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更新日:2019年10月11日
2017年(平成29年)1月 教育長の窓 No.147
『「だれもが えがおで過ごせるように」~新年を迎えて 思うこと~』
みなさま、あけましておめでとうございます。
新しい年を、みなさま健やかにお迎えになったことと思います。
澄んだ青空に、雪を抱いた富士山が映え、湘南のお正月の良さを、存分に味わえた新年だったように思います。
新春恒例の実業団駅伝や箱根駅伝では、今年もたくさんのドラマが生まれました。3連覇のかかる青山学院大学は、今年の目標を「サンキュー大作戦」と銘打ち、駅伝に関わるすべてのみなさんへの感謝を背負って、箱根路を往復いたしました。結果は、どうであれ、常に前向きな目標を設定し、チームで一つになって、その目標を達成しようとする意気込みは、見習うべきものがあります。
藤沢市教育委員会も、チームで一つとなって、真摯に事業に向かい、市民のみなさまの信頼に応えられるよう努めて参りますので、どうぞよろしくお願いいたします。
本年も、教育委員会は「えがおあふれる学校づくり」を推進して参ります。そのために、藤沢市全体の財政状況を勘案しながらにはなりますが、次の3点に力を注いで参ります。
1点目は、「藤沢の支援教育」の充実を図ることです。昨年、相模原市で起きた悲しい出来事は、世の中に、まだまだ障がいを持つみなさまへの偏見があることを知らされました。藤沢市立の学校では、「ともに学び ともに育つ」教育をめざし、「障がいの有る無しにかかわらず、すべての困りごとを抱える子どもたちを支援する」こととしておりますが、まだまだ課題はたくさんあります。教職員が、人権や支援に対する意識を高く持つように、日々研鑽すること、「ともに学ぶ」体験を通して、子どもたちがさまざまな障がいを理解し、「ともに育つ」ことが大切であると考えています。みなさまも、ぜひ、「藤沢の支援教育」について、ご理解・ご支援をよろしくお願いいたします。
2点目は、小学校に学級担任を持たない「児童支援担当教諭」を配置し、その活動時間を保障するために、市費講師を配置することです。児童支援担当教諭は、全校の児童に対して、「児童及び保護者の相談」「登校支援」「家庭訪問」などを行い、担任をサポートする役目を担います。また、必要に応じて、ケース会議などを開催し、どのようにチームでサポートにあたるかを相談する役目を担っています。あらゆる教育活動を通して、組織的、効果的に児童支援に取り組み「きめ細かな教育」を推進することをめざし、できるだけ早い時期に、全校配置を行いたいと思っております。
3点目は、給付型奨学金制度の創設です。昨年12月子ども文教常任委員会で、中間報告を行い、さらなる検討を重ねた上で、2月議会に諮り、決定をいただいた後に実施となります。学ぶ意欲と能力のあるすべての子どもたちが、質の高い教育を受け、能力や可能性を最大限に伸ばし、それぞれの夢に向かって生きていくことができる社会環境を構築する一つとして、国の動きとは別に、藤沢市独自に創設するものです。給付対象者は、大学、短期大学、専修学校の専門課程、高等専門学校を希望する人たちの中で、一定の条件を満たす者となります。
そのほか、学校教育においては、新しい学習指導要領実施に向けての準備を始めなければなりません。新しい学習指導要領の内容について、報道によれば、特別な教科としての道徳の導入、アクティブラーニング、ユニバーサルデザインの授業、プログラミング教育などが予定され、各学校には、カリキュラムマネジメントが要求されます。また、小学校の授業時間数が増えたり、3年生から外国語活動、5年生から英語が導入されます。「何を教えるか」「どう学ぶか」そして「何ができるようになるか」が問われることとなります。教育委員会は、学校と連携し、しっかりと準備を進めて参ります。
学びは、子どもたちの自立を促すものであり、やがて一人の社会人として、他の人と協力しながら、よりよい社会をつくっていく力を身につけていくためのものだと私は思っています。そのために、義務教育段階で「基礎・基本」の定着を図り、「知識を知恵に変え、生きて働く力」として、いかに活用できるか、子どもたちが「たくさんの人」「たくさんのもの」「たくさんのこと」と関わる中で、体験を通して、学んでいくことが大切だと思っています。子どもたち同士が、自分の考えを相手に伝え、相手の話をよく聴き、しっかりと受け止め、さらに、自分の考えを深めていくような関係性をつくってほしいと願っています。学校での教育活動は、子どもたちのよりよい成長のために、教職員が、一人ひとりの子どもたちの実態を把握し、さまざまな活動を工夫し、実践していく必要があり、教育委員会は、各学校の実践を支援し、教育環境を整えていくことに努めていきたいと考えております。
未来を担う藤沢の子どもたちの育成には、保護者のみなさま、地域のみなさまのご支援・ご協力が必要です。どうぞ本年も、子どもたちへのご指導・ご支援をよろしくお願いいたします。
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