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更新日:2025年4月9日
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本当は怖い加熱式タバコの真実(コラム)
新型タバコとは電子タバコと加熱式タバコのことを指します。日本で発売されている電子タバコにはニコチンが含まれていないためタバコとしては扱われず、タバコ類似品という扱いになっています。加熱式タバコはニコチンを含んでいるためタバコとして取り扱われます。
加熱式タバコは2013年以降各社より国内で発売が開始されてからは爆発的に売り上げを伸ばしており、令和5年度の加熱式タバコの利用者の割合は39.4%となっています。 売れている理由は人気芸人によるメディアの後押しの他、従来の紙巻きタバコにあった嫌なタバコ臭がない事や、煙により部屋や衣服が汚れにくい事が大きいと言われています。
ある会社で販売している加熱式タバコは約4000種類ある有害成分のうち9種類を、紙巻きタバコと比べ
約90%“低減”したと言っていますが、果たしてこれは健康被害の“低減”につながるのでしょうか?
受動喫煙を含め全く喫煙をしない人の狭心症/心筋梗塞のリスクを1とした場合、1日1本吸う人のリスクは1.74、20本吸う人のリスクは2.27です。つまり、1日20本吸っていた喫煙者が頑張って1日1本=5%に“低減”したとしても、その努力はあまり報われないという事です。これを加熱式タバコに置きかえてみましょう。一部の有害性物質を10%に“低減”した加熱式タバコにしたとしても、その効果はそれほどないという事なんです。事実、 商品のリーフレットの注意文言には、「有害成分90%カットの表現は健康に及ぼす悪影響が小さいことを意味するものではありません」ち~さく明記されているんです。心臓疾患だけではありません。加熱式タバコの煙の中にある発がん性物質であるアセトアルデヒド/ホルムアルデヒド、ニトロソアミン等による肺がん発症や、急性好酸球性肺炎という急速に呼吸困難を生じる病気をも発症する事があります。
タバコ臭がないから周囲へ迷惑をかけないという考えも間違っています。呼出煙という形で、吸った口から吐き出されるガス成分がしっかりあり、これは本人が加熱式タバコで吸っている主成分と同じものですので、周囲の人は受動喫煙による影響を受けています。 タバコによる病気は、本数を減らしたり有害物質の少ないものへ変更しても予防効果は少なく、唯一の予防方法は“低減”ではなく禁煙のみなんです。
著:藤沢市医師会禁煙推進委員会担当理事・山口クリニック院長 山口邦彦 先生
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