住民参加型市場公募地方債
市政へ の参加意識の高揚を図る
総務常任委員会は、12月11日と19日に開催され、11日の委員会では、議案7件、陳情3件を審査した。
その結果、議案はすべて可決すべきもの、陳情は1件が趣旨了承、2件が趣旨不了承と決定した。
また、
(1)藤沢市のアスベスト対策に係る総括
(2)「(仮称)藤沢市自治基本条例」策定に向けた検討
(3)住民参加型市場公募地方債の発行・・・以上3件について報告を受けた。
19日の委員会では、議案1件を審査した。その結果、議案は可決すべきものと決定した。
〇住民参加型市場公募地方債の発行について
〈市の説明〉
住民参加型市場公募地方債は、平成16年度から継続して発行し、19年度で4回目となる。
市場公募地方債発行の目的は、市民の市政への参加意識の高揚を図るとともに、市債の資金調達の手法の多様化を図るために発行するものである。
対象事業は、 辻堂駅周辺地域都市再生事業(湘南CーX)を予定している。
発行額は5億円、発行日は20年2月28日、償還は5年、購入限度額は300万円、利率は20年2月5日に、この公募債の販売直前の残存期間が5年の国債の利回りを0.2%以上上回るよう設定する予定であり、発行形態はペーパーレス化された振替地方債としての発行で、証券の発行はしない。
申し込みができる方は、市内在住の20歳以上の方と市内営業法人である。
応募方法等については、封書に加え19年度から市ホームページからのインターネットによる応募ができるようにした。なお、応募者多数の場合は、抽選で購入者を決定する。
今後は、広報ふじさわ、市ホームページや取扱金融機関等におけるチラシの配布等により、市民に周知を行っていく。

公募地方債が、まちづくりの資金として活用される=湘南C-X
〇藤沢市のアスベスト対策に係る総括について
〈市の説明〉
この総括は、市民が安心して暮らせるまちづくりをさらに推進していくため、アスベストが社会問題化した平成17年以降に、本市が実施してきた一連のアスベスト対策を検証するとともに、浜見保育園におけるアスベスト問題の対応に関する教訓等を踏まえた今後の本市のアスベスト対策方針をアスベスト問題対策会議において決定したものである。 浜見保育園におけるこれまでの経過等としては、今回問題となった4歳児室は、昭和47年の開園当初は遊戯室として使用され、天井にはアスベスト含有材が吹きつけられていたこと、59年の改修工事の際に天井板を張り、翌年以降は保育室として利用されてきたこと、平成11年度以降断続的に雨漏りが発生し、16年度当初には雨漏りで天井板がゆがんだため、天井板の一部をはがして点検し綿状の塊の存在を確認したこと、17年8月にアスベスト問題対策会議が公共施設の一斉調査を行った際に浜見保育園では用務員が点検を行い、児童福祉課の指示で綿状の塊を採取したこと等である。
その後は、17年11月の成分分析や環境調査の実施、この調査結果を受けた同年12月の四歳児室の使用再開、18年2月の市議会総務常任委員会における該当施設の成分分析検査結果等の報告、同年5月の第1回保護者説明会の開催等を実施した。
さらに、18年6月に全室環境測定の実施、8月には第2回保護者説明会、10月と12月に2回にわたる意見要望書の受領とその回答、19年2月には第3回保護者説明会の実施、保護者から市議会への陳情の提出、その後第4回・第5回保護者説明会の実施、保護者代表者と福祉健康部長による検診についての確認を行った。
アスベスト除去工事に向けた19年5月以降は、仮設園舎の建設とその園舎での保育の開始、7月のヒアリング調査の実施と工事説明会の実施、8月の湘南なぎさ荘への保育の場の一時移転やアスベストセンターによるばく露シミュレーションの実施、アスベスト除去工事の実施や保護者と副市長との話し合いの実施、保育の再開、12年度以降の卒園児・在園児を対象とした受診希望者の募集、そして総括報告会の開催などが浜見保育園における一連の対応の経過等である。
アスベストばく露シミュレーションの結果報告等については、「今回の試験では天井板をはがし堆積した粉じんを発じんさせる、いわゆるほこりを空中に舞わせることによる石綿の飛散は確認されませんでした」と評価されており、職員が天井板を開けたことでの石綿の飛散の可能性は低いことが実証され、当時の児童への健康被害リスクは極めて低いものと理解している。
浜見保育園に関する今後の対応としては、11年度以降の雨漏りによりアスベスト繊維が床等に流れ落ち乾燥後に飛散した可能性も踏まえて、同年度以降在籍の対象児童、職員等に因果関係のある健康被害が生じた場合には、市が責任を持って対応していくことを明確にした。そして、
- 検診については、児童の検診を藤沢市民病院小児科の協力を得て実施することとし、検診費用は市が負担することで現在の健康状況についての問診を中心に検診を進めている。職員については、産業医による健康相談及び通常の定期健康診断で対応する
- 在園証明書については、対象児童に対して発行する
- 永年保存文書については、個人情報保護の観点から児童名簿と職員名簿は市で保存する・・・ことにした。
今後の本市のアスベスト対策の方針としては、
- アスベスト問題対策に関する組織強化として、直面する諸課題に的確かつスピーディーに対応するため、より少数で参集しやすい関係課の実務担当者によるワーキンググループを新たに設置し、より実務的な見地から適切な対応を図り、また、必要に応じて有識者を加え専門性に裏づけられた的確なアドバイス等を受ける対応を考える
- 市が正しい情報を速やかに利用者や近隣住民などの関係者に説明して情報の共有を図り、信頼関係を築くことで、より適切な対策を立案し、速やかに実行していくという「リスクコミュニケーション」の考え方を基本に対策を推進する
- 適切な対策を講じるためには、市職員がアスベストに関する正しい知識を持つことが必要不可欠であり、施設管理者だけでなく実際に現場で施設管理業務に従事する職員の知識習得が重要であるため、アスベストの基礎的知識などを学習するための講習会を開催する
- アスベストの調査から除去工事に至る工程についての適切な対応が求められるため、事前調査から工事の施工監理に至る工程をフローチャートにまとめ、より適切で速やかな対応を図ること・・・などである。
今回の浜見保育園を初めとしたさまざまなケースを貴重な経験とし、本市のアスベスト対策に生かすとともに今後とも適切な対応をしていきたいと考えている。
|