本展のタイトル「裏側からの越境 / Crossing The Boundary From
Behind」は版画の特性に由来します。版画は、ポジとなる表のイメージを想像しながら、ネガである版を裏側から制作するという工程によって完成します。制作途中は裏側から間接的にしか見ることができません。播磨はインクや光が版の裏側から越境するという事象に注目し、表現としての可能性を追求してきました。
近年の主な展覧会に「フル・フロンタル 裸のサーキュレイター」(2020年、三越コンテンポラリーギャラリー/東京)「Lyrics, Gestures and Games」(2017年、Kala Art
Institute/バークレー)、「The Big Scene: Seven sights」(2015年、MMCA 韓国国立現代美術館 コヤンレジデンシー/コヤン)、「Year Without a
Summer」( 2017年、Maho Kubota Gallery/東京)などがある。
金澤韻 [現代美術キュレーター]
東京藝術大学大学院、英国Royal College of
Art(RCA)修了。熊本市現代美術館など公立館での12年にわたる勤務ののち、2013年よりインディペンデント・キュレーターとして活動。国内外で展覧会企画多数。近年企画・参画した主な展覧会に、「インター+プレイ」、「AKI
INOMATA:シグニフィカント・アザネス」、「毛利悠子:ただし抵抗はあるものとする」、「ラファエル・ローゼンダール:ジェネロシティ
寛容さの美学」(十和田市現代美術館、青森、2018~2022)、ヨコハマ・パラトリエンナーレ2020(横浜)、杭州繊維芸術三年展(浙江美術館ほか、杭州、2019)、「Enfance」(パレ・ド・トーキョー、パリ、2018)、など。京都芸術大学客員教授。コダマシーン共同代表。現代美術オンラインイベントJP共同主宰。