても、寄付することは可能です。教育委員会では、今後も、より多くの寄付をしていただけるための方策や簡単な仕組みを工夫するとともに、募金活動にも力を入れていきたいと考えています。
市民のみなさま、どうぞ「藤沢市教育応援基金」の趣旨をご理解いただき、子どもたちの未来のために、ご協力をよろしくお願いいたします。
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