この度、5名のアーティスト、湘南工科大学総合デザイン学科中尾研究室とともに「オペラーカス-創造ラボVol.0」を実施します。
過去に藤沢市アートスペースの企画に参加したアーティストを招き、ワーク・イン・プログレス(=完成したものではなく、制作のプロセスも含めて共有する形の作品形式)を展開する、本企画のテーマは「オペラ」です。
藤沢には芸術文化の中でも歴史ある「市民オペラ」があります。その歴史は、1973年の初演から現在に至るまでに24回の公演が行われています。オペラは、既に、クラシックな音楽による歌曲というような、固有の形式を持つように考えられていますが、元々、総合芸術といわれるように、音楽、美術、演劇など様々な表現要素をもつ柔軟性の高い表現領域です。
今回は藤沢の新たな「市民オペラ」を考えるべく、多様な発想と技法をもったアーティストが参加します。大崎清夏(詩)、後藤てるみ(絵画)、cobird(コラージュ作品)、中村厚子(立体、舞踏)、TEPPEI YAMADA(メディアアート、インスタレーション)、そして湘南工科大学と一緒に、型に捉われない「オペラ」を構想しました。出品されるのは、オペラの舞台ができあがるまでを創造したドローイングや、舞台装置の模型、試作となる舞踏を踊った映像や音楽、物語の主軸となる詩作など盛りだくさんです。江の島の伝説などから着想を得た物語も作りました。
会期中においてもアーティスト達が考える「オペラ」のアクロバティックな発想が、日々展開される様子をアートスペースではご覧になれるでしょう。その様子は、サーカスに喩えられるかもしれません。「サーカス」には、ラテン語で円・輪という意味があります。円座になって話し合い創造する場・ラボ(実験室)にしたいという願いから、今回のタイトルを「オペラーカス」というものにしました。
鑑賞者にとって、普段馴染みのないアーティストという職業の人々が、どのようなことを考えながら作品を制作していくのかをご覧いただける機会となるでしょう。