2018.03.03-2018.05.06

企画展Ⅲ 海を渡った版画家 山岸主計 – 藤沢市所蔵作品を中心に – 山岸主計

この度、藤沢市アートスペースにおいて、「海を渡った版画家 山岸主計 – 藤沢市所蔵作品を中心に -」を開催いたします。

山岸主計(やまぎし・かずえ)は1891年長野県上伊那郡美篶(みすず)村(今の伊那市)に生まれ、15歳で上京し木版彫刻家武藤李吉に師事します。やがて師匠に代わり読売新聞社で挿絵の彫りを担当し、木版の腕を上げます。その後独立、黒田清輝率いる葵橋洋画研究所で美術を学びながら彫師として活躍しました。1926年には文部省より欧米における版画についての調査を託され渡航、各国で視察と版画の実技を行いながら、後に着手する「世界百景」の写生を進めます。帰国後は、絵を描き、版を彫り、紙に刷るまでを単独で行う創作版画に取り組む一方で、横山大観や石川寅治ら有名画家の作品を版画にするなど、精力的に活動しました。戦時中は従軍画家としてアジア諸国へ赴き、戦地の光景を作品に残しています。

戦後は藤沢に移住し、日本の風景画を手掛け、各地で個展を開催するとともに、サンフランシスコ平和条約調印時には、当時の首相吉田茂の依頼でクリスマスカードを作成するなど国際貢献にも努めます。藤沢市美術家協会には創立当初から参加し、藤沢市展に第1回から出品するなど本市の文化振興にも寄与しました。1983年に伊那へ戻った主計は、翌年94歳でその生涯に幕を下ろしました。

本展は藤沢市が所蔵する主計作品を中心に、第一期では世界の風景や人々の暮らしを描いた「世界百景」シリーズ、第二期では日本の名所や風俗を作品化した「日本百景」シリーズなど、創作版画家・山岸主計の代表作を紹介します。また、名だたる画家たちから高い信頼を得ていた彫師としての功績にも焦点を当てます。


会期

2018年3月3日(土)〜2018年5月6日(日)

第一期:2018年3月3日[土]- 4月1月[日]
第二期:2018年4月7日[土]- 5月6日[日]
※ 4月3日[火]- 4月6日[金]は展示替えのため閉室

休館日

月曜日(ただし月曜日が祝日の場合は、翌火曜日が休館)

開館時間

10:00-19:00(入場は閉館の15分前まで)

観覧料

無料

会場

藤沢市アートスペース〈アクセス〉

主催

藤沢市、藤沢市教育委員会

協力

伊那市創造館、信州高遠美術館、公益財団法人藤沢市みらい創造財団、ココテラス湘南



【第一期】

主計は、文部省辞令「欧米各国に於ける版画に関する取調を嘱託す」を受け、1926年から1929年まで渡航しました。
第一期では、欧米での経験から生まれた「世界百景」シリーズ、蒙古、満州、朝鮮半島取材、また従軍画家として見たアジアを描いた「大東亜戦争・東亜百景」シリーズ、油画等を紹介します。

《サンフランシスコ・ウィンドミル》1930-31年、木版画

《ヴェニス・帆かけ船》1930-31年、木版画

 


【第二期】

日本各地の風景を描いた木版画も多数作り上げてきた主計。故郷・伊那、第二の故郷・藤沢ほか、鎌倉や日光など親しみのある図版は、多くの要望を受けてクリスマスカードや書簡用の小型版画も作られています。
第二期は「日本百景」シリーズほか、「大近松全集」など木版師としての卓越した技量を示す作品も紹介します。

《猿澤之池》1935年 木版画

《駿河台ニコライ堂》 1933年 木版画


関連イベント

トークイベント

担当学芸員による展示解説

2018年 03月03日(土)14:00-15:00 第ー期の展示解説 ※終了しました
2018年 04月07日(土)14:00-15:00 第二期の展示解説

担当の学芸員が山岸主計やその作品について解説します。

会 場:展示ルーム
参加費:無料


ワークショップ

4月ワークショップ「はじめての水性木版 描いて、彫って、刷って」

2018年 04月29日(日)14:00-16:00

好きな形を版木に彫り、水彩絵の具で色をつけて紙に刷ります。

日本の伝統的な木版の技法に触れるワークショップです。

講師:塩川彩生(アーティスト)
対象:小学校4 年生以上
定員:15 名 ※要事前申し込み
持ち物:作品を持ち帰る袋、 彫刻刀(あれば)、汚れてもよい服装


〈お問い合わせ〉

藤沢市アートスペース
(藤沢市生涯学習部文化芸術課)
〒251-0041神奈川県藤沢市辻堂神台2-2-2
ココテラス湘南6階
TEL 0466-30-1816
FAX 0466-30-1817
E-mail fj-art@city.fujisawa.lg.jp

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