平成18年度決算審査のあらまし
No187
9月定例会
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  議案 常任・特別委員会 一般質問 決算審査のあらまし お知らせ
◆平成18年度決算審査のあらまし
 

 平成18年度一般会計及び12特別会計決算のあわせて13認定議案(総額2330億3736万8514円)は、9月25日に設置された決算特別委員会において、9月26日、27日、28日、10月1日及び2日の計5日にわたり審査が行われました。
  その結果、10月4日の本会議で全決算が認定されました。
  ここでは、決算特別委員会の審査の概要をお知らせいたします。


多重債務者問題
専門相談員の派遣を要請
  気軽に相談できる窓口へ

質問 本市における平成18年度の多重債務者の相談件数と全体の相談に対する割合はどのくらいか。
答弁 本市における18年度の多重債務に関する相談件数は252件で全体の1.8%となっている。 全国の多重債務者数を本市の人口に換算すると、潜在的な多重債務者数は約7200人と推定され、この数は相談者数の約29倍となっている。
  多重債務者問題については、まず相談を受けることであり、多重債務に悩む市民に対していつでも気軽に相談が受けられる窓口があることをホームページや広報などを通じて周知を行っている。
質問 国は多重債務者問題改善プログラムを策定し、その中で市町村に相談窓口の充実を求めているが、どのように取り組むのか。
答弁 神奈川県では、来年度から横浜弁護士会等の協力を得て、希望する市町村に対し専門相談員を派遣することを予定している。本市では、県並びに横浜弁護士会等に専門相談員を要請し、市民相談課の相談室において予約制で月1、2回程度の相談を考えている。

湘南国際マラソン
総括と今後の方針は

質問 3月に開催された湘南国際マラソンの総括と、今後の方針・課題について聞きたい。
答弁 湘南国際マラソンは民間主導で企画され、神奈川県の陸上競技協会、藤沢市スポーツ振興財団や多くのスポーツ関係団体、あるいはボランティアの協力を得る中で実現に結びつけたすばらしい大会であったと認識している。大会後に開催された実行委員会では、天候に恵まれたことが一番の成功の要因であったという意見が多く、また、この大会の効果としては、経済・観光振興でのPRや地元のスポーツ振興にとって意義があったと評価している。
  今後の方針と課題としては、実行委員会から、引き続きこのコースで開催の提案があるが、雨天の場合、1万人を超える参加者の更衣室や荷物置き場などのテント設営を考えると、江の島を起点とした大会運営は非常に困難であるため、起点となる箇所を変更し、新たなコースを設定していく中で、第2回大会の開催についての検討が現在進められている。

公園バリアフリー化
順次整備を進める

質問 街区公園において平成18年度にバリアフリーの観点から改修された公園は何カ所あったのか。また、今後の改修計画について聞きたい。
答弁 公園のバリアフリーについては、現在、街区公園238公園のうち、車止めの間隔等が90センチメートル以上であるとか、段差がないなどの入り口がバリアフリー対応になっている公園は、136公園である。
18年度は、十二天公園入口のバリアフリー化を実施し、19年度も、引き続き渋谷ケ原公園と湘南台公園のバリアフリー化を進めている。今後も、公園の修繕工事に伴い、整備が必要な箇所について順次進めて行きたい。

平成19年度にバリアフリー化された湘南台公園
平成19年度にバリアフリー化された湘南台公園

 

小児医療費一部負担金
市で負担の考えは

質問 小児医療費助成制度について、一部負担金が導入されると、3歳以上から1受診ごとに200円徴収され有料となるが、その一部負担金を市が負担した場合、どれくらいの金額となるのか。
答弁 現在、一部負担金の助成を行うことは考えていないが、市が負担した場合の歳入減は約3600万円と見込んでいる。
質問 無料が有料となることは、子育て世代には大きな負担となるが、今後どうするのか、なぜ市が負担できないのか。
答弁 近年、応益負担という考え方が一般的になってきている中で、先日、神奈川県が一部負担金導入の考え方を示している。 一部負担金については、県内一斉あるいは他の医療助成制度と同様の取り扱いを行わないと、利用者や医療機関に混乱が生じるため、県内市町村と足並みをそろえる形で、今後、見直しを検討していきたい。

情報セキュリティマネジメントシステム
ISO27001認証取得
職員の意識改革を図る

質問 平成18年度に認証取得した情報セキュリティマネジメントシステム(ISO27001)について、取得に要した費用とその効果について聞きたい。
答弁 ISO27001の認証取得に要した経費は、登録・審査手数料が115万4965円、専門業者によるコンサルタント経費が315万円、合計で430万4965円である。これによる効果は、情報セキュリティ関係の危険度の分析、評価を行うことができるということである。情報資産の重要度、あるいは危険度の分析評価の結果を数値的に表すことで、これに基づく有効な対策を実施することができるようになったことが大きなものである。そのほかに、責任の明確化、業務作業記録の確実な保存、PDCAサイクルによるセキュリティ対策の確保・向上などが挙げられ、職員の意識改革につながった。

従事者の後継者不足
荒廃地の現状は

質問 農業従事者の高齢化と後継者不足から、耕作放棄による荒廃地が存在していると思うが、荒廃地の現状と取り組み状況、今後の対策について市の考え方を聞きたい。
答弁 平成17年の農業センサスによると、農家の耕作放棄地面積は47ヘクタールで、5年前の48ヘクタールから比べ1ヘクタール減少し、この面積は市内の農地面積1207ヘクタールの3.9%に相当する。
  本市は従来から、荒廃地の解消を農業委員会と連携し、取り組んでいる。
  17年9月には農業委員会と遊休農地の対策委員会を立ち上げ、翌年1月の現地調査の結果、市内6地区を集団的な遊休農地としてリストアップした。18年3月には所有者に対して、農地への復元要請を行い、全体の25%、1ヘクタール余りが農地として復元是正された。
  さらに、今年度は、大庭地区でJAさがみ藤沢農業経営士協議会の協力を得て、片瀬中学2年の生徒約150名が3000平方メートル余りの荒廃地の田んぼを開墾し、カボチャ・大豆・ジャガイモを栽培した。 来年度は米づくりに挑戦する予定であり、食育、そして農業理解を促進するための教育ファームとして現在、活用している。
  また、市民農園は、遊休農地の有効利用のひとつの方策と考えている。
  今後の荒廃地対策としては、優良な農地が意欲的な農業者へ利用集積されることで農業が維持され、営農を支援するということを基本にしながら、生産者団体、農業委員会、JAさがみなどの協力を得て、食農教育や地産地消、地域の活性化など、農業振興を基本とした有効活用を図っていきたい。

 

荒廃地対策のひとつでもある市民農園=遠藤ふれあい農園
荒廃地対策のひとつでもある市民農園=遠藤ふれあい農園


◆決算に対する各会派の要望・意見
 

日本共産党藤沢市議会議員団は、13会計決算のすべてを認定せず、その他の会派は、全決算を認定しました。

健全財政を維持しさらなる改革を
藤沢進政会 11人

  1. 公共サービスの低下を招かず、健全財政を維持し、さらなる改革を要望する。
  2. 出資法人改革は急務の課題であり、法人の設立目的と業務評価の検証、経営状況の審査と法人職員の意識改革を行うことは肝要であり、出資団体将来像最終案がスケジュールに沿って達成されることを要望する。
  3. 市民センター、公民館には、地域ニーズに適切に対応するよう適正な職員配置など、地域分権の視点から効果的な活用を。
  4. 税、料等収入確保緊急対策本部会議を中心に、職員一丸となって滞納整理に取り組んだ結果、徴収率が過去14年間で最高となる98.82%となったことは、特に評価する。
  5. 持続可能な社会保障制度の継続や、セーフティネットの構築を行うことなど、国、県に働きかけるとともに、職員の英知を結集し、健全財政を維持する中で、福祉、保健施策の充実を要望する。
  6. 防犯活動は、地域にとって重要なことであり、今後とも市民と協働して一層の防犯対策に取り組むこと。
  7. 自転車利用の多い中学、高校生に対し、警察と連携し交通安全教室を推進すること。
  8. 藤沢の今後百年の計に立ち、エスカレーターの設置等を含め、藤沢駅周辺の将来構想の検討を要望する。
  9. 新産業の森には、早急に地権者との調整を図り、短期間に企業誘致が実現できるよう積極的な投資を要望する。
  10. 宮原耕地を含め、荒廃地の活用について、早急に検討すること。
  11. 立地条件の良い都市農業を生かし、かつ農業者が収入を得る手段を選択できる仕組みを構築し、市街化調整区域の地区計画制度の導入や、開発許可制度の運用など、農業政策への積極的な取り組みを要望する。
  12. 地球温暖化防止対策には、引き続き調査・研究を進め、市民との協働で代替エネルギーの利用や、温暖化の原因物質の削減に積極的に取り組むよう要望する。
  13. 市内の小中学生が特色ある小中学校において、情熱と経験があり指導力に長けた教師の教えを受け、また、経験豊富な地域の方にも支えられ、産業の学習、安全マップづくり、職業体験など多様な取り組みが行われていることは、広い視野を持ち、自ら創意工夫に取り組む人材を育てることにつながる。このことが、藤沢という郷土を愛し、地域を活性化し、豊かにしていくこと、ひいては日本という国を愛する人を育てると考える。今後とも、物事を根本から考える人材を育てる意識を持って、取り組むよう強く要望する。
  14. 市長は、平成8年に就任以来、市税収入が9年度の790億円をピークに、年々急激に減少し、15年度には690億円まで低下する中で、将来世代への負担を残さないための健全財政を18年度まで一貫して維持していること、また、財政基盤構築のため臨時財政対策債の活用や、まちづくり交付金、地域住宅交付金の活用を積極的に行い、公共サービスの充実を図った。また、必要な福祉サービスも低下させることなく、少子高齢社会への対策も独自の政策を講じるなど、弱者の立場に立った市政運営を推進してきたことを高く評価する。

行政改革課題の引き続きの推進を
さつき会 7人

  1. 人事管理と人件費等について、現在第三次行政改革の課題等で取り上げられている改革を引き続き推進することを強く要望する。
  2. 行政評価システムについて、第三者による外部評価は、外部評価審査会委員の専門性を積極的に活用し、他の自治体との評価比較を強化するとともに、外部評価の結果を次年度事業に適切に反映できるような仕組みを実現すること。
  3. 公共施設の整備は、効率的、合理的に進めること。
  4. 県市町村電子自治体共同運営協議会に参加していることから、電子申請等の手続きを拡大し、事務の効率化を推進すること。
  5. 指定管理者に委託されているこぶし荘について、市は、今後とも利用者の声を聞きながら、より使いやすい施設となるよう改善に取り組むこと。
  6. 分園化等による保育所の増設や、病後児保育、休日保育などの特別保育の充実を推進し、安心して子育てできる環境の充実を。
  7. ごみ減量化には、生ごみや雑紙の再資源化、マイバッグ運動、容器包装の簡略化に向けて一層の努力をすること。
  8. 教育資金利子補助制度の積極的な周知と、さらなる拡充に向けた取り組みを。
  9. 都市近郊の農業振興には付加価値を高めることが重要であり、国、県の動向を踏まえ、積極的な農業振興を強く要望する。
  10. 海岸の安全を確実なものにするため、ライフセーバーが消防や警察としっかり連携し、充分な訓練と安全管理、救助活動ができるように支援することを強く要望する。
  11. 新産業の森構想は、周辺環境と調和した秩序を保った誘致を行うことを強く要望する。
  12. 負担公平の原則から、税、料等収入未済額の縮減に向け、さらに努力すること。
  13. 監査が競輪事業の今後の展望を憂慮し、事業からの撤退を前提にした協議を求めていることを受けて、具体的な検討を行うこと。
  14. 中央卸売市場は地方卸売市場へ転換し、経営努力をしているが、再建がままならぬ場合は廃止も視野に入れ検討すること。

地球環境問題対策将来に備え体制整備を
藤沢市公明党 6人

  1. ヒートアイランド対策として、公共施設に設置した屋上緑化・壁面緑化の検証結果を反映させ、駐車場緑化整備も推進すること。
  2. 湘南CーXには、ベンチャー企業等の本格的な操業が可能となる新産業を集積する機能を設置すること。
  3. 特別養護老人ホームは、市が管理する土地を無償で提供するなど、整備を進めること。
  4. 小児医療費助成について、県の拡充に合わせ助成対象を拡充すること。
  5. 妊婦健診について、5回以上を公費負担すること。
  6. 多重債務者対策に専門相談員の派遣を。
  7. コールセンター設置に向け、4894(しやくしょ)といった分かりやすい番号に設定すること。
  8. 防犯対策として「地域安全マップ指導者養成講座」を開催し、市民を対象にした防犯シンポジウムを開催すること。
  9. 藤沢駅北口エレベーターの新規設置と、身障者用の接車スペースについて整備すること。
  10. 木造住宅の耐震化推進について、低所得者対策と、簡易工事案も提示すること。また、マンション耐震診断補助制度を構築すること。
  11. 災害時要援護者の個別避難支援計画が策定されるよう支援すること。
  12. 自主防災組織が行う避難所訓練を、運営しやすい支援費の支給方法について検討すること。
  13. 地方公会計制度改正の動向を注視し、発生主義に基づく制度改正に取り組む体制を整備すること。
  14. 学校現場で「いじめられている子」を守るため、「いじめレスキュー隊」を設置すること。
  15. 全児童へ「新体力テスト」を実施すること。
  16. 保寧市で行われている「マッドまつり」を本市の海岸でも行うこと。
  17. 地球温暖化対策として、CO2本位制経済の到来に向け、本市の体制を整えること。

国の制度を活用しさまざまな施策展開を
21社・民CLUB 4人

  1. まちづくり交付金制度や、総務省による地方支援制度など、国の制度を積極的に活用した施策展開を要望する。
  2. 工事契約の計画・設計を精査し、事業全体の費用を縮減すること。また、企業の社会的価値を高めるため、 政策入札制度を導入すること。
  3. 庁舎整備、定数の適正化など、職員の職場環境を整備すること。
  4. 航空機騒音対策の拡充とともに、米軍基地返還を国に強く働きかけることを要望する。
  5. より一層のごみ減量施策の推進を。
  6. 障害者就労支援の拡充をすべき。
  7. がん健診受診率の向上を図ること。
  8. 遊歩道周辺の施設整備を要望する。
  9. 公共交通機関のバリアフリー化を進めること。
  10. 市民病院は他の医療機関との連携を強化し、市内の救急医療体制を拡充するよう要望する。
  11. 特別養護老人ホームの設置は、13地区単位での設置基準を再考し、待機者を解消するよう施設建設を進めること。
  12. 保育園、学校校舎の耐震補強工事を早期に完了すること。
  13. 教材・教具購入費、消耗品費などの必要経費の増額と、各施設の裁量で使える予算措置を講じること。

市民生活に密着した20年度予算編成を
日本共産党藤沢市議会議員団 4人

  1. 国保料滞納者からの保険証取り上げはやめ、保険料の値上げは抑えること。
  2. 特別養護老人ホームの建設を急ぐこと。
  3. 白浜養護学校の生徒に対し、障がい者の就労支援策を強めること。
  4. ごみ有料化は市民と行政の協働を崩すため、無料に戻すべき。
  5. 指定管理者の経営状況を毎年、議会に報告すること。
  6. 住宅リフォーム助成制度を創設すること。
  7. 出産施設の整備、妊婦健診の公費助成の拡大を図ること。
  8. 小児医療費無料化は、県の財源を生かし、対象年齢の拡大を行うこと。
  9. 民営化を進める保育のあり方検討はやめること。
  10. 少人数学級の早急な実施を。
  11. キャンプ座間への米陸軍新司令部移転、横須賀への原子力空母の配備をやめさせること。
  12. 市民税減免制度の創設、国保・介護の減免制度拡充を。
  13. 財源はあります。財政調整基金20億円も積み立て、総額で68億円余りになっている。
    市民への増税分、17億6000万円は福祉や医療、教育環境などに回すべき。
  14. 来年度の予算編成は、大型開発優先の行財政運営を見直し、市民の暮らし優先になるよう求める。

市は税金を誰のために再配分すべきか?
市政市民派会議 2人

国の「税制改革」による市民税アップで、国民健康保険料増、幼稚園就園補助減など、様々なサービス低下につながったが、生じた格差を是正するきめ細やかな対応が不十分だった。一方、村岡新駅を前提としたプロジェクトが本当に必要なのか?いくら税金を投じるのか?市民に問うことなく非公開の密室で進められるのは問題

  1. 拙速に進めたごみ有料化もカラス対策袋などのムダが露見し、今後も様々な点で精査すべき。
  2. 江の島は、障がい者も頂上まで観光できるユニバーサルデザインでの整備を。
  3. 病後児保育新設の周知を図ること。病児保育も設置を要望。
  4. 防災訓練は自治会・町内会が自発的に推進できるよう啓発に努めること。

小児医療費助成拡大子育て支援策の充実を
湘光クラブ 1人

  1. 小児医療費助成の上限対象を未就学から小学3年生へ拡大することを強く要望する。
  2. 防犯カメラのさらなる増設を。
  3. 子育て支援センターは地域バランスを考慮し、市内4カ所に設置すること。
  4. 子育てハンドブックを民間と協働発行を。
  5. 市民会館利用料の支払いを振込払いにすること。
  6. 引地川、境川沿いの水害対策のさらなる研究・調査・整備を要望する。
  7. 老朽化し狭隘な六会中学校体育館を改築すること。

生ごみ堆肥化事業さらなる普及を
神奈川ネットワーク運動・藤沢  1人

  1. 藤沢小学校の生ごみ堆肥化事業をさらに普及させ、地域で施策を打ち出すこと。
  2. バイオガス化施設の検討を早急に進めること。
  3. 辻堂駅周辺地域都市再生事業は、南北一体化したまちづくりを。
  4. 地域包括支援センターの増設を。
  5. 一時保育、病後児保育、休日保育体制の充実を。
  6. 福祉施設も耐震診断補助を。
  7. 県内基地の縮小、返還を関係機関に求めること。
  8. 市民の合意の高い自治基本条例をつくること。

(以上、要旨を掲載)

平成18年度決算特別委員会
 

委員長 松長 泰幸
副委員長 松下賢一郎
委  員 加藤なを子
  〃   加藤 一
  〃   高橋 八一
  〃   浜元 輝喜
  〃   熊倉 旨宏
  〃   大塚 洋子
  〃   矢島 豊海