藤沢市アートスペースでは、2015年の開館以来、藤沢市や湘南地域にゆかりのある若手アーティストの存在や動向を紹介する展覧会を企画してきました。6回目となる本展では、「せかいをうつす」と題し、“せかい”を様々な切り口から解釈し、それぞれの表現技法やメディアを駆使した創作活動をとおして、我々の世界観に新たな気付きをもたらすアーティストを紹介します。
“せかい”という言葉が持つ意味や認識は人それぞれでしょう。グローバルなスケールで地球上のあらゆる地域や国家を連想したり、一方で自分自身が生活している環境や世間といったローカルなコミュニティを連想したりすることもあるでしょう。また、職業、専門分野、世代など、同類の集まりといった特定の活動範囲や領域などを意識したりするかもしれません。我々が“せかい”と認識できるものは、多種多様です。
これまでの歴史を振り返る時、我々は“せかい”が時代とともに変化していることに気付きます。領土の境界は絶え間無く移動し、そこに暮らす人々が所属する社会の常識や価値観、倫理、道徳、法体系など、行動を規定するあらゆる基準がこれまで一定であったことはありません。そのような世界の変化に身を置き、機微をも敏感に感じ取ることで、古今東西のアーティストたちは新たな表現や思想を創造してきました。
本展では、3名の参加アーティストが、世界に溢れている多様な“せかい”といかに向き合い、それらをどのように捉えてきたかを紹介するとともに、それぞれのアーティストたちが今日の“せかい”をうつした新作を制作し発表します。