2011年12月25日号 広報ふじさわ…市民の広場  〔 3 / 3 page 〕

探訪

名誉市民 片山哲生誕125年

銅像

 市民会館の前庭に、「名誉市民 片山哲先生」と記された胸像(銅像)が置かれています。片山哲は1887年和歌山県生まれ。2012 年は生誕125 年となります。

 東京帝国大学(現・東京大学)を卒業後弁護士となり、社会的な不公平をただすためには政界での活動が必要と考えて、1926 年の社会民衆党の結成に参加。30年に神奈川2区から立候補して初当選しました。戦後は日本社会党に属し、47年に同党が第1党に躍進した際に内閣総理大臣に就任し、戦後の難局処理に当たりました。

 1924 年から市内片瀬に居を構え、以後半世紀余を藤沢の地に暮らしました。63年に75歳で政界を引退。69年に藤沢市名誉市民第1号に選ばれ、78年に90歳で亡くなりました。

 「文人宰相」と称されるほど東西の古典に通じていたことで知られ、「大衆詩人白楽天」(岩波新書、1956 年)などの著作もあります。本市では72年以降、3回にわたって蔵書・愛用品などの寄贈を受け、湘南大庭市民図書館に個人文庫「片山哲文庫」を開設しています。

 胸像の作者、菅沼五郎(1905 〜99)は、52 年から鵠沼に居を構え、「湘南美術研究会」を組織するなど地域に多大な貢献をし、湘南各地に多くの作品を遺した彫刻家です。片山哲胸像は72年制作。晩年の代表作のひとつです。