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2022.06.18-2022.08.28
終了しました

企画展Ⅰ 「伝えたい情景〜木版画家・山岸主計と現代作家たち〜」 山岸主計/内田亜里/田中唯子

大正期から昭和にかけて活躍した藤沢ゆかりの木版画家、山岸主計(やまぎし・かずえ)は、著名な画家による絵や図版を木版彫刻する“彫師”としての仕事を始め、やがて自分で描いた絵を自分で彫り、摺る“創作木版画家”として制作活動を行いました。その代表的な作品が、文部省嘱託として1926年から数年滞在した欧米諸国の風景をモチーフとした『世界百景』シリーズです。展示は二部構成をとり、2019年新寄贈作品を中心に、彫師として携わった作品を前期、創作木版画作品を後期で紹介します。彫師の経験と確かな技術が、山岸の作品制作にどのような影響をもたらしたのか、その核心に迫ります。

同時に紹介するのは、二人の現代作家の作品です。

内田亜里(うちだ・あり)は、土地を取材しその土俗性や気配を感じさせる写真作品を古典技法を用いて手掛け、田中唯子(たなか・あいこ)は、世界情勢を反映したニュースや日常風景を切り取った画像などを元に一点物の版画作品を制作しています。

異なる時代を生きる三人の作家たちがとらえた「伝えたい情景」から、彼らを突き動かしてやまない創作への情熱を感じ取っていただければ幸いです。


会期

2022年6月18日(土)〜2022年8月28日(日)

2022年6月18日(土)〜2022年7月18日(月・祝)
2022年7月23 日(土)〜2022年8月28日(日)

休館日

月曜日[ただし7月18日(月・祝)は開館]、7月19日(火)〜7月22日(金)は展示替えのため休館

開館時間

10:00-19:00(入場は閉館の30分前まで)

観覧料

無料

会場

藤沢市アートスペース

主催

藤沢市、藤沢市教育委員会

後援

神奈川新聞社、株式会社ジェイコム湘南・神奈川、レディオ湘南

協力

公益財団法人藤沢市みらい創造財団、一般財団法人藤沢市開発経営公社



展覧会チラシ


展覧会の見どころ

藤沢市ゆかりの木版画家× 現代を生きるアーティスト

明治~令和をつなぐ「情景」という共通項
明治生まれ、激動の昭和を生きた木版画家・山岸主計と、令和の今活躍する写真家・内田亜里、版画家・田中唯子。時代も作風も異なる3人をつないでいるのは、彼らがとらえた「情景」を版や印画紙にうつすという制作姿勢です。戦前の欧米諸国の風景風俗、神秘性に満ちた対馬の自然と風土、私たちにも見覚えのあるニュースの一コマ…彼らの目に映った情景は、それぞれの表現方法でどのように再現されたのでしょうか。


前期・後期の二期構成 山岸主計

木版彫刻師(彫師)であり、創作木版画家でもあった山岸主計。それぞれの立場で手掛けた作品を前期と後期に分けて、2019 年の新収蔵作品を中心に合計約100 点紹介します。


学芸員による展示解説/アーティストトークを開催

会期中、山岸主計作品の展示解説を行います。彫師としての仕事や関わった人々とのエピソード、創作木版画シリーズ「世界百景」制作の背景などを担当学芸員がお話しします。
また、内田亜里、田中唯子、特別ゲストを迎えたトークイベントを実施します。二人にとっての「情景」、そしてそれを作品化することについて、直接聞くことができる貴重な機会です。


作家紹介

山岸主計(1891-1984) 【YAMAGISHI Kazue】

長野県上伊那郡美篶村(現在の伊那市)生まれ。15歳で上京し、木版彫刻家・武藤季吉に師事。読売新聞の挿画の木彫等を手掛け、1926年に文部省の委託を受け欧米の版画調査のために渡航。戦後は藤沢に移住し、藤沢市美術家協会に創立当初から参加するなど本市の文化振興に寄与した。

 

左:《モンマルトルにて》1928−31年、右:《ヴェニスにて》1928−31年


内田亜里【UCHIDA Ari】

1978年東京都生まれ。神奈川県三浦郡葉山町在住。2001年東京造形大学デザインⅠ類写真コース卒業。2006年文化庁新進芸術家国内研修員(東京藝術大学写真センター)、2012年公益財団法人ポーラ美術振興財団在外研修員(インド)ほか。
長崎県対馬を継続的に訪れ、民俗学のフィールドワークを下地に中判カメラによる写真撮影を続けている。最終的なプリントとして、写真古典技法であるプラチナプリントに箔や膠を融合させ、朝鮮半島との境界に根付く、神さびた風景を独自の技法で表現している。

左:《葬る山、斎く島》2020年、右:《葬る山、斎く島》2020年


田中唯子【TANAKA Aiko】

1991年東京都生まれ。神奈川県相模原市在住。女子美術大学大学院版画研究領域修了。2019年「Artists in FAS2019入選アーティストによる成果発表展」に参加。
報道写真や映像など既存のメディアから得られる情報を元に版を作り、鉄錆を紙や石膏に写し取って版画作品を制作する。メディアと個人の間にある距離への違和感や、記憶が移ろうことを避けられない人間の危うさを感じながら制作を続けている。

 

左:《ピース》2020年、右:《over fence》2017年


新型コロナウイルス感染症等拡大防止のため、会期・内容が変更になる可能性があります。最新の情報・詳細はFASのウェブサイトをご覧いただくか、FASへ直接お問い合わせください。


関連イベント

トークイベント終了しました

学芸員による展示解説

2022年 08月14日(日)14:00〜15:00

「伝えたい情景〜木版画家・山岸主計と現代作家たち〜」の出品作品と作家について、担当学芸員が参加者とともに展示会場を巡りながら解説します。
展示ルーム(山岸主計)、レジデンスルーム(内田亜里、田中唯子)各30分程度を予定しています。

定員:15名 ※要事前申込
対象:どなたでも
参加費:無料
会場:藤沢市アートスペース


トークイベント終了しました

〜「伝えたい情景」について〜 水沢勉×内田亜里×田中唯子

2022年 08月06日(土)16:00-17:00

開催中の企画展「伝えたい情景〜木版画家・山岸主計と現代作家たち〜」の出品作品について、現代作家の内田亜里、田中唯子の2名が解説します。

また、山岸主計作品と共通する「情景」のとらえ方や各々の表現方法について、ゲストの水沢勉氏を交えて語り合います。

登壇者:水沢勉(神奈川県立近代美術館館長)、内田亜里、田中唯子(以上、展覧会参加アーティスト)

定員:20名 ※要事前申込
対象:どなたでも
参加費:無料
会場:藤沢市アートスペース レジデンスルーム


ワークショップ終了しました

「シルクスクリーンで石膏作品を作ろう!」

2022年 07月16日(土)10:30-1時間半程度

シルクスクリーンの版を作り、その型を使って、石膏作品を作ります。時間が経つことで、色や形の変化を感じる作品が出来上がります。

講師:田中唯子(展覧会参加アーティスト)
定員:10名
対象:小学3年生以上
参加費:1,000円(材料費)
会場:藤沢市アートスペース ワークショップルーム
持ち物:汚れてもよい服装、持ち帰り用の袋(A4サイズ程度が入るもの)


〈お問い合わせ〉

藤沢市アートスペース
(藤沢市生涯学習部文化芸術課)
〒251-0041神奈川県藤沢市辻堂神台2-2-2
ココテラス湘南6階
TEL 0466-30-1816
FAX 0466-30-1817
E-mail fj-art@city.fujisawa.lg.jp

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