第1回引地川水系ダイオキシン汚染事件対策連絡調整会議の結果について

1.引地川水系のダイオキシン類汚染問題に対し、国、神奈川県及び藤沢市が連携して対策を講じていく上での連絡調整を図るため、本日（平成12年3月29日）、午後3時より、第1回引地川水系ダイオキシン汚染事件対策連絡調整会議を開催しました。

2.環境庁、神奈川県及び藤沢市は、同連絡調整会議において、以下の対応について協議しました。

• 稲荷雨水幹線の汚染の全貌を解明し、原因者に対する措置・指導を行う。
• 河川、海域、底質、生物等の周辺環境の汚染状況を的確に把握するとともに環境影響を評価し、環境影響の発生防止のために必要な対策を講じる。
• 地域住民への適時・的確な情報の提供を行い、無用の混乱が生じないように努める。

また、これらの対応を行うに当たり、地域住民への情報提供、その他地域に密着した対策は藤沢市が中心となり、関係する調査の実施等、全般は神奈川県が中心となり、さらに、専門的知見の提供、関係省庁との連絡調整、その他の支援措置は環境庁が行うこととしました。

3.今後の周辺環境等の調査は別紙「引地川水系のダイオキシン類汚染事故に係る調査計画」のとおりです。これらの調査は3者の共同調査とし、神奈川県と藤沢市が調査の実施主体となるほか、環境庁は分析結果の精度管理を一元的に実施します。

4.引地川水系のダイオキシン類汚染問題への今後の対応方針

（1）発生源の確認調査

• （ア）（株）荏原製作所藤沢工場
  • ダイオキシン類の発生源と想定される工程や施設の詳細調査
  • これまでの維持管理状況、施設改修状況の書類調査
  • （株）荏原製作所における排水以外の排出ガスや燃えがら等の問題の有無の確認
  • 原因究明と当面の対策について、県・市へ報告するよう指導
• （イ）（株）荏原製作所以外の引地川水系汚染源の有無の確認調査

（2）汚染範囲の把握調査

• （ア）引地川水系：水質・底質・魚類
• （ウ）海域：水質・底質・魚類・海水浴場※今後、国・市と調整して実施

（3）生活環境の調査

• （ア）井戸水・湧水等の調査
• （イ）関係する専門家へのヒアリング、化学物質等環境保全対策委員会の開催

（4）法令上の取り扱いの検討

ダイオキシン類対策特別措置法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律、大気汚染防止法、水質汚濁防止法、神奈川県生活環境の保全等に関する条例、その他の関係法令

※今後、国・市と調整して実施

（5）情報提供

4月下旬を目途に、各種調査結果を公表

（6）再発防止対策

• （ア）（株）荏原製作所藤沢工場への指導監督
• （イ）類似処理施設を設置している事業者（未把握汚染源の有無の確認）
  • 汚水系統の地下埋設配管に対する自主点検指導・報告徴収
  • 対象：水質汚濁防止法の特定事業場、廃棄物焼却炉に排出ガス処理用のスクラバーを設置している工場や処理業者
• （ウ）上・下水道処理施設の再点検
• （エ）全県の事業者に対する注意の喚起

（7）役割について

引地川水系のダイオキシン類汚染事件対策連絡調整会議（国・県・市）を3月26日に設置し、今後の各主体が進める作業について検討（事務局：神奈川県）

次回は、4月上旬を目途に開催予定

※引地川水系のダイオキシン類汚染事件対策連絡調整会議設置要綱