藤沢市教育委員会『教育長の窓 No.156』

 2017年（平成29年）10月 教育長の窓 No.156

 『文化の秋』

 

　10月を迎え、朝夕めっきり秋らしくなりました。秋はとても過ごしやすく、「食欲の秋」「スポーツの秋」「文化の秋」と言われているように、さまざまなことに意欲を持って関わることができる季節です。

　9月には、市立中学校全校において文化祭が行われ、子どもたちが「文化の秋」を表現していました。実行委員会が中心となって運営している文化祭は、学校ごとに特色があり、ステージ発表や展示発表では、子どもたちの熱演や力作に触れることができました。

　ステージ発表では、限られた時間の中でしたが、吹奏楽部の演奏、ギター部の演奏、地域のみなさまから指導を受けた太鼓の演奏などを聴いてきました。発表者と聞き手がしっかりと繋がり、全校の一体感が感じられる圧巻の演奏でした。

　各教室での発表も、時間の許す限り、観てきました。授業中に作成した作品や夏休みの宿題の作品等が展示されているコーナーでは、習字、俳句、絵、美術館レポート、自己紹介や好きなことの英作文、修学旅行で出かけた京都等の紹介、八ヶ岳野外体験教室での様子の報告、理科の自由研究など、様々な作品が展示されていました。どの作品にも一人ひとりの思いを感じました。また、特別支援学級の子どもたちの作品には、集中力に満ちた刺繍、芸術的な習字、焼き物などがあり、どれも個性が感じられ、とてもステキでした。

　部活動の発表については、家庭科部の手芸、生け花部のフラワーアレンジメントやドライフラワーを使ったかざり、写真部の一瞬のシャッターチャンスを捉えた写真、そして美術部の力作など、中学生の作品とは思えないほどすてきな作品にたくさん出会えました。また、ある中学校の美術作品の中に、紙粘土でその学校の先生方のフィギュアを作成し、その横に先生に対するコメントが添えられている作品が並んでいました。子どもたちと先生との距離の近さや先生を観察する視点の鋭さに思わず笑みがこぼれました。

　部活動の実演発表では、理科部が「カルメ焼き」や線香の煙を穴の開いた段ボールに詰めて押し出す「煙砲」など、おもしろく楽しい実験をしていました。そのほかにも、プラバンづくり、石けんづくり、体力計測、うでずもうのコーナーなど、おもしろいイベントがたくさんあり、たくさんの来場者を喜ばせる「おもてなしの心」に満ちているように感じました。

　子どもたちのみならず、保護者のみなさまや地域のみなさま、また、近隣の高校が参加する中学校もあり、たくさんのみなさまの協力を得て、文化祭が行われていることに心から感謝申し上げます。

　さて、「文化の秋」の一つのイベントとして、藤沢市の教育文化センター主催の「藤沢市総合かがく展」が、今年で第48回を迎えます。

　「藤沢市総合かがく展」には、「小・中学生の科学的な見方や考え方を大切にしたい」という藤沢市の先生方の願いが込められています。子どもたちの研究への意欲喚起をされた各学校の先生方、藤沢市小学校教育研究会理科部、藤沢市中学校教育研究会理科部、そして藤沢市教育文化センター理科研究員の先生方のご協力と教育文化センター職員の熱意が、48年もの長きにわたって「かがく展」を継続させているのだと思います。「小学生の部」、「中学生の部」、「教職員の部」、「一般の部」があり、毎年、たくさんの作品が寄せられ、湘南台文化センターを会場として展示が行われます。

　本年度は、10月19日木曜日から24日火曜日の午前9時から17時（最終入場16時30分）まで開催いたします。

　小・中学生の作品については、子どもたちが「不思議に思ったこと」「考えてみたいこと」「体験してみたこと」など、夏休みの宿題として取り組んだ「自由研究」の中から各学校が選んだ作品を展示します。文化祭で、私も「自由研究」の作品をたくさん目にし、子どもたちの「かがく展」への意気込みを感じました。ニュースで話題の「ヒアリ」について調べたものが多くあったように記憶しています。昨年度は、最優秀作品として、小学校の部では「空飛ぶ団子のかごの中のお茶の秘密」、中学校では「環境に優しい石けんで快適な洗濯を～石けんカスを出さないためには～」が選ばれています。今年度は、どのような視点で研究材料を見つけ、その課題を解いた作品が出されるかとても楽しみにしています。

　保護者のみなさま、市民のみなさま、子どもたちの力作を見に、ぜひ「藤沢市総合かがく展」にご来場ください。

　小学校では、35校全ての修学旅行が10月2日までに無事終了いたしました。また、運動会は、10月8日日曜日までに34校で終了し、14日土曜日の長後小学校が市内で最後の運動会となります。子どもたちは「スポーツの秋」を満喫しています。

　子どもたちの健やかな育ちに、今後ともご支援・ご指導をどうぞよろしくお願いいたします。