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更新日:2019年10月11日
2018年(平成30年)2月 教育長の窓 No.160
『生徒自らが取り組むいじめ防止』
新庁舎に移ってから一ヶ月が過ぎました。教育部5課が同じフロアーで、今まで以上に、スムーズな連携を図りながら業務を進めています。
1月の終わりに降った雪は校庭を銀世界に変え、市役所の近くの学校では、子どもたちが雪合戦を楽しんでいました。元気な子どもたちの姿は、大人にも元気を与えてくれます。子どもたちが笑顔で学校に通い、たくさんの人と関わりながら成長していくことは、教育委員会の願いでもあり、その願いを具体化する手段の一つとして、「藤沢市子どもをいじめから守る条例」があります。この条例は、いじめを許さない風土や文化をつくり、市民みんなでいじめのない社会の実現をめざすことを目的として、平成27年に策定しました。
この条例の特徴は、子どもをはじめ市民のみなさまに親しみやすく、わかりやすくするために「ですます調」とし、第4条では、「自分を大切にしましょう。」「他の人を思いやり、大切にしましょう。」「いじめを受けたとき、またはいじめを見たり聞いたりした時は、一人で悩まずに、家族、友だち、学校、市、関係機関に相談しましょう。」と子どもたちに呼びかける文章にしていることです。子どもたち自身に心がけてほしいことを掲げ、「いじめはしない、させない、ゆるさない」という思いをもって、日々の学校生活をすごして欲しいという願いをこめた条文です。
そして、条例の理解を図るため、「いじめから守るために 条例ではこのように定めています」という小学校低学年用、小学校高学年用、中学生用リーフレットを作成し、児童生徒に配布しています。
また、中学生自らがいじめ防止について考える機会として、教育委員会では、毎年1月に「ストップ いじめ!中学生の集い in ふじさわ」を開催しています。藤沢市立中学校19校の生徒会役員が一堂に会して、それぞれの学校において取り組んでいる、①いじめ防止対策等、②よりよい学校生活をすごすための活動、③仲間づくりのための活動についての意見交換会を行っています。具体的には、19校の参加者を、異なる6校が参加する8グループに分け、それぞれのグループで意見交換を行います。グループでは、自分の学校の活動の様子を発表し、その後、他の学校が質問や感想、意見を述べ合うのですが、日頃の自分たちの活動についてわかりやすく図や表にまとめ、自信を持って説明している様子に、さすが、各学校の中心となって活動している生徒会役員だと感心しました。また、より良い学校生活を過ごすためにどうすればよいのかを自分たちで考え、知恵を出し合い、取り組んでいることがよくわかりました。
お互いに顔見知りになりコミュニケーションをとりやすくするための「あいさつ運動」、意見・要望・いじめなどの悩みなどを受け付けてより良い学校生活を過ごすための「目安箱や意見箱」の設置は、多くの学校で取り組んでいました。また、各種レクリエーション大会の開催や体育祭での生徒会種目としての「部活動対抗リレー」の実施、被災地復興支援のための「ひまわりプロジェクト」、放課後にスクールカウンセラー役の生徒が悩みを抱える生徒の相談を受ける「スクールバディ」などの取り組みもありました。どの活動も、生徒同士が知り合うことで、交流の和が広がり、学校全体としての絆が深くなることをめざしていることが伝わってきました。話し合いの中では、「あいさつ運動のボランティアの人が集まらない」「目安箱に入っていた意見について、回答することが難しい」といった悩みも聞かれましたが、会が終わることには、「あの学校の活動がいいよね」「うちの学校でも行ってみたい」という声も聞かれ、これからの生徒会活動の輪がどのように広がっていくのか、とても楽しみになりました。
生徒たち自身が、自分たちの学校をみつめ、考え、すべての生徒が「楽しく」過ごせるために「どうすべきか」を話し合い、実行しあうことこそが「いじめ防止」の大きな力になると思っています。
子どもたちが、持っている力をいかんなく発揮できるように、教育環境、生活環境、社会環境を整えることが、学校、教育委員会、行政や地域の務めであり、家庭環境を整えることは、保護者のみなさまの務めであると考えています。
これからも、市民のみなさまの大きな「人の和」の中で、子どもたちを育んでいくことができますよう、ご支援・ご協力をよろしくお願いいたします。
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