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更新日:2019年10月11日
2018年(平成30年)12月 教育長の窓 No.170
『「人権週間」によせて』
今年も残すところ3週間となり、街は、イルミネーションに彩られるなど、華やかな雰囲気に包まれる頃となりました。
10月、11月には、さまざまな文化・スポーツの集いが開催され、そこで、一人ひとりの皆様の輝く姿に出会いました。「やりたいこと」を見つけ、「うちこむ」ことのできる喜びが表情にあふれていました。また、そこには、お互いを認め合う雰囲気があり、人の和を感じました。
さて、12月4日から10日までは、「人権週間」です。この取組は、国際連合が、世界における自由、正義及び平和の基礎である基本的人権を確保するために世界人権宣言を採択した1948年(昭和23年)12月3日を記念して、その2年後の1950年に、同日を「人権デー」と定め、すべての加盟国や関係機関が、人権活動を推進するための諸行事を行うよう要請する決議をしたことに由来します。日本においても、1949年(昭和24年)から、毎年12月10日までの1週間を「人権週間」と定め、普及・啓発を図るための啓発活動が行われています。
中学生による「全国中学生人権作文コンテスト」もその一つです。このコンテストは、今年で38回目を迎え、藤沢市では、私立を含む20の中学校から、2211編の応募がありました。全作品の中で最も多く取り上げられたテーマは、やはり、「いじめや児童虐待などの子どもに関する問題」で、全体の25%を占めており、その後に、「戦争と平和」、「障がいのある人」、「差別問題一般」と続きます。そして、この全作品のうち、学校から推薦された92編の作品が、藤沢市人権擁護委員会に届けられ、人権擁護委員の皆様の審査において、市長賞6編、教育長賞6編、優良賞9編が選ばれ、「中学生人権作文集」として発刊されます。
私も作文集を読みましたが、綴られた一つひとつの作品には、中学生の目線で捉えた「人権」についての思いがあふれ、大人の私も考えさせられることがたくさんありました。特別支援学級に通う同学年の仲間とともに過ごすうち、一人ひとりの得意なことを生かすことの大切さを感じたこと、「認め合い」が人と人との関わりの重要な初期段階であることを気付かされたことを綴った作文、差別がなくなる日を信じて、その一歩として「相手を知ること」を続けていこうと述べた作文、戦争や児童虐待をなくすためには、どうすればよいのかを考え、提唱してくれた作文、「私の普通とあなたの普通は違う。それを、私たちの普通にしよう」という愛知県のポスターの言葉を引用し、普通とは何かを考えた作文もありました。
藤沢市人権擁護委員会の松岡委員長は、「中学生人権作文集」の巻頭言で、人権作文コンテストの「コンテスト」の原義は、「共に証言すること・共に考えること」と定義され、コンテストを「問題を提起し、共に考える機会」と捉えることができると書いています。どの作文も、自分の経験や身近な人との関わり等を通して気づいたり感じたりした「自分の願いや思い」を、「自分の言葉」で書いているからこそ、読む人の心に響き、「共に考える機会」を与えてくれているのだと思いました。
この「中学生人権作文集」は、市役所の人権男女共同平和課や市民相談情報課の市政情報コーナー、各市民図書館でご覧になれますので、ぜひ、各施設にお越しになる機会がありましたら、お手に取ってみてください。
藤沢市教育委員会では、「ともに学び、ともに育つ」子どもたちの育成をめざしています。一人ひとりの子どもたちが、一人ひとりの良さを認め、違いを認め、「ともに生きる」ことを願ってやみません。
一年が終わります。今年も、子どもたちや学校が大変お世話になりました。今後ともご指導、ご支援をよろしくお願いいたします。
よいお年をお迎えください。
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