2011年7月25日号 広報ふじさわ…市民の広場  〔 3 / 3 page 〕


くろいわ ゆうじ 
1954年生まれ。
フジテレビ「FNNスーパータイム」
「報道2001」など数々の報道番組
キャスター、国際医療福祉大学
大学院教授などを経て、2011年、
神奈川県知事に就任。

第23回

100センチ対談

神奈川県知事

黒岩 祐治さん

市長

海老根 靖典

市民・県民の意識も変わっていきますね(海老根)

「かながわソーラープロジェクト」でエネルギー革命を

海老根 県では今「かながわソーラープロジェクト」として太陽光発電の普及に取り組んでいますよね。知事のお考えを聞かせていただけますか。

黒岩 入り口はエネルギー対策です。福島第一原発の事故が起きて、あれだけの電気が生まれなくなってしまった。喫緊の課題です。

海老根 計画停電の体験、あれはインパクトがありましたね。

黒岩 電力不足はずっと続くんですよ。放っておくと産業はメチャメチャになっちゃいます。危機はもう迫ってるんです。電力を補うために何があるかといえば「太陽光発電だ!」と。

海老根 具体的には、どういう目標でしょうか。

黒岩 4年間で200万戸分のソーラーパネルの設置を目指します。

海老根 200万戸分ですか。

黒岩 スピード感が大事なんです。エネルギー不足を補うために、一気に行きます。

海老根 本市では、現在633軒のご家庭が市の助成金制度を利用して、ソーラーパネルを設置しています。県では設置促進のために、さらに新しい制度を考えていらっしゃるそうですね。

黒岩 太陽光パネルを設置するにはお金がかかりますが、設置していただくと、発電した電力がお金を生む。そのお金でローンを返済していくというのが一般的ですが、これを促進するため、低利のソーラーローンをスタートしました。さらに設置時に費用がかかるという心理的負担を無くすため「かながわソーラーバンク」を設立して保証する仕組みができないか、検討をしています。

海老根 自宅で発電することによって、市民・県民の意識も変わっていきますよね。

黒岩 私は「エネルギー革命だ!」と言っているんです。今までは電力会社が作って一方的に送られていた電力を、自分たちも作って送る。テレビの時代からインターネットの時代になったのと同じで、これは革命ですよ。

地球規模で考えながら、身近なところで動く

海老根 本市は「メガソーラースクールふじさわ」ということで、市内の小・中・特別支援学校全てにソーラーパネルを設置しています。子どもたちの環境教育・エネルギー教育になりますし、なんと言っても災害があった時には学校に避難しますよね。災害時に電気が使えないと、何も機能しませんから。

黒岩 県内中の学校や病院をこういう風にしたいんですよ。「我が同志見つけたり」というところです。

海老根 それと、先日は「Fujisawa サスティナブル・スマートタウン構想」を発表させていただきまして。

黒岩 ええ、以前から注目しておりました。

海老根 パナソニックの藤沢工場跡地で、太陽光パネルや家庭用蓄電池を導入した、環境に優しいまちづくりをします。

黒岩 こういった町ができることで、環境都市の具体的なイメージができますね。

 実はね、僕にとって藤沢はゆかりの地なんです。

海老根 そうなんですか?

黒岩 中学生の時に両親が東京に転勤したんですが、その時に住んだのが藤沢だったんです。私は神戸に下宿していたんですが、夏休みや冬休みは藤沢に来て江の島で遊んだりしていました。

 この非常に愛着のある藤沢で新しい動きがはじまっていることは、とてもうれしいです。

海老根 大事なのは「ルック・グローバリー、アクト・ローカリー」だと思っています。地球規模で考えながら自分たちの身近なところで動いていくことが必要ですよね。

黒岩 世界中が環境、エネルギー対策に動き出している今、藤沢は光が当たっていますよ。みんなが「藤沢を見習おう」ということになれば、市民の皆さんも勇気が出るんじゃないですか。

海老根 私たちが今までやってきたことに理解のある知事が就任されて心強く思っています。これからもよろしくお願いします。

対談

電力を補うためには「太陽光発電だ!」と(黒岩)