本展は、藤沢市所蔵の「招き猫亭コレクション」と現代作家の作品を、〈猫〉と〈物語〉をテーマに紹介する展覧会です。
「招き猫亭コレクション」は、コレクターの招き猫亭氏が蒐集した猫にまつわる美術作品群です。その中から今回は、『源氏物語』の一場面を描いた浮世絵作品や、ラ・フォンテーヌの『寓話』の挿画としてマルク・シャガールやギュスターヴ・モローが手掛けた銅版画など、猫が登場する物語を描いた作品を展示します。また、本の装丁や、夢、家族など日常の中にある物語なども紹介します。
同時に、横浜を拠点に活動する現代作家のcouch(浅尾怜子+宮﨑大樹)
が新作を発表します。長年構想を温めてきたヤマネコの物語を、スリットアニメーション(ストライプ状のスリットを動かすことで絵が動いているように見える技法)を用いて展開します。本展のタイトル「ニャラティブ」は、猫の鳴き声と物語(ナラティブ)を掛け合わせた造語です。人々は、なにやら物言いたげな猫の表情や行動に想像力を膨らませ、猫にまつわる物語を数多く生み出してきました。みなさんも、作品から新たな物語を紡いでみませんか。