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公募終了しました

【公募】制作・展示支援プログラム「Artists in FAS 2020」


<入選アーティスト>

8月17日に、Artists in FAS 2020 の入選アーティストを選出する審査会を行いました。

審査員2名が滞在制作および作品プランが記入された応募書類等に目を通し、それぞれ十数名程を候補者として選出しました。
共通する候補者5名を中心に協議の上、最終的に入選者4名を決定しました。

◼︎入選(敬称略、50音順)

大石  一貴    (おおいし・かずき、1993年生まれ) 東京都在住

大津  芳美    (おおつ・よしみ、1983年生まれ) 東京都在住

尾崎  藍        (おざき・あい、1991年生まれ) 東京都在住

敷根  功士朗(しきね・こうしろう、1993年生まれ)東京都在住

◼︎応募総数
82件[神奈川県内25件(うち藤沢市内4件)、神奈川県外56件、国外1件

  

審査の様子 (高嶺氏、藪前氏)


【審査員/審査評】

高嶺 格氏[美術家・多摩美術大学教授]

1968年鹿児島生まれ。京都市立芸術大学工芸科漆工専攻/岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー[IAMAS]卒。現代社会に潜む諸問題を、パフォーマンス、映像、インスタレーションなどの多様な表現で展開してきた。これまでの作品に、身体障害者の性をめぐる映像作品《木村さん》(1998)、自身の恋人との関係を起点に、在日について思考する《在日の恋人》(2003)、放射能汚染をめぐる会話を舞台上で再現した「ジャパン・シンドローム」シリーズ(2011-)など。また、アメリカの9・11を出発点とし、2トンに及ぶ粘土を使ったクレイアニメーション《God Bless America》(2002)を第50回ヴェネチア・ビエンナーレに出品した。主な個展に「大きな休息」「とおくてよくみえない」「高嶺格のクールジャパン」など。


[審査コメント]

私はこの公募のことも藤沢市アートスペースのことも知らなかった。条件も格段いいわけではない(すいません)から、正直言うと応募のレベルには期待していなかった。つまり結果から言うと、驚いたのである。添付された過去作品は軒並みクオリティが高かった。聞くと、例年よりも全体的にレベルが上がっているという。それはおそらく、コロナが影響しているだろうと。大学という恵まれた環境にいる身としては、そのこと、つまり応募者がどんな環境にいて、どんな気持ちで応募してきたのかを想像しつつ、応募用紙をつぶさに見たつもりである。四人という限られた人数だったが、選べるものならもっと多くの人を入れたかった。入選は若い世代が多くなったが、それは藤沢でなにをしようとしているか、過去作から新作への跳躍の度合いを見たせいである。移動が制限されフィジカルにものを作ることの難しい現在ではあるが、そのことを逆手にとり、また藤沢という街を巻き込んで時代に風穴を開けてくれることを期待している。


藪前知子氏[東京都現代美術館学芸員]

これまで企画担当した主な展覧会は、「大竹伸朗 全景 1955-2006」(2006)、「山口小夜子 未来を着る人」(2015)、「おとなもこどもも考える ここはだれの場所?」(2015)、「MOTアニュアル2019 Echo after After: 仮の声、新しい影」(2019)、「石岡瑛子 血が、涙が、汗がデザインできるか」(2020) (以上、東京都現代美術館)など。外部企画に札幌国際芸術祭2017の企画チーム、αM2019「東京計画2019」ゲストキュレーターなど。キュレーションの他に、雑誌、ウェブ、新聞等に日本の近現代美術についての寄稿多数。

 

 


[審査コメント]

コロナ以降の世界で、滞在制作とはどのような意義を持つものになるだろうか。移動し、他者と同じ空間を共有し、その場でしか起こり得ない経験を共有する。この営みが、現行の世界に対する批評性を帯びるものとなった今、アートとは他者との出会いであり、いまこの瞬間における時間と空間の共有なのだということを確認する機会として、このプロジェクトの意義が共有されることを願いたい。受賞作はいずれも、他者なる存在に対する、作家それぞれの距離の測り方を示すものとなった。

テキスタイルを用いた作品を手がけてきた大津芳美は、思考が形に、物質が作品に、パーソナルな領域がパブリックに変化していく、このプロジェクトという枠組みの中で起こるであろう変化の過程を、滞在制作という仕組み自体に言及した作品として印象に残った。

尾崎藍の提案は、身体を通した他者との交感というテーマを、視点の転換により世界が一つの大きな消化器官であるようなイメージへと発展させる。他者との接触が禁忌となる新しい社会で、彼女の関心はどのように広がっていくだろうか。

大石一貴にとっての他者とは、素材であり、彫刻というメディアそのものだろう。小さな出来事が記録されたメディアとしての「弱い碑」。物質や素材、彫刻の側が持つ動きに着目し、作るという行為を相対化しようという試みの延長上として注目に値する。

敷根功士朗は、感情や記憶など、他者には不確かで見えない要因がその関係に与えていく影響と変化を、カメラを通して可視化しようとする。作者が提示した物語はすでに印象的なフレームとしてあるが、そこに藤沢という地が、今後どのような影響を与えていくかにも注目したい。

1月の世界はどのように変化しているだろうか。恐らくはローカルから始まる思考がますます重要性を増す中、それぞれの作家たちがどのような軌跡を描くのか、楽しみに待ちたいと思う。


Artists in FASとは

藤沢市アートスペース(FAS)が実施するアーティスト・イン・レジデンス プログラムで、2016年にスタートし、今年で5回目を迎えます。全国のアーティストから制作したい作品と展示についてのプランを広く募集し、外部審査員による審査のもと、選出されたアーティストに作品制作と展示の機会を提供します。


<審 査>

書類選考により入選者4名(組)を決定。
2020年9月1日(火)にFASのウェブサイトにて結果発表。

※展示場所はFASの展示ルーム、レジデンスルーム、ココテラス湘南ビル内共用部分のいずれかになります


<審査員>

高嶺 格 氏[美術家、多摩美術大学教授]

藪前 知子 氏[東京都現代美術館学芸員]


<滞在制作期間>

2020年10月3日(土)〜2021年1月17日(日)

※上記期間中、30日以上(1日6時間程度)FASで滞在制作をすること


<成果発表展覧会>

2021年1月30日(土)〜2021年3月21日(日)

※入選者によるグループ展です。

※休館日:月曜日


<入選>

4名(組)
入選者(組)には、滞在および制作補助として30万円を支給します。

※支給方法:事業終了後に本人名義の口座へ振込みとなります。


<応募方法>

受付期間: 2020年7月1日(水)〜 2020年8月9日(日)[必着]  受付終了しました。

◉受付期間内に応募書類を提出してください。
詳細は以下要項をご確認ください

Artists in FAS 2020_募集要項(PDF)


<応募書類>

[応募方法]受付期間中に以下の応募書類を提出してください。受付終了しました。

① 藤沢市アートスペース「Artists in FAS 2020」申込用紙
※FASで配布しています。以下からもダウンロードできます。
※郵送を希望の方は、FASまでご連絡ください。
※応募は一人1件とします。

② ポートフォリオ(任意)
※A4サイズの用紙、(10枚以内)をクリップ等でまとめ、透明のクリアファイルに入れて提出してください(紙に出力したものに限る)。
※DVDやCD等での画像データの添付不可。
※映像の場合、5分以内に編集したものをCDやDVD(movまたはmp4)で提出してください。Youtubeなどの動画サイトやインターネット上にアップロードしたものは審査の対象になりません。


【申込用紙】

ダウンロードはこちら

Artists in FAS2020_申込用紙 (Word)
Artists in FAS2020_申込用紙 (PDF)

【参考図面】
展示ルーム参考図面 (PDF)
レジデンスルーム参考図面 (PDF)


〈展示場所〉

展示ルーム(約200㎡)

レジデンスルーム(約138 ㎡)

ココテラス湘南ビル共用部分(一例)


〈Artists in FAS 2019 〉

成果発表展(2019.9.28-11.10)の様子

国分想《ココテラス・ココトマレ》《ココテラス・ココソマル》

越中正人《穴からはじまったこと》

下大沢 駿《老いた木ーケヤキ》《若い木ーシマトネリコ》《若い木ーハンノキ》《湘南C-X》《湘南台文化センター》

田中唯子《海を見る/傍観する1》《海を見る/傍観する2》《海を見る/傍観する3》 会場:ココテラス湘南ビル2F〜4Fの吹き抜け


〈応募に関する注意事項〉

・応募書類はe-mail、FAXでは受け付けません。
・応募書類(①申込用紙、②ポートフォリオ)は返却しません。


〈個人情報の取り扱いについて〉

いただいた個人情報は藤沢市アートスペースにて厳重に管理し、下記目的に限り使用します。

・入選者については審査結果の通知、滞在制作、成果発表展示、図録作成、広報等、Artists in FASの事業遂行に必要な場合

・Artists in FASをはじめとする藤沢市アートスペース主催の事業に関するお知らせ(次年度以降の使用も含む)

・その他藤沢市アートスペースにおいて必要と判断する場合


〈提出先〉

〒251-0041 神奈川県藤沢市辻堂神台2-2-2 ココテラス湘南6F
藤沢市アートスペース「Artists in FAS 2020」係


〈企画・応募に関する問い合わせ先〉

TEL.0466-30-1816 / e-mail: fj-art@city.fujisawa.lg.jp

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