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長谷部農園を訪問

2018年5月に新規就農された長谷部 光男(はせべ みつお)さんを訪問しました。就農のきっかけ、農業にかける思い、イチゴ栽培など、楽しく興味深いお話が盛りだくさんでした。
(取材日:2019年12月12日)(更新日:2023年11月15日)

プロフィール

1963年生まれ当年60歳の元会社員。約35年間勤務した会社を退職し、2018年5月より新規就農されました。前職は電機メーカーで、生産技術関連・システムエンジニア・経営企画を経験されたそうです。趣味はバイクで18才から現在までこの道一筋とのこと。なんといっても心地よい緊張感と爽快感が全てを忘れる貴重な時間を与えてくれるそうです。以前は毎日乗っていたそうですが、現在は忙しく月一回程度しか乗れないそうです。チョット残念(笑)

ハウスのイチゴ畑

ハウスは藤沢市の北部にあり、ハウス近くからは富士山が一望できる最高のロケーションです。早速、内部に案内していただきました。見事な直線に整列したイチゴ畑が一面に広がります。出迎えてくれたのは「ミツバチ」。花粉媒介のためにハウス中を飛び交っている光景には驚きました。「美味しいイチゴ」栽培のための最も重要な工程です。この中で「紅ほっぺ」「ほしうらら」「桃薫(とうくん)」「よつぼし」等の6品種が元気に育てられています。

近くから富士山一望(ハウスは左奥)
ミツバチの箱

創意工夫の生産工程

最初に「品質と生産性の高いイチゴ栽培を実現したい」と説明がありました。そのための重要なポイントが温度管理です。ハウス内は保温性をよくするため2重にビニール(内張カーテン)を設置しています。そして適温の20~25℃に保つために天井と横のビニールを自動開閉できるシステムを導入しました。
次にうどんこ病対策として、農薬ではなくUVランプを照射しています。肥料や水は生育状況により頻度と濃度を自動的にコントロールできる、自動潅水装置を製作しました。
高設栽培(イチゴは地面から浮かせて腰の高さで栽培)により生育管理や収穫時の作業姿勢に無理のないよう工夫されています。
生産工程に対する強い思いから随所に創意工夫がみられ、前職のキャリアが十分に活かされている「イチゴ畑」を実感させられました。

自動潅水装置
照射中のUV

インタビュー

ーー新規就農されたきっかけをお聞かせください。

藤沢市の援農ボランティアで農家さんの手伝いをしていましたが、農家の皆さんが70歳・80歳でも元気で働いている姿を見て、私も「生涯現役」で何かやってみたいと考えたのがきっかけです。

 

ーーイチゴの種類と、育て方は種からですか、それとも苗からでしょうか。

種類は「紅ほっぺ」「ほしうらら」「桃薫(とうくん)」「よつぼし」等の6品種です。ほとんどの苗は昨年の株からランナーで育てました。ほしうららは今年から導入している品種のため苗を購入しました。 イチゴはランナーで増やすのが一般的ですが、種子から育てる全く新しいタイプの「よつぼし」も栽培することにしました。種子から育てることから、親株からの病害虫の伝染が少なく、育苗期間が短く(通常4か月 ⇒ 2か月)作業時間の短縮が期待できます。

 

ーー出荷先やクライアントは?

今シーズンは12月下旬からの出荷を予定しています。
現在は直売所、JAわいわい市藤沢店と横浜のフードハウス大野屋菅田店が主ですが、今後 は藤沢市内のスーパーや飲食店に販路を拡大していく予定です。

ーー生産にあたってのこだわりや工夫について教えて下さい。

消費者に新鮮・安全・おいしいイチゴを届けるため、手間を惜しまず、日々創意工夫しています。特に温度管理・病害虫対策・肥料と水のコントロールについては最重要の管理ポイントとしています。

 

ーーイチゴのおいしい見分け方を教えていただけますか。

イチゴの表面に光沢があり、ヘタは濃い緑色で反り返っている方がよいです。
大きさは大きい方がよいです。(同じ値段なら数ではなく大きさで選んでください。)小さい10粒を買うなら大きな5粒がおすすめです。水洗い前にへたを取ると水っぽくなってしまうので水洗い後にへたを取って食べてください。

 

ーーイチゴの生産で嬉しいことや大変なことは何でしょうか。

嬉しいことは、消費者の方に「おいしい」と言っていただくことと、自分のシナリオ通りに作物が出来た時です。大変なことは、夏のハウス内の暑さです。最高50℃超になるため熱中症に注意して作業しています。

 

ーー参加しているイベントや活動はありますか。

新規就農者でもあり、湘南山ノ神やさい倶楽部(新規就農者を中心に12人が参加)に所属し、野菜の栽培技術の向上に努めています。
また藤沢市のイベントなどには積極的に参加するよう心掛けています。

 

ーー消費者(市民)に伝えたいことをお願いします。

以前会社員の時は、産地や鮮度にあまりにも無関心でした。
市民の皆さんにはせっかく藤沢市という近くに農業と触れる環境にあるので、是非関心を持っていただきたいです。そして直売所、わいわい市や直接畑で気楽に意見や提案をしてほしいと思います。消費者とのコミュニケーションが、生産者にとって「真によろこばれる作物づくり」に繋がると思います。

 

取材を終えて

栽培ハウスのイチゴ畑、見事でした。潅水装置やUVランプなどの技術を導入し、イチゴにやさしい環境づくりを目指す姿からイチゴへの愛情を感じました。これからの新規就農やイチゴを作ってみたいと考えている方のモデルとなるように、販路や栽培技術の向上に努めたいとのお話が印象的でした。

長谷部農園

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