見て楽しい!食べて楽しい!キュンとする藤沢産♥︎

 

和田園芸を訪問

御所見地区でトマトやキュウリの生産に取り組む和田 浩明(わだ ひろあき)さんを訪問しました。高い品質のトマトやキュウリを育てるためのさまざまな工夫など、興味深いお話をたくさん聞かせていただきました。
(取材日:2024年3月14日)

プロフィール

和田さんは1970年生まれ。県立農業大学校(現在のかながわ農業アカデミー)を1990年に卒業し、20歳で就農。父親の代に始めたハウス栽培を受け継ぎ、現在はJAさがみ御所見ハウス部出荷組合でトマトやキュウリの共同販売に取り組まれており、藤沢産のおいしい野菜作りに尽力されています。

 

 

トマトとキュウリのハウス栽培

和田さんのハウスは慶応大学藤沢キャンパスの西側、宇都母知(うつもち)神社に程近い、多くのハウスが建ち並ぶエリアの一角にあります。ハウスの中にはトマトやキュウリが整然と並んでいて、すでに収穫の時期を迎えています。トマトは写真のように上に伸びていく茎に沿って、下から順番に花を付け、実を成らせ、赤く熟していきます。茎の先端は生長して伸びていきますが、やがて、手が届かなくなってしまいます。そこで、茎を折り返して、今度は下へ向かって伸ばしていきます。この様なやり方はUターン栽培と呼ばれています。

↑トマトの受粉にはマルハナバチを使用しています。

 

キュウリは等間隔に支柱を立て、間に張ったひもにツルをテープで止めていきます。葉と葉が重ならないよう、上手くツルを止めていきますが、こうすると、光も良くあたり、湿気がこもらず、病気にも掛かり難くなります。また、目の高さに生長したツルの先端は摘み取り、葉の付け根から出るワキ芽を伸ばして、適当な長さで順番に先端を止めていきます。この様なやり方は整枝栽培と呼ばれています。手間は掛かりますが、生長にあわせて管理の加減ができ、安定して形の良いキュウリができるとのことでした。

 

インタビュー

--育てているトマトとキュウリの種類を教えてください。

現在、トマトは「れおん」という品種を生産しています。

キュウリは1年間に3回栽培しており、春は「ニーナZ」、夏と秋には「まりん」という品種を生産しています。

 

--育てているトマト・キュウリの特徴を教えてください。

トマトは熟しても柔らかくなりにくく、日持ちもします。

キュウリはトゲがあり果皮がしっかりしているため、歯ごたえが良く品質も良好です。

 

--生産にあたってのこだわりや工夫にはどのようなことがありますか。

トマトは、冬の間には光がよく当たるようにし、初夏からは半日の間日陰になるように工夫しています。冬は光が必要ですが、初夏からの強い光はトマトに良くないため、日よけをしています。

キュウリは果実に光が入るようにして、風の通りも良くするようにしています。

 

--おいしいトマト・キュウリの見分け方を教えてください。

トマトは放線が出ており色まわりが良く、実が詰まっているものがおいしいです。

キュウリはトゲのあるもので、果皮がしっかりしているものがおいしいです。形が曲がっていても味は同じです。

 

--トマト・キュウリのおいしい食べ方を教えてください。

トマト・キュウリは生で食べられるのが特徴なので、両方とも丸かじりで食べることをおすすめします。

特にお子様には1度経験させてあげてください。

 

--トマト・キュウリを生産する中で大変なことは何でしょうか。

ハウス栽培では、トマトもキュウリも適温があります。

作物に対して適切な環境を作り出し、日々注意深く見てあげることが必要です。

 

--トマト・キュウリを生産する中で嬉しかったことは何でしょうか。

作物は人の手により作り出されるものです。毎日大変ですが、日々の努力と愛情により作物が恩返ししてくれます。

作ったトマト・キュウリを食べていただいて、「おいしい」と言ってもらえることが何よりもうれしいです。

 

--トマト・キュウリは1株あたりどれくらい生産できますか。

トマトは1本の株から50個ほど生産できます。

キュウリは春作の場合1株あたり100本ほど、夏作・秋作の場合60本ほど生産できます。

その年の天候により多少左右されます。

 

--近年の気温上昇により、トマト・キュウリにはどのような影響がありますか。

暖冬により、トマトは花の数が減るため収量に影響します。

キュウリは寒いと花数が増える傾向がありますが、逆に実が成りすぎると短命になってしまいます。作物の管理が重要となります。

 

--現在参加しているイベントや活動はありますか。

農協のふれあいまつり、小出川彼岸花まつり、宇都母知神社の収穫祭などに参加しています。

 

--消費者(市民)に伝えたいことをお願いします。

藤沢市内で主力の産地は六会・長後・御所見です。特に御所見は畜産・植木・花・野菜・果樹・米などさまざまな農産物を生産している地区です。

スーパーで「神奈川県産」「藤沢産」と表記されている農産物は、安心・安全・新鮮な野菜です。市民の皆様、おいしい野菜をたくさん食べてください。

取材を終えて

暖かなハウスの中に美しく並んでいるトマトや大きく育ったキュウリを見ていると、和田さんが丹精込めて作られた宝物のように思えてきました。これらの藤沢産の野菜は市内のお店で売られているとのこと。ぜひ皆さんも新鮮でおいしい藤沢産の野菜をご賞味ください。

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